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第9話 (ASの目線)vs剣聖
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———ASの目線———
空には青空が広がっている。
19種族の剣聖から放たれな斬撃により岩地帯の崩壊が始まっていた。
粉塵が舞い上がり、斬撃に切り裂かれた焦げた臭いがしている。
安杏ちゃんがゴブリン達の住み家に突っ込んでから30秒近くが経過しようとしていた。
屑礼先輩とは、安杏ちゃんが危ないと思ったら助けようと話しをしていたが、そんな事を考える時間など全くなかった。
逆手から繰り出した一閃にて、50m先の岩の丘が崩れ始めている状況を目の当たりにしていたものの、やはり信じられない気持ちが強く、思考が消化不良の状態だ。
遠距離による斬撃なんて見た事がないというか、その威力を見ても伝説級ではなかろうか。
安杏ちゃんが規格外の斬撃を繰り出すまでは、ゴブリンが怖くてしかたが無かったが、今は少女の異次元の強さに脱力状態のようになっていた。
安杏ちゃんが戦っている姿を目にしてまだ1分も経過していないが、11種族最強の義父ですらその足元には遠く及ばないものと認識した。
気が付くと、屑礼先輩が「行くぞ」と言いながら歩き始めているのだが、え、一体どこに行くのだろうか。
催眠術にかかっているように自分の意思が無い感じで屑礼先輩の後ろを歩き始めていた。
50m先にいたボウガン兵との戦闘は既に終了したようで、安杏ちゃんの気配はなく、斬り裂かれた岩石がゴロゴロ崩れ続けている。
災害級のゴブリンの根城に女の子が単独で戦闘を開始して、圧倒しているように見えるのだけど、私の常識って何なんだろうって思ってしまうな…
集中力がなく、いろいろな事を考えフラフラ歩いていると、ゴブリン達の雄叫びが向こうの奥から聞こえてきた。
結構な数がいるぞ。
体か硬直し、全身の毛穴が開き背筋が凍りついていくのが分かる。
吐き気に襲われ、歩く事が出来ない。
安杏ちゃんに何かあったのだろうかと思った時――――――
突然雷が落ちたような衝撃音が響いてきた。
気が付いたら、恐怖で岩地にうつ伏せになっている。
…。
衝撃音の余韻で地面が揺れているというか、ゴブリン達の雄叫びが消えているのだけど…
「ねえ、今、雷でも落ちた?」
空には青空が広がっているが、時折、落ちる事例があると聞いたことがある。
もしかして1種族の魔道師が集団魔法でも使ったとか、いや4種族が古代兵器を使用した可能性もある。
私の妄想をよそに、一緒になってうつ伏せになっていた屑礼先輩が現実的は答えを言ってきた。
「今の轟音は、おそらく、安杏里から繰り出された一撃によるものだろうな。」
「………」
「おそらくだが、この先は地獄の様相になっているだろう。」
地獄って。
それはゴブリン達にとっての地獄であるという意味だ。
屑礼先輩と同時に体を起こし、無言で歩き始めていた。
生気のない顔が珍しくこわばっている。
奥のすり鉢状になっている広場に行くと、まさにそこは地獄絵図であった。
首を跳ねられたゴブリンの死骸がそこらじゅうに転がっている。
まさに情け無用の光景だ。
というか圧倒的過ぎる。
ゴブリンは災害級なんだよ。
岩場の上の方でくつろいでいた安杏ちゃんが「皆さん絶滅しているので安心してください」と日常会話をするような感じで喋ってきた。
無事のようで安心したよ。
というか、昼寝でもしているの?
これだけの事をして普通って感じなんだな。
奥の岩場に綺麗な丸いトンネル状にくり貫かれて向こうの景色が見えるけど、上がっている粉塵の状況より、先ほど轟いてきた落雷のような音は、やはり安杏ちゃんが繰り出した斬撃によるものだったの?
ありえないでしょう…
これが事実なら、種族間戦争なんてする意味は無いのではなかろうか。
侍として研鑽を積んできた者としてあれこれ考えている中、屑礼先輩がやるべき事を話してきた。
「捕らえられている者がいるかもしれない。捜索しよう。」
◇
15歳の時に11種族で頂点に立つ『武闘軍団デュカリオ』に混じり訓練に参加をし、刀を交えていたが、物足りなさを感じていた。
『デュカリオ』は世界最強の武装集団であると思っているものの、私が強くなるためには何か足りないような気がする。
そして、小さく底抜けに可愛い安杏ちゃんの強さを目の当たりにして、恐怖と同時に何か私の中に目覚めたような感覚があった。
19種族とは同盟を結んでいない。
屑礼先輩が安杏ちゃんに直接確認したが、そのつもりは無いという。
11種族の代表として『千年戦争』に参加している義父と、安杏ちゃんはいずれ戦う運命にあるという事だが、天地がひっくり返っても義父は勝てないだろう。
というか、安杏ちゃんには傷一つ付ける事も不可能だ。
私は義父の楯になるつもりでいたが、安杏ちゃんにとっては楯どころか紙切れくらいな存在かもしれないな。
だが、私の血がたぎっていた。
剣客としての本能なのか、剣聖の強さに対して憧れのようなものが芽生えている。
『デュカリオ』との訓練では満たされない何かがそこにあると思えた。
義父の楯になるとか、どうでもいい…
――――私は安杏ちゃんと刀を交えてみたい
勝つ見込みなんて無い事は分かっている。
だが、一撃だけでもその身で受けてみたい。
『剣聖』と刀を交えたいという欲求が死の恐怖を上回っていると分かる。
気が付くと、安杏ちゃんに決闘を申し込んでいた。
私の体中の血液は沸騰していた。
私の『命が燃えていく』のが分かる。
侍は命の危険に陥った際に、爆発的な力を発揮すると聞いていたが、この状態の事なのだろう。
屑礼先輩が安杏ちゃんとの決闘を止めようとしているが、マジでうざいというか邪魔だ。
10m先の正面に立つ安杏ちゃんは私の挑戦を受けてくれたものの、やる気が感じられない。
私の相手なんてそんなものなんだろうな。
だが、私はこの決闘に命をかける!
「私の方はいつでもいいですよ。」
腰を深く沈め、名刀『飛翔』を握りしめた。
しのご考える必要なんてない。
ただ安杏ちゃんから繰り出される、神速の斬撃に合わせるだけだ。
深く息を吐いた。
安杏ちゃんが腰の剣に手をかけている。
抜刀されるタイミングは本能で分かる。
――――――撃ち堕としてやる!
奥義・残像剣――――――――――
安杏ちゃんが繰り出した遠距離斬撃に、名刀『飛翔』の刀身が粉々に砕け、同時に手首の骨にヒビが入った。
空には青空が広がっている。
19種族の剣聖から放たれな斬撃により岩地帯の崩壊が始まっていた。
粉塵が舞い上がり、斬撃に切り裂かれた焦げた臭いがしている。
安杏ちゃんがゴブリン達の住み家に突っ込んでから30秒近くが経過しようとしていた。
屑礼先輩とは、安杏ちゃんが危ないと思ったら助けようと話しをしていたが、そんな事を考える時間など全くなかった。
逆手から繰り出した一閃にて、50m先の岩の丘が崩れ始めている状況を目の当たりにしていたものの、やはり信じられない気持ちが強く、思考が消化不良の状態だ。
遠距離による斬撃なんて見た事がないというか、その威力を見ても伝説級ではなかろうか。
安杏ちゃんが規格外の斬撃を繰り出すまでは、ゴブリンが怖くてしかたが無かったが、今は少女の異次元の強さに脱力状態のようになっていた。
安杏ちゃんが戦っている姿を目にしてまだ1分も経過していないが、11種族最強の義父ですらその足元には遠く及ばないものと認識した。
気が付くと、屑礼先輩が「行くぞ」と言いながら歩き始めているのだが、え、一体どこに行くのだろうか。
催眠術にかかっているように自分の意思が無い感じで屑礼先輩の後ろを歩き始めていた。
50m先にいたボウガン兵との戦闘は既に終了したようで、安杏ちゃんの気配はなく、斬り裂かれた岩石がゴロゴロ崩れ続けている。
災害級のゴブリンの根城に女の子が単独で戦闘を開始して、圧倒しているように見えるのだけど、私の常識って何なんだろうって思ってしまうな…
集中力がなく、いろいろな事を考えフラフラ歩いていると、ゴブリン達の雄叫びが向こうの奥から聞こえてきた。
結構な数がいるぞ。
体か硬直し、全身の毛穴が開き背筋が凍りついていくのが分かる。
吐き気に襲われ、歩く事が出来ない。
安杏ちゃんに何かあったのだろうかと思った時――――――
突然雷が落ちたような衝撃音が響いてきた。
気が付いたら、恐怖で岩地にうつ伏せになっている。
…。
衝撃音の余韻で地面が揺れているというか、ゴブリン達の雄叫びが消えているのだけど…
「ねえ、今、雷でも落ちた?」
空には青空が広がっているが、時折、落ちる事例があると聞いたことがある。
もしかして1種族の魔道師が集団魔法でも使ったとか、いや4種族が古代兵器を使用した可能性もある。
私の妄想をよそに、一緒になってうつ伏せになっていた屑礼先輩が現実的は答えを言ってきた。
「今の轟音は、おそらく、安杏里から繰り出された一撃によるものだろうな。」
「………」
「おそらくだが、この先は地獄の様相になっているだろう。」
地獄って。
それはゴブリン達にとっての地獄であるという意味だ。
屑礼先輩と同時に体を起こし、無言で歩き始めていた。
生気のない顔が珍しくこわばっている。
奥のすり鉢状になっている広場に行くと、まさにそこは地獄絵図であった。
首を跳ねられたゴブリンの死骸がそこらじゅうに転がっている。
まさに情け無用の光景だ。
というか圧倒的過ぎる。
ゴブリンは災害級なんだよ。
岩場の上の方でくつろいでいた安杏ちゃんが「皆さん絶滅しているので安心してください」と日常会話をするような感じで喋ってきた。
無事のようで安心したよ。
というか、昼寝でもしているの?
これだけの事をして普通って感じなんだな。
奥の岩場に綺麗な丸いトンネル状にくり貫かれて向こうの景色が見えるけど、上がっている粉塵の状況より、先ほど轟いてきた落雷のような音は、やはり安杏ちゃんが繰り出した斬撃によるものだったの?
ありえないでしょう…
これが事実なら、種族間戦争なんてする意味は無いのではなかろうか。
侍として研鑽を積んできた者としてあれこれ考えている中、屑礼先輩がやるべき事を話してきた。
「捕らえられている者がいるかもしれない。捜索しよう。」
◇
15歳の時に11種族で頂点に立つ『武闘軍団デュカリオ』に混じり訓練に参加をし、刀を交えていたが、物足りなさを感じていた。
『デュカリオ』は世界最強の武装集団であると思っているものの、私が強くなるためには何か足りないような気がする。
そして、小さく底抜けに可愛い安杏ちゃんの強さを目の当たりにして、恐怖と同時に何か私の中に目覚めたような感覚があった。
19種族とは同盟を結んでいない。
屑礼先輩が安杏ちゃんに直接確認したが、そのつもりは無いという。
11種族の代表として『千年戦争』に参加している義父と、安杏ちゃんはいずれ戦う運命にあるという事だが、天地がひっくり返っても義父は勝てないだろう。
というか、安杏ちゃんには傷一つ付ける事も不可能だ。
私は義父の楯になるつもりでいたが、安杏ちゃんにとっては楯どころか紙切れくらいな存在かもしれないな。
だが、私の血がたぎっていた。
剣客としての本能なのか、剣聖の強さに対して憧れのようなものが芽生えている。
『デュカリオ』との訓練では満たされない何かがそこにあると思えた。
義父の楯になるとか、どうでもいい…
――――私は安杏ちゃんと刀を交えてみたい
勝つ見込みなんて無い事は分かっている。
だが、一撃だけでもその身で受けてみたい。
『剣聖』と刀を交えたいという欲求が死の恐怖を上回っていると分かる。
気が付くと、安杏ちゃんに決闘を申し込んでいた。
私の体中の血液は沸騰していた。
私の『命が燃えていく』のが分かる。
侍は命の危険に陥った際に、爆発的な力を発揮すると聞いていたが、この状態の事なのだろう。
屑礼先輩が安杏ちゃんとの決闘を止めようとしているが、マジでうざいというか邪魔だ。
10m先の正面に立つ安杏ちゃんは私の挑戦を受けてくれたものの、やる気が感じられない。
私の相手なんてそんなものなんだろうな。
だが、私はこの決闘に命をかける!
「私の方はいつでもいいですよ。」
腰を深く沈め、名刀『飛翔』を握りしめた。
しのご考える必要なんてない。
ただ安杏ちゃんから繰り出される、神速の斬撃に合わせるだけだ。
深く息を吐いた。
安杏ちゃんが腰の剣に手をかけている。
抜刀されるタイミングは本能で分かる。
――――――撃ち堕としてやる!
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