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ロジータ、街を出る
第28話 ロジータ、街を出る
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まだ朝靄が白く街の中を揺蕩っている時間に、私と双子の3人は街の西側の門へと向かっています。
「ダーウィ、いいこね」
サリーがこっそりと声をかけているのは、荷運び用に飼われていた年老いたミトスドンク(ロバタイプの魔獣)です。
昨日の買い出しの最後の目的は、双子用の足代わりになる生き物を手に入れることでした。
なにせ、私の他に5歳の子供が2人いるのです。
私一人だったら、街道を走ってでも移動はできますが、双子たちを歩かせるなんて『鬼』のようなことはできません。
乗合馬車も考えはしましたが、同乗している乗客たちが嫌な顔をするのが目に見えています。そんな視線にさらされながら双子を乗せるのも、ずっと我慢させるのも可哀想だと思いました。
そこで思いついたのが、インベントリの中に入っている小型の馬車です。
小型の馬車といっても、ドアを開けると広い空間が広がる馬車になっています。あそこだったら、双子が騒いでも問題がないでしょう。
最初は、これを引くための馬を買いたいと思っていたのですが、アーカンスの街の中で馬を扱っているような所は見当たりませんでした。たぶん、街の外の牧場で扱っていたのだと思います。
どうしたものか、と悩んでいたところで、たまたま行商人の集団と出くわしました。
たくさんの馬と荷運び用のミトスドンクが何頭もいたのですが、その中で一番年老いていたミトスドンクが、従魔屋に売られようとしていました。
年老いた魔物が売られるというのは、従魔の餌になるということなのを思い出した私は、ミトスドンクの手綱を握っていたおじさんに、譲ってほしいと頼みこんだのです。
「街を出るまで頑張って」
私も彼の首を優しく撫でながら、励まします。
ダーウィと名付けられたミトスドンクは、最初は目ヤニが酷く、足元も覚束ない、かなりの高齢の魔獣でした。普通だったら、お金を出してまで得ようとは思わないでしょう(実際、従魔屋には銀貨15枚で売られるところだったのを、銀貨30枚、3000ギルで買わされました)。
孤児院に連れて戻った時は、院長先生にまで、こんなミトスドンクを買ってきて、と呆れられました。
さすがにこのままでは双子を乗せて歩くのも厳しかろう、と思ったので、インベントリから魔獣用のポーションを取り出して、水で薄めたのを飲ませました。そのおかげで、少しはまともに動けるようにはなっています。
「さぁ、門が見えてきたわ」
私の声が聞こえたのか、ダーウィはブルルッと鼻息を吐くと、一歩一歩、踏みしめるように歩いて行きます。
門はすでに大きく開かれていて、私たち同様、街を出ていく人の姿が見えます。
「おいおい、大丈夫なのか、そんなヨボヨボのミトスドンクで」
衛兵のおじさんが心配そうな声を出すくらい、実際、ダーウィは年老いて見えます。 私は双子をダーウィの背に乗せると、衛兵のホーマックさんのことを知っているか、聞きました。
「ホーマック? ああ、東門のホーマックか。知ってるぞ。たまにこっちでも仕事をしてるからな」
「そうですか……だったら、伝言をお願いしてもいいですか?」
「なんだ?」
「さよなら、お世話になりましたって」
「……そうか」
私の言葉に何を思ったのか、しんみりした顔になる衛兵のおじさん。
「わかった。昼に東に行く連中がいるから、そいつにでも頼んでおこう」
「ありがとうございます」
「気を付けていくんだぞ」
「はい」
「ばいばい」
「さよなら」
双子は笑顔で手を振りながら、私と共にアーカンスの街を出ました。
「ダーウィ、いいこね」
サリーがこっそりと声をかけているのは、荷運び用に飼われていた年老いたミトスドンク(ロバタイプの魔獣)です。
昨日の買い出しの最後の目的は、双子用の足代わりになる生き物を手に入れることでした。
なにせ、私の他に5歳の子供が2人いるのです。
私一人だったら、街道を走ってでも移動はできますが、双子たちを歩かせるなんて『鬼』のようなことはできません。
乗合馬車も考えはしましたが、同乗している乗客たちが嫌な顔をするのが目に見えています。そんな視線にさらされながら双子を乗せるのも、ずっと我慢させるのも可哀想だと思いました。
そこで思いついたのが、インベントリの中に入っている小型の馬車です。
小型の馬車といっても、ドアを開けると広い空間が広がる馬車になっています。あそこだったら、双子が騒いでも問題がないでしょう。
最初は、これを引くための馬を買いたいと思っていたのですが、アーカンスの街の中で馬を扱っているような所は見当たりませんでした。たぶん、街の外の牧場で扱っていたのだと思います。
どうしたものか、と悩んでいたところで、たまたま行商人の集団と出くわしました。
たくさんの馬と荷運び用のミトスドンクが何頭もいたのですが、その中で一番年老いていたミトスドンクが、従魔屋に売られようとしていました。
年老いた魔物が売られるというのは、従魔の餌になるということなのを思い出した私は、ミトスドンクの手綱を握っていたおじさんに、譲ってほしいと頼みこんだのです。
「街を出るまで頑張って」
私も彼の首を優しく撫でながら、励まします。
ダーウィと名付けられたミトスドンクは、最初は目ヤニが酷く、足元も覚束ない、かなりの高齢の魔獣でした。普通だったら、お金を出してまで得ようとは思わないでしょう(実際、従魔屋には銀貨15枚で売られるところだったのを、銀貨30枚、3000ギルで買わされました)。
孤児院に連れて戻った時は、院長先生にまで、こんなミトスドンクを買ってきて、と呆れられました。
さすがにこのままでは双子を乗せて歩くのも厳しかろう、と思ったので、インベントリから魔獣用のポーションを取り出して、水で薄めたのを飲ませました。そのおかげで、少しはまともに動けるようにはなっています。
「さぁ、門が見えてきたわ」
私の声が聞こえたのか、ダーウィはブルルッと鼻息を吐くと、一歩一歩、踏みしめるように歩いて行きます。
門はすでに大きく開かれていて、私たち同様、街を出ていく人の姿が見えます。
「おいおい、大丈夫なのか、そんなヨボヨボのミトスドンクで」
衛兵のおじさんが心配そうな声を出すくらい、実際、ダーウィは年老いて見えます。 私は双子をダーウィの背に乗せると、衛兵のホーマックさんのことを知っているか、聞きました。
「ホーマック? ああ、東門のホーマックか。知ってるぞ。たまにこっちでも仕事をしてるからな」
「そうですか……だったら、伝言をお願いしてもいいですか?」
「なんだ?」
「さよなら、お世話になりましたって」
「……そうか」
私の言葉に何を思ったのか、しんみりした顔になる衛兵のおじさん。
「わかった。昼に東に行く連中がいるから、そいつにでも頼んでおこう」
「ありがとうございます」
「気を付けていくんだぞ」
「はい」
「ばいばい」
「さよなら」
双子は笑顔で手を振りながら、私と共にアーカンスの街を出ました。
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