35 / 142
第35話 終了だ、終了!
しおりを挟む
硝子越しに見える砂漠の景色は、月灯りに照らされていた。
日中の表情と異なり寂しく不気味にも感じ、まるで一切の生き物が生息できない死の世界のようだ。
地熱を放射しきった砂の世界が朝方には氷点下を下回り、砂漠の中央になると寒暖差は100度以上もある世界でも最も過酷な環境となる。
快適な状態が保たれている車内では、でっぷり親父が運転席に座っており、バスガイドは最前列の席で毛布を羽織っていた。
AI制御されたバスは、砂漠の都市を出て既に1時間が経過しており、風によりできた波状の模様になっている砂上を少しずつ旋回し続けながら走っていた。
そう。星の配置を確認していると分かるのだが、バスは微妙に旋回し方角を変えているのだ。
最高司祭からのクエストに従い、私を移動都市へ送り届けるために走っているはず。
移動進路を割りだし合流ポイントを割りだせば旋回する必要はない。
どうして、合流ポイントへ向かい真直ぐ走っていないのかしら。
運行管理をしているAIの北冬辺に確認してみるか。
乗客席から立ち上がり運転席へ歩き始めると、仮眠をしていた山茶花が、近づいてきた私の気配を察知した。
「三華月様。どうかされましたか。」
「先程からバスが、進路を微妙に旋回し続けているようです。」
「バスが旋回を?」
「はい。その理由について教えてもらえればと思い、こちらまで来た次第です。」
「えっ。バスが旋回しているのですか。把握しておりませんでした。理由を運転手へ聞いてみます。」
バスガイドは驚いた表情を浮かべ、運行ルートについて確認をするために一緒に運転席を覗き込むと、でっぷり親父が耳障りな寝息をあげながらハンドルを握りしめ、気持ちよさそうに寝ている姿がそこにあった。
昼間と同じ安定の光景だ。
運転手という存在は、本当に私を裏切らないメタボだな。
山茶花が気持ち良さそうに寝ている運転手を起こそうとする前に親父の襟を掴むと、山茶花が目を丸くした。
「三華月様。五位堂さんの襟を掴んでまた投げ飛ばすつもりですか!」
「はい。運転席を譲ってもらおうと思うのですが、起こさない方が良いかと思いまして。」
安心感を与えるために笑顔で答えたのであるが、山茶花の顔は引きつっている。
うむ。私が次に何をするのか分かっているようだ。
予想しているとおりですよ。
寝ている運転手の襟を引っ張りあげ、後部座席に放り投げた。
山茶花が悲鳴をあげ、運転手の安否を確認するために後部座席へ走っていく。
はい。もうこれは定番の流れだな。
頭からは落とさないように配慮して投げたので、死ぬ事はないだろう。
運転手が譲ってくれた席に早速座り、少しずつ進路方向を変えている件について、AIである北冬辺へ状況説明を求めることにした。
「北冬辺に質問があります。よろしいでしょうか。」
「はい。なんなりと聞いてください。」
「まず、目的地である移動都市への予想到着時間を教えて下さい。」
「その事でしたか。実はグラングランを追跡しているのですが、このままだと追いつく事が難しいと言いますか、出来ない可能性が高いものと思われます。」
フロントガラスの前に砂漠全体を現す立体フォログラムが浮かび上がると、バスと思われる光の点から矢印が伸びていく。
同時に移動都市グラングランの予測ルートが表示されていた。
移動都市はバスから逃げるように海上へ出ようとしている。
なるほど。確かにこれでは追いつけない。
更に北冬辺が、言葉を続けてきた。
「過去に移動都市が海上へ出たという記録はありません。闇金からの取り立てから逃げておるかの如く、逃走を図っているものと推測します。」
その言い方だと、聖女である私が移動都市へ追い込みをかけている取り立て屋みたいではありませんか。
どうせなら、もっと私らしい表現をしてもらいたい。
例えば、現場からの叩きあげである凄腕美人刑事から凶悪犯が逃走を図っているとか。
まぁ、そんなことはどうでもいいか。
とにかくこれは、最高司祭からのクエストの失敗は確定的と言えるだろう。
背後では、いつのまにか後部座席から戻ってきていた運転手が唸っていた。
現状況が理解できていないようだ。
そのまま唸り続けて、一生を終えてほしいものだ。
山茶花の方はというと小さく挙手をし、質問をしてきた。
「追いつくのが難しいなら、三華月様をグラングランへ『転移』させたら良いのではないですか。」
山茶花は状況を理解し、それなりに機転が利くようだ。
バスが私を転移させた距離は50mだった。
つまり、バスが転移させられる距離に制限があるのだろう。
念のために北冬辺へ転移について確認をしてみた。
「北冬辺。質問です。あなたが使用する転移ですが、その最大距離がどれくらいなものなのか教えてください。」
「私の『転移距離』は300mが限界です。」
「300mですか。」
「はい。三華月様をここから移動都市まで飛ばす事は不可能です。」
皆様、お疲れ様でした。
終了だ、終了!
奴隷解放はいずれ行わなければならないことであるが、出来ることなら神託に従い実行したい。
そう。信仰心を稼ぐ案件として成立し遂行したいのだ。
私という者は信仰心に影響しないと思われる行動には、とことん後ろ向きな聖女なのだよ。
後部座席へ撤収しかけた時である。
運転手が北冬辺へ叫んだ。
「北冬辺。諦めたらアカン。絶対に追い付くんや。」
「…。」
「お前、プロやろ!お前、ほんまに最大限の努力をしたんか。」
「…。」
「もうやれる事は無いんか。このままやと乗客の期待を裏切る事になるんやぞ!」
メタボな運転手が男前な発言をした動機も気になるところだが、その運転手を見る目が熱っぽいバスガイドの方が引っ掛かる。
それだけのエロイボディをしていたら、寄ってくる男はいくらでもいるだろうに。
もしかしてダメンズ好きなのかしら。
そのいけていない運転手の叫びに、北冬辺がいきなりな感じで呼応してきた。
「悔しいですよ。高速道路さへ利用出来れば移動都市に追いつけるのですが!」
「なんや、その高速道路っちゅうもんは。それはなんで利用出来へんのや?」
不毛な会話を始めている。
高速道路を利用するには権限が必要なのだ。
北冬辺はその権限を持っていないのでクエスト失敗は確定した。
後部座席へ戻ろうとしていると、バスガイドが高速道路について質問をしてきた。
「三華月様。高速道路とは一体どういった物なのですか。」
「高速道路ですか。それは古代文明で使われていた道路です。迅速な交通移動を達成することを主目的にしたものですよ。」
「さすが三華月様です。最強で可愛いだけでなく、博学でもあるのですね。」
「はい。その通りなのですが、真正面から本当の事を言われると少し照れるものですね。」
「やはり三華月様くらいの聖女様になると、その高速道路を利用することが可能になるのでしょうか。」
「はい。もちろんです。ETCカードを使用すれば高速道路の利用が可能となります。」
「三華月様。そのETCカードを使用、もしくはお借りすることは出来ないでしょうか。」
「…………。」
やってしまった。
乗せられて余計なことを言ってしまったようである。
日中の表情と異なり寂しく不気味にも感じ、まるで一切の生き物が生息できない死の世界のようだ。
地熱を放射しきった砂の世界が朝方には氷点下を下回り、砂漠の中央になると寒暖差は100度以上もある世界でも最も過酷な環境となる。
快適な状態が保たれている車内では、でっぷり親父が運転席に座っており、バスガイドは最前列の席で毛布を羽織っていた。
AI制御されたバスは、砂漠の都市を出て既に1時間が経過しており、風によりできた波状の模様になっている砂上を少しずつ旋回し続けながら走っていた。
そう。星の配置を確認していると分かるのだが、バスは微妙に旋回し方角を変えているのだ。
最高司祭からのクエストに従い、私を移動都市へ送り届けるために走っているはず。
移動進路を割りだし合流ポイントを割りだせば旋回する必要はない。
どうして、合流ポイントへ向かい真直ぐ走っていないのかしら。
運行管理をしているAIの北冬辺に確認してみるか。
乗客席から立ち上がり運転席へ歩き始めると、仮眠をしていた山茶花が、近づいてきた私の気配を察知した。
「三華月様。どうかされましたか。」
「先程からバスが、進路を微妙に旋回し続けているようです。」
「バスが旋回を?」
「はい。その理由について教えてもらえればと思い、こちらまで来た次第です。」
「えっ。バスが旋回しているのですか。把握しておりませんでした。理由を運転手へ聞いてみます。」
バスガイドは驚いた表情を浮かべ、運行ルートについて確認をするために一緒に運転席を覗き込むと、でっぷり親父が耳障りな寝息をあげながらハンドルを握りしめ、気持ちよさそうに寝ている姿がそこにあった。
昼間と同じ安定の光景だ。
運転手という存在は、本当に私を裏切らないメタボだな。
山茶花が気持ち良さそうに寝ている運転手を起こそうとする前に親父の襟を掴むと、山茶花が目を丸くした。
「三華月様。五位堂さんの襟を掴んでまた投げ飛ばすつもりですか!」
「はい。運転席を譲ってもらおうと思うのですが、起こさない方が良いかと思いまして。」
安心感を与えるために笑顔で答えたのであるが、山茶花の顔は引きつっている。
うむ。私が次に何をするのか分かっているようだ。
予想しているとおりですよ。
寝ている運転手の襟を引っ張りあげ、後部座席に放り投げた。
山茶花が悲鳴をあげ、運転手の安否を確認するために後部座席へ走っていく。
はい。もうこれは定番の流れだな。
頭からは落とさないように配慮して投げたので、死ぬ事はないだろう。
運転手が譲ってくれた席に早速座り、少しずつ進路方向を変えている件について、AIである北冬辺へ状況説明を求めることにした。
「北冬辺に質問があります。よろしいでしょうか。」
「はい。なんなりと聞いてください。」
「まず、目的地である移動都市への予想到着時間を教えて下さい。」
「その事でしたか。実はグラングランを追跡しているのですが、このままだと追いつく事が難しいと言いますか、出来ない可能性が高いものと思われます。」
フロントガラスの前に砂漠全体を現す立体フォログラムが浮かび上がると、バスと思われる光の点から矢印が伸びていく。
同時に移動都市グラングランの予測ルートが表示されていた。
移動都市はバスから逃げるように海上へ出ようとしている。
なるほど。確かにこれでは追いつけない。
更に北冬辺が、言葉を続けてきた。
「過去に移動都市が海上へ出たという記録はありません。闇金からの取り立てから逃げておるかの如く、逃走を図っているものと推測します。」
その言い方だと、聖女である私が移動都市へ追い込みをかけている取り立て屋みたいではありませんか。
どうせなら、もっと私らしい表現をしてもらいたい。
例えば、現場からの叩きあげである凄腕美人刑事から凶悪犯が逃走を図っているとか。
まぁ、そんなことはどうでもいいか。
とにかくこれは、最高司祭からのクエストの失敗は確定的と言えるだろう。
背後では、いつのまにか後部座席から戻ってきていた運転手が唸っていた。
現状況が理解できていないようだ。
そのまま唸り続けて、一生を終えてほしいものだ。
山茶花の方はというと小さく挙手をし、質問をしてきた。
「追いつくのが難しいなら、三華月様をグラングランへ『転移』させたら良いのではないですか。」
山茶花は状況を理解し、それなりに機転が利くようだ。
バスが私を転移させた距離は50mだった。
つまり、バスが転移させられる距離に制限があるのだろう。
念のために北冬辺へ転移について確認をしてみた。
「北冬辺。質問です。あなたが使用する転移ですが、その最大距離がどれくらいなものなのか教えてください。」
「私の『転移距離』は300mが限界です。」
「300mですか。」
「はい。三華月様をここから移動都市まで飛ばす事は不可能です。」
皆様、お疲れ様でした。
終了だ、終了!
奴隷解放はいずれ行わなければならないことであるが、出来ることなら神託に従い実行したい。
そう。信仰心を稼ぐ案件として成立し遂行したいのだ。
私という者は信仰心に影響しないと思われる行動には、とことん後ろ向きな聖女なのだよ。
後部座席へ撤収しかけた時である。
運転手が北冬辺へ叫んだ。
「北冬辺。諦めたらアカン。絶対に追い付くんや。」
「…。」
「お前、プロやろ!お前、ほんまに最大限の努力をしたんか。」
「…。」
「もうやれる事は無いんか。このままやと乗客の期待を裏切る事になるんやぞ!」
メタボな運転手が男前な発言をした動機も気になるところだが、その運転手を見る目が熱っぽいバスガイドの方が引っ掛かる。
それだけのエロイボディをしていたら、寄ってくる男はいくらでもいるだろうに。
もしかしてダメンズ好きなのかしら。
そのいけていない運転手の叫びに、北冬辺がいきなりな感じで呼応してきた。
「悔しいですよ。高速道路さへ利用出来れば移動都市に追いつけるのですが!」
「なんや、その高速道路っちゅうもんは。それはなんで利用出来へんのや?」
不毛な会話を始めている。
高速道路を利用するには権限が必要なのだ。
北冬辺はその権限を持っていないのでクエスト失敗は確定した。
後部座席へ戻ろうとしていると、バスガイドが高速道路について質問をしてきた。
「三華月様。高速道路とは一体どういった物なのですか。」
「高速道路ですか。それは古代文明で使われていた道路です。迅速な交通移動を達成することを主目的にしたものですよ。」
「さすが三華月様です。最強で可愛いだけでなく、博学でもあるのですね。」
「はい。その通りなのですが、真正面から本当の事を言われると少し照れるものですね。」
「やはり三華月様くらいの聖女様になると、その高速道路を利用することが可能になるのでしょうか。」
「はい。もちろんです。ETCカードを使用すれば高速道路の利用が可能となります。」
「三華月様。そのETCカードを使用、もしくはお借りすることは出来ないでしょうか。」
「…………。」
やってしまった。
乗せられて余計なことを言ってしまったようである。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
領民の幸福度がガチャポイント!? 借金まみれの辺境を立て直す【領地ガチャ】が最強すぎた!内政でUR「温泉郷」と「聖獣」を引き当てて…
namisan
ファンタジー
「役立たず」と中央から追放された没落貴族の俺、アルト・フォン・クライナー。継いだのは、借金まみれで作物も育たない見捨てられた辺境領地だけだった。
絶望する俺に発現したスキルは【領地ガチャ】。それは、領民の「幸福度」をポイントとして消費し、領地発展に必要なものを引き当てる唯一無二の能力だった。
「領民を幸せにすれば、領地も豊かになる!」
俺は領民と共に汗を流し、壊れた水路を直し、地道に幸福度を稼ぐ。
『N:ジャガイモの種』『R:土木技術書』
地味だが確実な「当たり」で、ほのぼのと領地を再建していく。
だが、ある日。溜め込んだ幸福度で引いたガチャが、俺の運命を激変させる。
『UR(ウルトラレア):万病に効く【奇跡の温泉郷】』
この「当たり」が、中央の腐敗した貴族たちの欲望を刺激した。
借金のカタに領地を狙う大商会の令嬢。
温泉利権を奪うため、父の命で派遣されてきた元婚約者の侯爵令嬢。
「領民の幸福(ガチャポイント)を脅かす者は、誰であっても許さない」
これは、ただ平穏に暮らしたかっただけの俺が、ガチャで得た力(と証拠とゴーレムと聖獣)を駆使し、ほのぼの領地を守り抜き、いつの間にか最強の領主として成り上がっていく物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる