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ロジータ、隣国を目指す
第67話 エンペラーイーグル
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目の前には2羽のエンペラーイーグルが立っています。2羽とも見上げるような大きさです。あまりに大きいのでダーウィと双子には少し離れてもらっています。
私のそばにいるのは、白虎だけです。
1羽は先程私におばさんのような声で話しかけてきたメス。もう一羽はそれよりも少し小さいオスです。小さいと言っても、私の身長よりも大きいです。たぶん、『うちの息子』と呼ばれたほうでしょう。
『そうなのかい。ミリアは死んじまったのかい』
しょんぼりとした声でおばさんエンペラーイーグルが言いました。
彼女曰く、母とは彼女がまだ雛の頃、親鳥たちと一緒に母と旅に出ていたことがあるそうです。びっくりです。
『その上、うちの両親と従魔契約をしていたのさ』
「えーと、あなたはしなかったの?」
『私かい? 私はしてもよかったんだけどねぇ。ミリアのほうが契約してくれなかったのさ』
白虎と同じように若かったからか、だそうです。
『私も小さい頃からミリアには可愛がってもらってたし。契約しなくても頼まれれば、否やはなかったからさ』
何度か母と父と一緒に行動を共にしたことがあったそうです。ただ、その頃にはこのオスのほうはいなかったそうで、彼が生まれてしばらくしてから母と連絡を取れなくなったそうです。
クアァァァァッ
息子のエンペラーイーグルが寂しげに鳴きました。
この子はおばさんエンペラーイーグルのように話はできないようです。まだ若いってこと……だけではないのでしょうか。
『わかってるって。落ち着きな』
「どうかしたの?」
『いやぁ……』
困ったような顔になったおばさんエンペラーイーグル。ちらりと私の方に目を向けます。
『あんた、ミリアの娘だったよね』
「ええ」
『悪いにだけど、この子と従魔契約してやってもらえまいか』
「はっ!?」
まさかまたその話!?
『なんだとっ! 俺だって契約してもらえないのに、なんでお前がっ!』
白虎が毛を逆立てて怒りをあらわにしました。
息子のほうも翼を大きく広げて威嚇しています。
「ちょ、ちょっと待ってよっ!」
『お前、生意気だぞっ!』
クアァァァァッ!!
『落ち着きなっ!』
ガラガラッ! ドッゴーンッ!
……おばさんエンペラーイーグルの雷が落ちました。本物の雷が。
白虎と息子がぱったりと伸びてしまっています。
まさかエンペラーイーグルが雷の魔法が使えるなんて予想外で、私の方も、固まってしまいました。
『はぁ……ごめんよ。てっきりその子も契約してるものだと。参ったねぇ』
「どういうことです?」
『……この子はねぇ。私と違って父親がワイルドイーグルの亜種なんだよ』
本来ワイルドイーグルは、エンペラーイーグルに比べたら三分の一の大きさで、彼女たちからしたら餌にすらなる鳥のはずなのです。それの亜種といっても、どれくらいの大きさになるのでしょうか。
……ずいぶん頑張ったのでしょうね。
ちなみに父親はすでに亡くなっているそうだ。
『そのせいで、私のようには話せなくてさ。話はわかるようなんだけどねぇ』
「それで、従魔契約すると話せるようになるっていうの?」
『ああ、そこの坊やは聖獣だろう? だから初めっから喋れたんだろうけど、うちの子はねぇ』
……白虎、聖獣だったの、知りませんでした。
だから最初っから偉そうだったんですね。
私のそばにいるのは、白虎だけです。
1羽は先程私におばさんのような声で話しかけてきたメス。もう一羽はそれよりも少し小さいオスです。小さいと言っても、私の身長よりも大きいです。たぶん、『うちの息子』と呼ばれたほうでしょう。
『そうなのかい。ミリアは死んじまったのかい』
しょんぼりとした声でおばさんエンペラーイーグルが言いました。
彼女曰く、母とは彼女がまだ雛の頃、親鳥たちと一緒に母と旅に出ていたことがあるそうです。びっくりです。
『その上、うちの両親と従魔契約をしていたのさ』
「えーと、あなたはしなかったの?」
『私かい? 私はしてもよかったんだけどねぇ。ミリアのほうが契約してくれなかったのさ』
白虎と同じように若かったからか、だそうです。
『私も小さい頃からミリアには可愛がってもらってたし。契約しなくても頼まれれば、否やはなかったからさ』
何度か母と父と一緒に行動を共にしたことがあったそうです。ただ、その頃にはこのオスのほうはいなかったそうで、彼が生まれてしばらくしてから母と連絡を取れなくなったそうです。
クアァァァァッ
息子のエンペラーイーグルが寂しげに鳴きました。
この子はおばさんエンペラーイーグルのように話はできないようです。まだ若いってこと……だけではないのでしょうか。
『わかってるって。落ち着きな』
「どうかしたの?」
『いやぁ……』
困ったような顔になったおばさんエンペラーイーグル。ちらりと私の方に目を向けます。
『あんた、ミリアの娘だったよね』
「ええ」
『悪いにだけど、この子と従魔契約してやってもらえまいか』
「はっ!?」
まさかまたその話!?
『なんだとっ! 俺だって契約してもらえないのに、なんでお前がっ!』
白虎が毛を逆立てて怒りをあらわにしました。
息子のほうも翼を大きく広げて威嚇しています。
「ちょ、ちょっと待ってよっ!」
『お前、生意気だぞっ!』
クアァァァァッ!!
『落ち着きなっ!』
ガラガラッ! ドッゴーンッ!
……おばさんエンペラーイーグルの雷が落ちました。本物の雷が。
白虎と息子がぱったりと伸びてしまっています。
まさかエンペラーイーグルが雷の魔法が使えるなんて予想外で、私の方も、固まってしまいました。
『はぁ……ごめんよ。てっきりその子も契約してるものだと。参ったねぇ』
「どういうことです?」
『……この子はねぇ。私と違って父親がワイルドイーグルの亜種なんだよ』
本来ワイルドイーグルは、エンペラーイーグルに比べたら三分の一の大きさで、彼女たちからしたら餌にすらなる鳥のはずなのです。それの亜種といっても、どれくらいの大きさになるのでしょうか。
……ずいぶん頑張ったのでしょうね。
ちなみに父親はすでに亡くなっているそうだ。
『そのせいで、私のようには話せなくてさ。話はわかるようなんだけどねぇ』
「それで、従魔契約すると話せるようになるっていうの?」
『ああ、そこの坊やは聖獣だろう? だから初めっから喋れたんだろうけど、うちの子はねぇ』
……白虎、聖獣だったの、知りませんでした。
だから最初っから偉そうだったんですね。
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