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第23話 (屑礼の目線)MM派vsFM派
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――――屑礼の目線――――
天井パネルに映る太陽から落ちてくる光により、地表がじわじわ温められていた。
賑わっていた商店街から人の姿が消え、シャッターが閉じられてしまった店が軒を連ねている。
安杏里に背中を小突かれ前から倒れてしまった俺は、地面に四つん這いになり、すぐそこに立っている鬼宿日のボスが履いている白い靴が、超至近距離で見えていた。
絶体絶命であるそんな俺に安杏里は助けることなく、社会のゴミはゴミ同士で殺し合えとクソ虫を見るような目で言葉を吐き捨ててきた。
社会のゴミとは鬼宿日のボスで、ゴミとは俺のことである。
こんな俺を見下しそして罵倒してくれて有難うございます。
ご褒美を頂き至高の幸福に包まれていたのだが、安杏里に切り捨てられたことにより、絶体絶命な状況下に追い込まれてしまっていた。
俺は、頭上にいる鬼宿日のボスにいつ殺されてもおかしくない体勢に陥っていたのだ。
つい先ほど、無敵の剣聖が味方だと思いこみ、鬼宿日のボスへ毒を吐いてしまった俺自身をしばきたい。
四つん這い状態になっている俺の真上から見下ろしていた鬼宿日のボスが、意外にも気遣うような言葉をかけてきた。
「まさに四面楚歌だな。私と戦わなければ剣聖に殺されてしまうとは、屑礼もなかなか大変なんだな。」
その言葉にグッと熱い感情がこみ上げてくる。
まさか鬼宿日のボスに、俺の立場を理解されるとは思っていなかった。
ぐやじずぎる。
死ぬにしても、文句を言ってやりたい。
後方でんぐり返しをしながら体を起こすと、俺を簡単に見限った安杏里に対して怒りを噴火させるために後ろに振り返った。
―――――――!
溜まっていたものを吐き出そうとした時、ある違和感に気がついた。
安杏里の腰にぶらさがっている剣が、誰も触れていないのにも関わらず、不自然にカタカタと震えているのだ。
何故、その剣から殺気のようなものが感じられるのだろう。
嫌な予感がする。
怒りを大噴火させるのは後回しにして、剣が震えている理由について尋ねてみた。
「僕の錯覚なのでしょうか。安杏里さんの剣って勝手に動いていませんか?」
「はい。神剣ソラスクラスが街を清掃したいと震えているようですね。」
「ああ、なるほど。その剣がゴミを斬りたがっているわけですか。街の清掃、ご苦労様です。綺麗な街になると、犯罪数が少なくなると言いますしとてもい事ですよね。」
「はい。ゴミ同士で殺し合いをしてくれたら確実に街が綺麗になりますから。」
YES!
罵倒してくれて嬉しいです。
だが、安杏里にこれ以上何かを言ってはいけないと、俺の中で生命の危機を知らせるアラームが警告を発していた。
俺を殺処分してほしいというのが本音だが、さすがにそれは勘弁して下さい。
そう。社会の役に立たないゴミのような男だけど、それでも俺は死にたくない。
安杏里、すまん。お前を受け入れるには俺の器は小さ過ぎたようだ。
希望どおり、ゴミ同士で殺し合いをさせてもらうことにしよう。
覚悟を決め、真っ白なスーツに身を包んだ鬼宿日のボスを睨みつけると、両手を上げて降参のポーズをしてきていた。
顔からは余裕が感じられるが、一体何の真似だ。
「私のこの身体は分身体でね。戦闘力がほとんど無いんだ。」
分身体って、それはつまり本体が別にいるということなのか。
戦闘力な無いって、それは本当なのか。
鬼宿日のボスが片方の手のひらを自身の胸に添えて品良く少し頭を下げると、安杏里に対して今更ながらに自己紹介を始めてきた。
「可愛い剣聖殿。私の名はサマエル。15種族から千年戦争に参加している者だ。お見知りおき願いたい。」
「何だって。『悪魔の加護』を持つ15種族だとぉ!」
やべぇ、思わず叫んでしまった。
鬼宿日のボスが悪魔の15種族だというのも驚きだけど、そもそも15種族は地下2階層に閉じ込められてるんじゃないのか。
そう。悪魔っていうのは、はったりだろ。
だが言われてみると、鬼宿日のボスは悪魔っぽい顔をしている。
もしそれが本当だとしたら、安杏里は俺に鬼宿日のボスと戦うように強要してきたものの、あいつが15種族の悪魔だとしたら話しは別になるだろ。
安杏里に再交渉をするべく必死に訴えかけてみた。
「15種族の悪魔に底辺の住民である僕なかんかが勝てるわけありません。あいつの相手は、安杏里さんがするしかないと僕は思います!」
「クソ虫のくせに私へ意見をしないで頂けますか。」
うううう。
塩対応をしてくれて凄く嬉しいのであるが、悪魔と戦えって、さすがに酷過ぎませんか。
何気に殺気を放っている腰の剣に、安杏里の片手が触れようとしているし。
これ以上のご褒美をおかわりしては駄目だと、俺の生きるための本能が告げている。
安杏里へ抗議をすることは出来ない。
奴の話しを信じるとして、本当に戦闘力が無いになら何とかなるかもしれない。
余裕の表情を浮かべている悪魔と名乗る男が、上げていた両手を下げ何やら語り始めてきた。
「知ってのとおり、私達15種族は4種族が扱う古代遺跡の力により、要塞都市の地下2階層に閉じ込められていて、私の本体はそこにいるのだよ。とはいうものの、千年戦争で戦わないといけないだろ。だから、この要塞都市で兵隊を集めているってわけなんだ。」
「なるほど。その兵隊というのが鬼宿日という事か。」
「その通りだ。これから私は2人の部下を『召喚』させてもらおう。現れろ、豪画。JJ。」
召喚だと!
サマエルの宣言と共に2人の男が現れてきた。
1人はタンクトップに短パンを着た褐色の肌をしたあどけない顔をした少年だ。
活発で元気のよさそうな印象がある。
この少年のことを、地下1階層で知らない者はいない。
その童顔な容姿とは異なり、非道の限りを尽くしていることで有名な少年だ。
名前は豪画。
外道の中の外道だ。
まさか15種族だったのとはな。
正直、俺がかなう相手ではないだろう。
ちょっと待て。
豪画は地上階層の収容所に監禁されているはずだ。
『召喚』って、収容所から転移させてきたって事なのか。
そしてもう1人のJJと呼ばわれた男は、知らない奴だ。
背の高くヒョロリとした体型で、とても強そうには見えない。
だが、こいつも15種族だとしたら、豪画と同等の戦闘力を持っていると考えるべきか。
俺は、こんな奴等の相手をしないといけないのかよ。
全く緊張感のない笑顔を浮かべている豪画が、召喚主であるサマエルへ、突然呼ばれたことに文句を言い始めた。
「今から僕に逆らった奴等をフルボッコにしてやるところだったのに、どうしてこのタイミングで呼んでくるかな。何、この冴えない男をぶっ殺せばいいの?」
「豪画君。ボスに対する言葉遣いが悪いぞ。」
この2人は俺の事は眼中にないって感じだ。
本当なのだから言い返せないけど。
それにしても悔しいぜ。
安杏里が戦ってくれたら余裕で楽勝なんだけどな。
真っ白なスーツを来た男が、気色悪い笑顔をキープしばがら、俺に戦う相手を選ぶように話しかけてきた。
「豪画とJJのどちらと戦うか、屑礼が選びたまえ。」
俺が選んでいいのかよ。
俺よりも遥かに高い運動能力を活かし接近戦をしてくる豪画とは戦いたくない。
だが、戦闘力が分からないJJと違い、豪画の戦闘スタイルはある程度把握出来ている。
実力差はともかく、やりやすさを考慮したら豪画を選択するべきところなのだろう。
サマエルの提案を聞いていた豪画が、不満そうな様子でJJに戦うように強要する声が聞こえてきた。
「ここはJJが戦いなよ。」
「ボスは屑礼という男に選ぶように言ったはずだ。豪画君が勝手に選んだら駄目だろ。」
「ボスの言葉なんて関係ない。僕の言う通りにしなよ。」
JJは呆れた表情で首を左右に振り、サマエルは怒る様子はない。
鬼宿日のボスが雑な扱いをうけているように見えるが、本当に戦闘力が低い雑魚なのかもしれないな。
どうやら、俺が戦う相手はJJで決まったらしい。
どうせ戦わなければならないのなら、安杏里に格好いい俺の姿を見てもらいたい。
見ていてくれ、マイエンジェル。
俺はやってやるぞ。
ヒョロリとした背の高い男を姿勢よく指差した。
「俺と戦う相手はJJでいいんだな。」
安杏里がどんな表情をしているのか確認すると、アルマジロを両手で掴み、ブツブツと文句を言っていた。
至近距離にいるアルマジロは、安杏里の生暖かい息を感じる間合いで何やら厳しそうな言葉を浴びている。
それは革命だろ。
そんなご褒美がこの世の中に存在していたのかよ。
あのアルマジロ、羨まじずぎる!
ちょっと待て。何故、アルマジロがそこにいるんだよ?
注意が散漫になっている俺へJJがゆっくり距離を詰めながら見当違いな事を言ってきた。
「屑礼君。もしかして、よそ見をしてわざと隙をつくり、攻撃を誘っているのかな。なかなか戦い慣れしているようだな。」
「ほぉう。俺の戦術に気が付いたか。JJも結構出来るじゃないか。」
「自己紹介をさせてもらおう。俺の名はJJだ。『じぇんじぇん強くない』の略称だ。」
「なるほど。ならば、ムチムチ好きの俺の略称は『MM』となってしまうな。」
「ムチムチ派か。俺は『太もも派』だ。JJを改めて、これからは『FM』に改名させてもらうことにしよう。」
「なるほど、太もも派の略称でFMか。」
JJ改めFMは少しニヤリとして、真っ黒な金属の2m以上ある棒をどこからともかく出していた。
お前、マジシャンだったのかよ。
というか、その金属は最高強度を誇る『ミスリル』じゃないのか。
俺の抱えていた疑問を悟ったかのようにFMが説明を始めてきた。
「俺は悪魔ではなく、屑礼君と同じ0種族なんだぜ。いや、ボスからは15種族の力を分けて貰っているから半分15種族かもしれないな。」
「悪魔の力を分けてもらっただと。」
「0種族でもスキルに目覚める者は少ない。俺もそうだった。だが悪魔の力により『ミスリル使い』というスキルを獲得したってわけよ。」
SKILL『ミスリル使い』だと。
FMの持っている棒状のミスリル金属がいきなり二つに割れてしまった。
そして最強強度を誇る金属が、アメーバのように形状を変化させていく。
まるで生きているみたいだ。
ミスリルが変形させるって一体目の前で何が起きているんだ。
太ももフェチのFMって、とてつもなくヤバイ奴かもしれないぞ。
天井パネルに映る太陽から落ちてくる光により、地表がじわじわ温められていた。
賑わっていた商店街から人の姿が消え、シャッターが閉じられてしまった店が軒を連ねている。
安杏里に背中を小突かれ前から倒れてしまった俺は、地面に四つん這いになり、すぐそこに立っている鬼宿日のボスが履いている白い靴が、超至近距離で見えていた。
絶体絶命であるそんな俺に安杏里は助けることなく、社会のゴミはゴミ同士で殺し合えとクソ虫を見るような目で言葉を吐き捨ててきた。
社会のゴミとは鬼宿日のボスで、ゴミとは俺のことである。
こんな俺を見下しそして罵倒してくれて有難うございます。
ご褒美を頂き至高の幸福に包まれていたのだが、安杏里に切り捨てられたことにより、絶体絶命な状況下に追い込まれてしまっていた。
俺は、頭上にいる鬼宿日のボスにいつ殺されてもおかしくない体勢に陥っていたのだ。
つい先ほど、無敵の剣聖が味方だと思いこみ、鬼宿日のボスへ毒を吐いてしまった俺自身をしばきたい。
四つん這い状態になっている俺の真上から見下ろしていた鬼宿日のボスが、意外にも気遣うような言葉をかけてきた。
「まさに四面楚歌だな。私と戦わなければ剣聖に殺されてしまうとは、屑礼もなかなか大変なんだな。」
その言葉にグッと熱い感情がこみ上げてくる。
まさか鬼宿日のボスに、俺の立場を理解されるとは思っていなかった。
ぐやじずぎる。
死ぬにしても、文句を言ってやりたい。
後方でんぐり返しをしながら体を起こすと、俺を簡単に見限った安杏里に対して怒りを噴火させるために後ろに振り返った。
―――――――!
溜まっていたものを吐き出そうとした時、ある違和感に気がついた。
安杏里の腰にぶらさがっている剣が、誰も触れていないのにも関わらず、不自然にカタカタと震えているのだ。
何故、その剣から殺気のようなものが感じられるのだろう。
嫌な予感がする。
怒りを大噴火させるのは後回しにして、剣が震えている理由について尋ねてみた。
「僕の錯覚なのでしょうか。安杏里さんの剣って勝手に動いていませんか?」
「はい。神剣ソラスクラスが街を清掃したいと震えているようですね。」
「ああ、なるほど。その剣がゴミを斬りたがっているわけですか。街の清掃、ご苦労様です。綺麗な街になると、犯罪数が少なくなると言いますしとてもい事ですよね。」
「はい。ゴミ同士で殺し合いをしてくれたら確実に街が綺麗になりますから。」
YES!
罵倒してくれて嬉しいです。
だが、安杏里にこれ以上何かを言ってはいけないと、俺の中で生命の危機を知らせるアラームが警告を発していた。
俺を殺処分してほしいというのが本音だが、さすがにそれは勘弁して下さい。
そう。社会の役に立たないゴミのような男だけど、それでも俺は死にたくない。
安杏里、すまん。お前を受け入れるには俺の器は小さ過ぎたようだ。
希望どおり、ゴミ同士で殺し合いをさせてもらうことにしよう。
覚悟を決め、真っ白なスーツに身を包んだ鬼宿日のボスを睨みつけると、両手を上げて降参のポーズをしてきていた。
顔からは余裕が感じられるが、一体何の真似だ。
「私のこの身体は分身体でね。戦闘力がほとんど無いんだ。」
分身体って、それはつまり本体が別にいるということなのか。
戦闘力な無いって、それは本当なのか。
鬼宿日のボスが片方の手のひらを自身の胸に添えて品良く少し頭を下げると、安杏里に対して今更ながらに自己紹介を始めてきた。
「可愛い剣聖殿。私の名はサマエル。15種族から千年戦争に参加している者だ。お見知りおき願いたい。」
「何だって。『悪魔の加護』を持つ15種族だとぉ!」
やべぇ、思わず叫んでしまった。
鬼宿日のボスが悪魔の15種族だというのも驚きだけど、そもそも15種族は地下2階層に閉じ込められてるんじゃないのか。
そう。悪魔っていうのは、はったりだろ。
だが言われてみると、鬼宿日のボスは悪魔っぽい顔をしている。
もしそれが本当だとしたら、安杏里は俺に鬼宿日のボスと戦うように強要してきたものの、あいつが15種族の悪魔だとしたら話しは別になるだろ。
安杏里に再交渉をするべく必死に訴えかけてみた。
「15種族の悪魔に底辺の住民である僕なかんかが勝てるわけありません。あいつの相手は、安杏里さんがするしかないと僕は思います!」
「クソ虫のくせに私へ意見をしないで頂けますか。」
うううう。
塩対応をしてくれて凄く嬉しいのであるが、悪魔と戦えって、さすがに酷過ぎませんか。
何気に殺気を放っている腰の剣に、安杏里の片手が触れようとしているし。
これ以上のご褒美をおかわりしては駄目だと、俺の生きるための本能が告げている。
安杏里へ抗議をすることは出来ない。
奴の話しを信じるとして、本当に戦闘力が無いになら何とかなるかもしれない。
余裕の表情を浮かべている悪魔と名乗る男が、上げていた両手を下げ何やら語り始めてきた。
「知ってのとおり、私達15種族は4種族が扱う古代遺跡の力により、要塞都市の地下2階層に閉じ込められていて、私の本体はそこにいるのだよ。とはいうものの、千年戦争で戦わないといけないだろ。だから、この要塞都市で兵隊を集めているってわけなんだ。」
「なるほど。その兵隊というのが鬼宿日という事か。」
「その通りだ。これから私は2人の部下を『召喚』させてもらおう。現れろ、豪画。JJ。」
召喚だと!
サマエルの宣言と共に2人の男が現れてきた。
1人はタンクトップに短パンを着た褐色の肌をしたあどけない顔をした少年だ。
活発で元気のよさそうな印象がある。
この少年のことを、地下1階層で知らない者はいない。
その童顔な容姿とは異なり、非道の限りを尽くしていることで有名な少年だ。
名前は豪画。
外道の中の外道だ。
まさか15種族だったのとはな。
正直、俺がかなう相手ではないだろう。
ちょっと待て。
豪画は地上階層の収容所に監禁されているはずだ。
『召喚』って、収容所から転移させてきたって事なのか。
そしてもう1人のJJと呼ばわれた男は、知らない奴だ。
背の高くヒョロリとした体型で、とても強そうには見えない。
だが、こいつも15種族だとしたら、豪画と同等の戦闘力を持っていると考えるべきか。
俺は、こんな奴等の相手をしないといけないのかよ。
全く緊張感のない笑顔を浮かべている豪画が、召喚主であるサマエルへ、突然呼ばれたことに文句を言い始めた。
「今から僕に逆らった奴等をフルボッコにしてやるところだったのに、どうしてこのタイミングで呼んでくるかな。何、この冴えない男をぶっ殺せばいいの?」
「豪画君。ボスに対する言葉遣いが悪いぞ。」
この2人は俺の事は眼中にないって感じだ。
本当なのだから言い返せないけど。
それにしても悔しいぜ。
安杏里が戦ってくれたら余裕で楽勝なんだけどな。
真っ白なスーツを来た男が、気色悪い笑顔をキープしばがら、俺に戦う相手を選ぶように話しかけてきた。
「豪画とJJのどちらと戦うか、屑礼が選びたまえ。」
俺が選んでいいのかよ。
俺よりも遥かに高い運動能力を活かし接近戦をしてくる豪画とは戦いたくない。
だが、戦闘力が分からないJJと違い、豪画の戦闘スタイルはある程度把握出来ている。
実力差はともかく、やりやすさを考慮したら豪画を選択するべきところなのだろう。
サマエルの提案を聞いていた豪画が、不満そうな様子でJJに戦うように強要する声が聞こえてきた。
「ここはJJが戦いなよ。」
「ボスは屑礼という男に選ぶように言ったはずだ。豪画君が勝手に選んだら駄目だろ。」
「ボスの言葉なんて関係ない。僕の言う通りにしなよ。」
JJは呆れた表情で首を左右に振り、サマエルは怒る様子はない。
鬼宿日のボスが雑な扱いをうけているように見えるが、本当に戦闘力が低い雑魚なのかもしれないな。
どうやら、俺が戦う相手はJJで決まったらしい。
どうせ戦わなければならないのなら、安杏里に格好いい俺の姿を見てもらいたい。
見ていてくれ、マイエンジェル。
俺はやってやるぞ。
ヒョロリとした背の高い男を姿勢よく指差した。
「俺と戦う相手はJJでいいんだな。」
安杏里がどんな表情をしているのか確認すると、アルマジロを両手で掴み、ブツブツと文句を言っていた。
至近距離にいるアルマジロは、安杏里の生暖かい息を感じる間合いで何やら厳しそうな言葉を浴びている。
それは革命だろ。
そんなご褒美がこの世の中に存在していたのかよ。
あのアルマジロ、羨まじずぎる!
ちょっと待て。何故、アルマジロがそこにいるんだよ?
注意が散漫になっている俺へJJがゆっくり距離を詰めながら見当違いな事を言ってきた。
「屑礼君。もしかして、よそ見をしてわざと隙をつくり、攻撃を誘っているのかな。なかなか戦い慣れしているようだな。」
「ほぉう。俺の戦術に気が付いたか。JJも結構出来るじゃないか。」
「自己紹介をさせてもらおう。俺の名はJJだ。『じぇんじぇん強くない』の略称だ。」
「なるほど。ならば、ムチムチ好きの俺の略称は『MM』となってしまうな。」
「ムチムチ派か。俺は『太もも派』だ。JJを改めて、これからは『FM』に改名させてもらうことにしよう。」
「なるほど、太もも派の略称でFMか。」
JJ改めFMは少しニヤリとして、真っ黒な金属の2m以上ある棒をどこからともかく出していた。
お前、マジシャンだったのかよ。
というか、その金属は最高強度を誇る『ミスリル』じゃないのか。
俺の抱えていた疑問を悟ったかのようにFMが説明を始めてきた。
「俺は悪魔ではなく、屑礼君と同じ0種族なんだぜ。いや、ボスからは15種族の力を分けて貰っているから半分15種族かもしれないな。」
「悪魔の力を分けてもらっただと。」
「0種族でもスキルに目覚める者は少ない。俺もそうだった。だが悪魔の力により『ミスリル使い』というスキルを獲得したってわけよ。」
SKILL『ミスリル使い』だと。
FMの持っている棒状のミスリル金属がいきなり二つに割れてしまった。
そして最強強度を誇る金属が、アメーバのように形状を変化させていく。
まるで生きているみたいだ。
ミスリルが変形させるって一体目の前で何が起きているんだ。
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