転生5回目!? こ、今世は楽しく長生きします! 

実川えむ

文字の大きさ
21 / 69
ロジータ、街を出る

第21話 ロジータ、院長先生と話をする(2)

しおりを挟む
 最初は渋っていた院長先生でしたが、私がいなかった間の双子のことを思い出したのか、迷い始めます。
 ……迷うということは、相当大変だったのかもしれません。
 10歳の私が5歳の子供、それも二人も連れて行くというのです。
 院長先生だって、私一人だけでも心配だというのに幼い双子も、となったら余計に心配で仕方がないでしょう。
 私は少し悩んで、マジックバッグの中、と見せかけてインベントリから、両親の形見という体で守護の腕輪(追跡機能付き)を3つ取り出してみせました。

「色々探っていたら出てきたんです(嘘ですけど)」
「まぁ……こんな物があったなんて」

 この守護の腕輪があれば、物理での攻撃も魔法での攻撃も、ある程度は防げるし、お互いの場所がわかるようになっているのです(ちなみに、これは『フロリンダ』時代のダンジョンでのドロップ品で、実はまだ在庫がいくつかあります)。
 院長先生は仕方なく院長室に双子を呼んで、私が街を出る話をしました。

「わたしもいく!」
「ぼくも!」
「おいてかないで!」
「おいてかれたら、おいかける!」
「すてないで!」
「すてないで!」
「うわぁぁぁぁん!」

 案の定、絶対についていくと言いだして大号泣。私が双子を連れていくと話したら、ケロリと泣き止むのですから、現金なものです。今では私に引っ付いて離れようとしません。

「はぁ……ダニーとサリー、ロジータの迷惑になるようなことをしてはダメよ」
「だいじょうぶよ」
「ぼくたち、ろじーた、まもる」
「もう……ロジータ、本当にいいの?」
「はい。二人とも私の言うことをちゃんと聞いてくれるいい子たちですし、いてくれたら私も寂しくありません」

 最後には院長先生も渋々、双子を連れていくことを認めてくれました。

「ところで、どこへ行くつもり?」
「……まずはこの街から出ることを考えていたので、向かう先を考えていませんでした」
「まったく」

 院長先生には呆れられてしまいましたが、先生はしばらく考えると、まずは隣の領へ向かうことを勧められました。

「ここはゼーノン伯爵様が治める街なのはわかってる?」

 はい、わかっていませんでした。
 伯爵様はほとんど王都にいらっしゃる方だそうで、たまにしか戻ってこないそうです。伯爵様の代わりに、代理人として執事が取り仕切っているそうです。

「東隣はヨラニード子爵様、西隣はアルタウス男爵様が治める領地になるのだけれど、もし向かうのだったら、ヨラニード子爵領を目指しなさい」
「それは、どうして……」
「最近、アルタウルス男爵領はだいぶ荒れているという噂を聞いたのよ」

 なんでも野盗があちこちで出没しているというのが、院長先生の耳に届くくらいに酷いことになっているらしいのです。
 さすがに、そんな物騒な土地に向かう気はありません。

「もし、あなたが王都に向かうというのであれば、ヨラニード子爵領は王都に向かう街道沿いにありますから、あちらの方に向かって行くのがいいでしょう」

 正直、王都に向かう気はまったくなかったのですが、院長先生に言われれば気になってきます。

「まずは地図を手に入れたいのですが、どうしたらいいですか」
「そうねぇ。本当なら冒険者ギルドで売っているはずだけれど、ロジータは行きたくはないでしょうし」

 はい。その通りです。下手に行って、アマンダさん達と遭遇したくはありません。

「だったら、商人ギルドに行ってみたらいいかもしれないわね」
「商人ギルド」

 言われてみれば、そんな組織もあったことを思い出しました。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢やめて15年、噂の森でスローライフしてたら最強になりました!〜レベルカンストなので冒険に出る準備、なんて思ったけどハプニングだらけ〜

咲月ねむと
ファンタジー
息苦しい貴族社会から逃げ出して15年。 元公爵令嬢の私、リーナは「魔物の森」の奥で、相棒のもふもふフェンリルと気ままなスローライフを満喫していた。 そんなある日、ひょんなことから自分のレベルがカンストしていることに気づいてしまう。 ​「せっかくだし、冒険に出てみようかしら?」 ​軽い気持ちで始めた“冒険の準備”は、しかし、初日からハプニングの連続! 金策のために採った薬草は、国宝級の秘薬で鑑定士が気絶。 街でチンピラに絡まれれば、無自覚な威圧で撃退し、 初仕事では天災級の魔法でギルドの備品を物理的に破壊! 気づけばいきなり最高ランクの「Sランク冒険者」に認定され、 ボロボロの城壁を「日曜大工のノリ」で修理したら、神々しすぎる城塞が爆誕してしまった。 ​本人はいたって平和に、堅実に、お金を稼ぎたいだけなのに、規格外の生活魔法は今日も今日とて大暴走! ついには帝国の精鋭部隊に追われる亡国の王子様まで保護してしまい、私の「冒険の準備」は、いつの間にか世界の運命を左右する壮大な旅へと変わってしまって……!? ​これは、最強の力を持ってしまったおっとり元令嬢が、その力に全く気づかないまま、周囲に勘違いと畏怖と伝説を振りまいていく、勘違いスローライフ・コメディ! 本人はいつでも、至って真面目にお掃除とお料理をしたいだけなんです。信じてください!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

アラフォー幼女は異世界で大魔女を目指します

梅丸みかん
ファンタジー
第一章:長期休暇をとったアラフォー独身のミカは、登山へ行くと別の世界へ紛れ込んでしまう。その場所は、森の中にそびえる不思議な塔の一室だった。元の世界には戻れないし、手にしたゼリーを口にすれば、身体はなんと6歳の子どもに――。 ミカが封印の箱を開けると、そこから出てきたのは呪いによって人形にされた大魔女だった。その人形に「大魔女の素質がある」と告げられたミカは、どうせ元の世界に戻れないなら、大魔女を目指すことを決心する。 だが、人形師匠はとんでもなく自由すぎる。ミカは師匠に翻弄されまくるのだった。 第二章:巷で流れる大魔女の遺産の噂。その裏にある帝國の侵略の懸念。ミカは次第にその渦に巻き込まれていく。 第三章:異世界で唯一の友人ルカが消えた。その裏には保護部屋の存在が関わっていることが示唆され、ミカは潜入捜査に挑むことになるのだった。

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

処理中です...