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第5章 クリスマスの私と人気俳優の彼
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突然、誰かのスマホのマナーモードのプルプルいう音が聞こえてきた。
全員、自分のかと鞄をのぞくけど、まさかの私のスマホだった。珍しく、L〇NEではなく、電話がかかってることに慌てて画面を見るけど、見知らぬ電話番号。出るか迷うけど、何かあったら、と、恐る恐る電話に出てみる。
「は、はい」
『あ、美輪さん?』
まさかの遼ちゃんからの電話に驚く私。
「……はい」
電話越しに遼ちゃんの声が聞こえたのか、ニヤニヤしだした二人の視線が、痛いんですが。
『今、どこです?』
「え、えーと、会社の近くの飲み屋さんです」
『そっかぁ……それって抜け出せます?』
「あ、えと、先輩たちと一緒なんで」
つい、チラチラ二人を見ながら話していると、なんとなく気が付いた本城さんが『GO! GO!』と、猛烈アピール。は、恥ずかしすぎる。
『あ、もしかして、あの大きい先輩も一緒?』
チラッと笠原さんを見ると声を出さずに『行ってこい』とニヤニヤ。
「あ、そう……です」
『んー、今、すごく、会いたいんですけど』
な、なんですか、その甘えモードはっ!?
「も、もしかして、酔ってます?」
『ちょっとだけ。ふふ』
背後から、誰か男の人の声が聞こえる。
『あ、もうちょっとだけ貸して……で、だめですか~?』
「……えと、どこに行けば?」
もう顔が真っ赤になってる自覚あり。思わず、天井を見上げてしまう。
『やった~! 寺沢さん、オッケーだって。車出してくれる?』
え? もしかして迎えに来るとか? 目の前の二人が、すんごい期待した目で見てるんですけど。
「あ、場所言ってくれれば、そこに行くけど」
『ん~、ちょっとね』
少し、声を小さくした遼ちゃん。
『今、変な人に張り付かれてるから、そいつから逃げたいんだ~。だから、待ってて』
う。その甘々な口ぶりで言わないでください。私、心臓、もちません。
結局、ガード下の飲み屋の近くまで迎えにきてもらうことになって、電話を切る。
「神崎さ~ん」
ニヤニヤを通り越して、獲物を見つけたような表情の二人。
「あ、す、すみません。お先に失礼します。お、お金、いくらですか」
顔をひきつらせながら、鞄の中の財布を探す。
「いいわよ~。ここは今日、私が奢るっ!」
「え、いや、そういうわけにはっ」
「いやいや、俺たちで払うから。ほら、早く行け。タイミングだぞ、タイミング」
迷ったのは一瞬。ここはもう、先輩たちに素直に甘えておくことにした。
「す、すみませんっ。お先に失礼しますっ」
私は慌ただしく挨拶だけして店を飛び出すと、クリスマスソングの鳴る薄暗い道を急いだ。
全員、自分のかと鞄をのぞくけど、まさかの私のスマホだった。珍しく、L〇NEではなく、電話がかかってることに慌てて画面を見るけど、見知らぬ電話番号。出るか迷うけど、何かあったら、と、恐る恐る電話に出てみる。
「は、はい」
『あ、美輪さん?』
まさかの遼ちゃんからの電話に驚く私。
「……はい」
電話越しに遼ちゃんの声が聞こえたのか、ニヤニヤしだした二人の視線が、痛いんですが。
『今、どこです?』
「え、えーと、会社の近くの飲み屋さんです」
『そっかぁ……それって抜け出せます?』
「あ、えと、先輩たちと一緒なんで」
つい、チラチラ二人を見ながら話していると、なんとなく気が付いた本城さんが『GO! GO!』と、猛烈アピール。は、恥ずかしすぎる。
『あ、もしかして、あの大きい先輩も一緒?』
チラッと笠原さんを見ると声を出さずに『行ってこい』とニヤニヤ。
「あ、そう……です」
『んー、今、すごく、会いたいんですけど』
な、なんですか、その甘えモードはっ!?
「も、もしかして、酔ってます?」
『ちょっとだけ。ふふ』
背後から、誰か男の人の声が聞こえる。
『あ、もうちょっとだけ貸して……で、だめですか~?』
「……えと、どこに行けば?」
もう顔が真っ赤になってる自覚あり。思わず、天井を見上げてしまう。
『やった~! 寺沢さん、オッケーだって。車出してくれる?』
え? もしかして迎えに来るとか? 目の前の二人が、すんごい期待した目で見てるんですけど。
「あ、場所言ってくれれば、そこに行くけど」
『ん~、ちょっとね』
少し、声を小さくした遼ちゃん。
『今、変な人に張り付かれてるから、そいつから逃げたいんだ~。だから、待ってて』
う。その甘々な口ぶりで言わないでください。私、心臓、もちません。
結局、ガード下の飲み屋の近くまで迎えにきてもらうことになって、電話を切る。
「神崎さ~ん」
ニヤニヤを通り越して、獲物を見つけたような表情の二人。
「あ、す、すみません。お先に失礼します。お、お金、いくらですか」
顔をひきつらせながら、鞄の中の財布を探す。
「いいわよ~。ここは今日、私が奢るっ!」
「え、いや、そういうわけにはっ」
「いやいや、俺たちで払うから。ほら、早く行け。タイミングだぞ、タイミング」
迷ったのは一瞬。ここはもう、先輩たちに素直に甘えておくことにした。
「す、すみませんっ。お先に失礼しますっ」
私は慌ただしく挨拶だけして店を飛び出すと、クリスマスソングの鳴る薄暗い道を急いだ。
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