朝起きたら異世界でした。

猫缶

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第1章

異世界ノート、始めました。

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あれは、数十分前のことでした…


ひとまず、なぜか私の家だけが森にポツンとある状態ですが、家でいろいろ実験してみようと思います。

まず、電気やガスは通っているのか。

下手したら、これで死にます。

だって、この森がどれほど広いのかこそしりませんが、スライム事件(と呼んでいる)の帰り道、地味に迷いましたから。

この森から出れるのかもわからないくらいですし。

まず、電気をつけてみます。

カチッ

電気はつくみたいですね。

冷蔵庫を開けると、光ると同時に、冷たい風が顔に当たる。

これでナマモノも腐りません。

次に、ガスをつけてみることにしました。

ボッ…

コンロに火がつきました。

青く炎が燃えてます。

良かった。
ガスもつくみたいですね。

水道は、出ないけど。

でも近くに綺麗な川がありましたし、
大丈夫でしょう。

カサカサ…

「ん?」

なにか聞こえたような…?

カサカサ…

「?」

また聞こえた。

カサカサ…

「…うわああああああああああああああ!」
 
黒い、キッチンによくでる、アイツが、出た。

「ご、ゴキジェットあったっけ?」

カサカサと這い回る様子が、気持ち悪い。

「そーいえば…切れてたぁぁぁ!」

「し、新聞紙!新聞紙は!?」

そーいえば、郵便ポストに取りにいくのすら面倒で、溜めてました。

「私のバカぁぁぁぁぁぁぁ!」

「あ、れ?」

よくみると、アイツじゃない。

とっっっっっっっても似てるけど…

モンスターみたいに、名前が表示されてる。

「クロカサ」

く、クロカサかぁ。

なんて言ってる暇もなく、
クロカサが飛び立つ。

「ここまで似なくてもよかったのに!」

私は、急いで家を飛び出してしまいました。



これが、数十分前の出来事。

家に戻りたいけど、ゴ…クロカサがいるとなると、帰りたくなくなります。


も、モンスターなんだから、倒せばいいのでしょう。でも…

やっぱり無理です!

あうう…

でも、なにもかも家にありますし、
拠点がないと不便です。

前までは、ゴキジェットで倒してましたけど…

そんなもの、この世界には無いはず。

となると…

「やっぱり倒すしか無いの!?」

でも、モンスターは倒したら消えるから、
前までみたいに、潰したアイツの後処理をしなくてもいい。

悩みに悩んで、私決めました。

ゴ…クロカサを、倒そうと!

さっそく、殺傷能力の高そうな枝を2本、拾いました。

両手に持って、二刀流です!

ごくり。

唾をのみました。

このドアを開けたら、ゴ…クロカサが、いる。

「大丈夫。私なら、できる。」

自分に言い聞かせます。

「えい!」

勢いよくドアを開けると、バン!という
大きな音がして…

その音に反応したゴキブリがこっちに来たぁぁぁ!

違いました、クロカサでした。


って言ってる暇はありません!

私は狙いを定めて…

シュバッ

右手の棒を振りかざしました。

クロカサは、瞬時に避けました。

でも、避けた先に私が左手の棒を振りかざします。

バシッ!

勢いよくクロカサに命中しました。

ドスンと床に打ち付けられるクロカサ。

やりましたか…?
と思いきや!

むくり。

クロカサが、起き上がりました!

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

驚いた私は、起き上がったクロカサに、

右、左、右、左と、素早く、交互に棒を当てます。

でも、クロカサはなかなか倒れません。

棒じゃ殺傷能力が低すぎます!

誰ですか!?
棒でしようって言ったの!

どうしようどうしようどうしよう!

あまりに慌てすぎて、

クロカサが動いた瞬間に。

ブスッ!

私が、右手に持っている棒が、
クロカサの背中からお腹にかけてを
貫きました…。

シュン…

サラサラと、粉になって消える死骸。

「ふぅ…。」

ほっと一息つくと、アイテムが落ちてることに気がつきました。

クロカサから落ちたアイテム…

なんか、嫌だな。

そう思ったのですが、

私が近づくとポケットに吸い込まれていきました。

最悪です。

そういう設定なので仕方のないことと
自分を落ち着かせながら、

アイテムを確認すると。

「人々の絶望」

「合成アイテム」

と書いてありました。

たしかに、人々の絶望だなぁと思いながら、
説明じゃない説明欄を見てみました。

「クロカサが落とすアイテム。
    クロカサが家に出現すると、人々は絶望す る。霧吹きと合成すると、クロカサ用スプレーが作れる。」

スライムのときより、説明が多いが、
大切なことが書いてない。

これは、なんなのですか。

黒いヌメヌメした、ドロドロのかたまり。

触りたくもない気持ち悪さ。

流石に、食用ではないみたいですが。

置き場に困りつつも、

「クロカサ
          人々の敵である、ゴキブリにものすごく似てる。もはや同じ。人々の絶望というアイテムを落とす。このアイテムで、ゴキジェットのようなスプレーを作れるらしい。はやくつくりたい。」

と異世界ノートに書き込みました。

こ、これも異世界の日常です!


















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