【R18】オスのちメス!?

ぬるあまい

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女の子!?

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「初めまして、お姉さま」
「……初め…………え?……お、お姉さま?」

ご丁寧に会釈までして挨拶をしてくれた白い髪の女の子に、寝転んだままで失礼かと思いつつも俺も挨拶を返そうとしたのだが、彼女の俺に対する呼び方に戸惑ってしまい上手く最後まで返すことはできなかった。この男の人といい、なんでこの子まで俺のことをまるで女性のように扱うんだ。流石に今は暗闇でもないし、見間違いようがないと思うのだが……。
そしてその疑問に頭を悩ませていると、俺は気を失うように眠りこける前の出来事をふと思い出してしまい、俺は身体の痛みなど忘れて勢いよくガバッと起き上がってしまった。

「…………っ、そうだ。胸……!!」
「……お、おい……!」
「だ、駄目ですよ。急に起き上がったりしたら身体に障ります……っ」

そうすれば二人して俺の身体を気遣ってくれていたようなのだが、今の俺にはそんな気遣いの声など全く耳に入ってくることはなく…………、起き上がった際に視界に入ってきた全身鏡に映る光景に全て気を取られてしまった。

「………………、え……?」

小首を傾げれば、全く同じタイミングで首を傾げる鏡の中の人物は一体誰なのだろうか。ペタリと自分の頬に触れば、全く同じタイミングで頬に触れる鏡の中の人物は一体誰なのだろうか。位置的に俺だと思うのだが、映っているのは間違いなく俺ではない。近くに居る可愛らしい女の子も、イケメンの男の人も普通に映っているはずなのに、俺だけ映り方がおかしいのは何故だろうか。

「…………お、おんな……?」

……そう。そこには見たこともない女の子が映っているのだ。
身体に包帯を巻いて、破られたワイシャツの代わりに白いシャツを着せられて、その上に学ランを着ているのは俺のはずなのにいつもの男の俺ではない。

「……女?……っ、え?俺、おんな?」
「だから、どこからどう見ても女だろ」
「……ち、ちがっ……俺、本当に男で……、」
「わ、分かったから、少し落ち着け。大人しく寝てろ」

本当に本当に本当に、俺は男なんだ。男のはずなんだ!
たしかに男なんか嫌いだと憎い存在だと散々思ってきたし、男に産まれてきてしまったことに対しては不快だとも思ってきたけれど、だからといっても別に女になりたいわけじゃなかったんだ。その焦りと疑問を全てぶつけるように男の人に「俺は男だ」と何度も言っていると、近くで聞いていた女の子が神妙な面持ちで口を開いた。

「……もしかしてお姉さま、暴行を受けた際に記憶が混同してしまったのでは……?」
「…………え?ち、ちが……」

この子は俺のことを考えて真剣に言ってくれているようなのだが、そんなこと有り得ない。俺の意識はきちんとハッキリとしている。

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