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第34話 おぬし、なかなかやるな
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天井スクリーンを見ると、クリアな青空に白い雲が流れ、天空にいる太陽が地下1階層の街を明るく照らしていた。
この陽射しは地上階層の空から落ちてくるものと、何ら変わりない。
虫の声が聞こえ、淀みない風に揺れる木の枝には鳥達が餌を探して動きまわり、周りには人が暮らす生活音が戻ってきていた。
古いレンガ造りの建物が並ぶ街並みからは、歴史の重みのようなものを感じる。
必殺の斬撃でバエルを切り裂き、機械少女の真里伊が億以上いた数の子供バエルを焼き払ったはずだが、地下1階層にはその痕跡はなく、まるでバエルを掃討した事実が存在していないものになっていた。
背後には9種族の機械少女が『隠密』で姿を消しており、同じように『隠密』を使用しているアルマジロが、その辺りの道を自由気ままに転がっている。
正面に立っているフォルマルテと名乗る背の高いイケメンから19種族の者であるかという質問を今しがたされたところで、その男の隣にはテスタロッサと名乗るちょい太めの女が友好的な笑みを浮かべていた。
商店街はシャッターが上がり始め、隠れていた街の者達が様子を伺うように少しずつ姿を現し、フォルマルテを見つけて笑顔で言葉をかけてきていた。
「フォルマルテ。鬼宿日の奴等をおっぱらってくれたのかい。有難うよ。」
「またよろしく頼むぜ。」
「あいつ等、本当に許せないぜ。」
街の連中は、バエルを掃討した戦闘内容について、何も把握していいないようだ。
あれだけ派手に真里伊が爆撃をし、憶単位の数がいた子供バエル達を焼き尽くした出来事を認識していないのかしら。
もしかして、21種族であるという要塞都市が、ここに暮らしている者達の記憶を改ざんでもしたのだろうか。
何にしても、千年戦争に参加していない21種族については、それほど重要度は高いものではない。
現状では、対峙しているイケメンへの対応の方が優先されるだろう。
まず一つ。一般的なイケメンは『人生なんてEASYだぜ』とほざき世の中を舐めきっている者がほとんどだとういう都市伝説があるが、フォルマルテからは浮かれた様子が見られない。
自身がモテると自惚れている男は、女がみんな自分に惚れていると勘違いするはずだが、その素振りが一切ないのだ。
あきらかにこの男は、イレギュラー的な存在だ。
そしてもう一つ。自己紹介の時に気になる事を言っていた。
そう。自身をマフィアの構成員と言っていたのだ。
マフィアとは何なのかしら。
街の者達からは頼りにされているようだが、これまで会った者達と異なり修羅場をくぐってきたような空気感を纏っている。
このイケメンは只者ではないだろ。
その辺りを転がっているミランダへ、フォルマルテ達へ聞こえないように抱えていた疑問について尋ねてみた。
『ミランダ。少しよろしいでしょうか。といいたすか、遊んでばかりしないで下さい。』
『私に遊ぶなと言うのか。なるほどな。どうやら安杏里には、まず『遊び』の重要性について教える必要があるようだな。少しばかり長い話しになるが教えてやろう。』
『教えていりません。』
『なんだと!生きていくために重要な話しだぞ。』
『全く興味がありませんし、長い話しは聞きたくありません。』
『絶対にためになることだぞ!聞いて損はない話しだぞ!』
『そんなどうでもいいことより、マフィアについて教えてください。』
『そうか。それでいいんだな。いいだろう。マフィアとは反社会的勢力の事だ。』
『反社社会的勢力とは、確か暴力や詐欺的手法を駆使し、不当な要求行為を行う悪党のことじゃないですか。』
『そうだ。可愛い女の子を夜の街に沈めたり、内臓を売買する奴等だ。』
『――――――それはつまり、フォルマルテは私の体が、目当てだって事なのですか!』
『うむ。フォルマルテがロリコンであると誤解を与えるような言い回しはやめておけ。話しを先に進めよう。安杏里の場合は内臓を切り取られたとしても、SKILL『不死鳥』の効果により再生するはずなので死ぬことはないだろう。ある意味、臓器を切り渡した方が、社会の役にたつかもしれないな。』
欠損した体の一部を再生出来るからといって、内臓を切り取られてしまうと痛いことには変わりない。
それに、私の事を内臓プラント工場みたいな表現をするのは倫理的に大問題だろ。
ミランダを含めて、こいつ等は全員まとめて叩き殺しておくべきかもしれないな。
気が付くと、フォルマルテの隣にいた少し太り目の女であるテスタロッサが至近距離から私を見上げていた。
殺気は感じられないが、不審者を見るような目で私の頬をプニプニと摘み始めてきている。
私の事を癒し系の動物と勘違いしているのかしら。
理由は不明であるが、テスタの顔がみるみると驚きの表情に変化していく。
「おい。フォルマルテ。これは造りものじゃないぞ。天然美人だ。マジで羨ましい。なるほどな。フォルマルテが気に入るのも分かるぜ。」
テスタロッサは、品定めをするようにマジマジと見つめてきている。
今の言葉で決まりだな。
露骨に私の体が目当てであると教えてくれたわけですか。
イケメンは、可愛い女の子の臓器を探しており、そこで私を見かけてしまい思わず声を掛けてきたということか。
容赦なく体を触られていると、イケメンが助けに入ってきた。
「テスタ。初対面の者に何をしている。失礼だぞ。」
「そうだね。失礼だったね。安杏ちゃんがあまりに可愛かったんで。ごめんね。」
フォルマルテが正面に立ち、真っすぐ見つめてきている。
これは、どうやって夜の街に沈め、内臓を引き摺り出そうとしてやろうか考えているのかしら。
そもそもであるが、イケメンは何か思い違いをしているのではなかろうか。
「私が言うのもどうかと思いますが、見た目が超可愛い女の子だからといって、内臓も綺麗であるとは限らないのではないでしょうか?」
「何の話しをしているんだ。テスタが何か余計な事を言ったのなら謝罪しよう。」
話しの内容が噛み合っていないのは何故だろう。
イケメンからは、茶化してやろうとする意志は感じられない。
どこでどうすれ違ってしまったのでしょうか。
戸惑っているとミランダが心の声でフォローを入れてきた。
『安杏里。フォルマルテは幼児体型には興味が無いという事だ。つまりチッパイは、アウトオブ眼中だ。』
そこで何故チッパイの話しが出てくるのか理解出来ませんが、私の体が目当てでないのなら安心しました。
私に声を掛けてきた目的は別のところにあるという事なのか。
そう言えば、フォルマルテから私へ19種族であるかを聞いてきていたな。
適当にそれらしく自己紹介でもしておけばいいのかしら。
「先ほど聞かれました質問にお答えさせて
もらいます。推察されたとおり、私は19種族から千年戦争へ参加している剣聖です。」
私の言葉にイケメンは顔を強張らせているが敵意は感じない。
テスタロッサの方はあからさまに驚いている。
真里伊は気配を消し様子を伺い、ミランダについては全く関心がないようだ。
フォルマルテが自身を落ち着かせるように、ゆっくり息をはきながら用件を話し始めてきた。
「俺は、組織のボスから安杏里を連れてくるように言われている。申し訳ないが、俺と一緒に来てくれないだろうか。」
「断るに決まっているじゃないですか。全ての女の子がイケメンに付いていくと思っているとしたら、その考えは改めて下さい。」
「ほぉう。おぬし、なかなかやるな。」
何故かテスタロッサが私を誉めてきた。
イケメンはテスタロッサへ余計なことを言うな、みたいな視線を送っている。
そもそもだが、敵意が無いとはいえ、反社会的勢力とは出来るだけ接触したくない。
フォルマルテは息を吐きながら言葉をかけてきた。
「俺達はカタギには手を出さない。俺の実力は剣聖には遠くおよばないだろうが、何かあったら命を掛けて安杏里を守る事を約束しよう。だから、考えてみてくれないだろうか。」
反社会的勢力に関わらず、強引に連れて行こうとしない姿勢については好感が持てる。
街の者達がフォルマルテに接する態度を見ていても信用が出来る男のようだ。
ミランダは何かを言ってくる様子も無い。
結局のところ私が危険な状況に陥るはずもないし、少しくらいなら付き合っても問題ないだろう。
「分かりました。あなたの言葉を信用することにしましょう。」
この陽射しは地上階層の空から落ちてくるものと、何ら変わりない。
虫の声が聞こえ、淀みない風に揺れる木の枝には鳥達が餌を探して動きまわり、周りには人が暮らす生活音が戻ってきていた。
古いレンガ造りの建物が並ぶ街並みからは、歴史の重みのようなものを感じる。
必殺の斬撃でバエルを切り裂き、機械少女の真里伊が億以上いた数の子供バエルを焼き払ったはずだが、地下1階層にはその痕跡はなく、まるでバエルを掃討した事実が存在していないものになっていた。
背後には9種族の機械少女が『隠密』で姿を消しており、同じように『隠密』を使用しているアルマジロが、その辺りの道を自由気ままに転がっている。
正面に立っているフォルマルテと名乗る背の高いイケメンから19種族の者であるかという質問を今しがたされたところで、その男の隣にはテスタロッサと名乗るちょい太めの女が友好的な笑みを浮かべていた。
商店街はシャッターが上がり始め、隠れていた街の者達が様子を伺うように少しずつ姿を現し、フォルマルテを見つけて笑顔で言葉をかけてきていた。
「フォルマルテ。鬼宿日の奴等をおっぱらってくれたのかい。有難うよ。」
「またよろしく頼むぜ。」
「あいつ等、本当に許せないぜ。」
街の連中は、バエルを掃討した戦闘内容について、何も把握していいないようだ。
あれだけ派手に真里伊が爆撃をし、憶単位の数がいた子供バエル達を焼き尽くした出来事を認識していないのかしら。
もしかして、21種族であるという要塞都市が、ここに暮らしている者達の記憶を改ざんでもしたのだろうか。
何にしても、千年戦争に参加していない21種族については、それほど重要度は高いものではない。
現状では、対峙しているイケメンへの対応の方が優先されるだろう。
まず一つ。一般的なイケメンは『人生なんてEASYだぜ』とほざき世の中を舐めきっている者がほとんどだとういう都市伝説があるが、フォルマルテからは浮かれた様子が見られない。
自身がモテると自惚れている男は、女がみんな自分に惚れていると勘違いするはずだが、その素振りが一切ないのだ。
あきらかにこの男は、イレギュラー的な存在だ。
そしてもう一つ。自己紹介の時に気になる事を言っていた。
そう。自身をマフィアの構成員と言っていたのだ。
マフィアとは何なのかしら。
街の者達からは頼りにされているようだが、これまで会った者達と異なり修羅場をくぐってきたような空気感を纏っている。
このイケメンは只者ではないだろ。
その辺りを転がっているミランダへ、フォルマルテ達へ聞こえないように抱えていた疑問について尋ねてみた。
『ミランダ。少しよろしいでしょうか。といいたすか、遊んでばかりしないで下さい。』
『私に遊ぶなと言うのか。なるほどな。どうやら安杏里には、まず『遊び』の重要性について教える必要があるようだな。少しばかり長い話しになるが教えてやろう。』
『教えていりません。』
『なんだと!生きていくために重要な話しだぞ。』
『全く興味がありませんし、長い話しは聞きたくありません。』
『絶対にためになることだぞ!聞いて損はない話しだぞ!』
『そんなどうでもいいことより、マフィアについて教えてください。』
『そうか。それでいいんだな。いいだろう。マフィアとは反社会的勢力の事だ。』
『反社社会的勢力とは、確か暴力や詐欺的手法を駆使し、不当な要求行為を行う悪党のことじゃないですか。』
『そうだ。可愛い女の子を夜の街に沈めたり、内臓を売買する奴等だ。』
『――――――それはつまり、フォルマルテは私の体が、目当てだって事なのですか!』
『うむ。フォルマルテがロリコンであると誤解を与えるような言い回しはやめておけ。話しを先に進めよう。安杏里の場合は内臓を切り取られたとしても、SKILL『不死鳥』の効果により再生するはずなので死ぬことはないだろう。ある意味、臓器を切り渡した方が、社会の役にたつかもしれないな。』
欠損した体の一部を再生出来るからといって、内臓を切り取られてしまうと痛いことには変わりない。
それに、私の事を内臓プラント工場みたいな表現をするのは倫理的に大問題だろ。
ミランダを含めて、こいつ等は全員まとめて叩き殺しておくべきかもしれないな。
気が付くと、フォルマルテの隣にいた少し太り目の女であるテスタロッサが至近距離から私を見上げていた。
殺気は感じられないが、不審者を見るような目で私の頬をプニプニと摘み始めてきている。
私の事を癒し系の動物と勘違いしているのかしら。
理由は不明であるが、テスタの顔がみるみると驚きの表情に変化していく。
「おい。フォルマルテ。これは造りものじゃないぞ。天然美人だ。マジで羨ましい。なるほどな。フォルマルテが気に入るのも分かるぜ。」
テスタロッサは、品定めをするようにマジマジと見つめてきている。
今の言葉で決まりだな。
露骨に私の体が目当てであると教えてくれたわけですか。
イケメンは、可愛い女の子の臓器を探しており、そこで私を見かけてしまい思わず声を掛けてきたということか。
容赦なく体を触られていると、イケメンが助けに入ってきた。
「テスタ。初対面の者に何をしている。失礼だぞ。」
「そうだね。失礼だったね。安杏ちゃんがあまりに可愛かったんで。ごめんね。」
フォルマルテが正面に立ち、真っすぐ見つめてきている。
これは、どうやって夜の街に沈め、内臓を引き摺り出そうとしてやろうか考えているのかしら。
そもそもであるが、イケメンは何か思い違いをしているのではなかろうか。
「私が言うのもどうかと思いますが、見た目が超可愛い女の子だからといって、内臓も綺麗であるとは限らないのではないでしょうか?」
「何の話しをしているんだ。テスタが何か余計な事を言ったのなら謝罪しよう。」
話しの内容が噛み合っていないのは何故だろう。
イケメンからは、茶化してやろうとする意志は感じられない。
どこでどうすれ違ってしまったのでしょうか。
戸惑っているとミランダが心の声でフォローを入れてきた。
『安杏里。フォルマルテは幼児体型には興味が無いという事だ。つまりチッパイは、アウトオブ眼中だ。』
そこで何故チッパイの話しが出てくるのか理解出来ませんが、私の体が目当てでないのなら安心しました。
私に声を掛けてきた目的は別のところにあるという事なのか。
そう言えば、フォルマルテから私へ19種族であるかを聞いてきていたな。
適当にそれらしく自己紹介でもしておけばいいのかしら。
「先ほど聞かれました質問にお答えさせて
もらいます。推察されたとおり、私は19種族から千年戦争へ参加している剣聖です。」
私の言葉にイケメンは顔を強張らせているが敵意は感じない。
テスタロッサの方はあからさまに驚いている。
真里伊は気配を消し様子を伺い、ミランダについては全く関心がないようだ。
フォルマルテが自身を落ち着かせるように、ゆっくり息をはきながら用件を話し始めてきた。
「俺は、組織のボスから安杏里を連れてくるように言われている。申し訳ないが、俺と一緒に来てくれないだろうか。」
「断るに決まっているじゃないですか。全ての女の子がイケメンに付いていくと思っているとしたら、その考えは改めて下さい。」
「ほぉう。おぬし、なかなかやるな。」
何故かテスタロッサが私を誉めてきた。
イケメンはテスタロッサへ余計なことを言うな、みたいな視線を送っている。
そもそもだが、敵意が無いとはいえ、反社会的勢力とは出来るだけ接触したくない。
フォルマルテは息を吐きながら言葉をかけてきた。
「俺達はカタギには手を出さない。俺の実力は剣聖には遠くおよばないだろうが、何かあったら命を掛けて安杏里を守る事を約束しよう。だから、考えてみてくれないだろうか。」
反社会的勢力に関わらず、強引に連れて行こうとしない姿勢については好感が持てる。
街の者達がフォルマルテに接する態度を見ていても信用が出来る男のようだ。
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