69 / 69
ロジータ、隣国を目指す
第68話 おばさんエンペラーイーグル、プレゼンする
しおりを挟む
さて、どうしたものか、と倒れている1匹と1羽に目を向けます。
白虎のほうは小さくなれるので連れ歩くのも、なんとかなりそうですが、こっちのエンペラーイーグルは、さすがに大きすぎます。
それに、エンペラーイーグルを従魔にしたら、白虎のほうも、という話になるでしょう。
「うーん、悪いけど、ただ言葉が話せるようになる程度じゃ、私の方で従魔契約するメリットがないような?」
『いやいや、会話だけではないよ。こうして』
目の前のおばさんエンペラーイーグルが、グーンと小さくなって、普通の鷹くらいの大きさになってしまいました。
『こうして身体の大きさも変えられるようにもなるんだよ』
「……へぇ」
小さくなると、野太かったおばさんエンペラーイーグルの声も、甲高い声に変わる不思議。
『それに念話もできるようになるし、どんなに離れていても、主の場所はわかるようになるんだよ』
それは一緒にいなくても大丈夫、ということでしょうか。餌のことや、世話をするのが楽であるなら、少しは考える余地はあるでしょうか。
『それに、大きくなれば』
グーンと再び同じ大きさになりました。
『こんな山くらいは、一飛びで越えられるわよ?』
その言葉に、耳がピクリと動く。
『うちの息子なら、子供三人なんて軽々よ~』
『お、俺だって、3人くらい運べるぞ!』
いつの間にか気が付いた白虎が、元気に反論しだしました。
「それだと、ダーウィが残されるから、ダメよ」
ダーウィを残していくという選択肢はありません。
少し離れたところにいるダーウィたちに目を向けると、背に乗っていたダニーが、泣きそうな顔でダーウィの首に抱きついています。サリーはギロリとおばさんエンペラーイーグルを睨んでいます。
『あらぁ、だったら、その子を掴んで運ぶこともできるわよ?』
――掴む!?
それを想像して、ダーウィが可哀想すぎて、首を振りました。
「無理でしょ。絶対、怖がるわ」
『そうかしら。あなた『スリープ』は使えないの?』
首を傾げながら、おばさんエンペラーイーグルが言います。彼女が言う、『スリープ』は闇魔法の一つです。今の私は、まだ闇魔法は使えません。たぶん、MPの最大量が足りないせいだと思います。
――あ、そういえば、アレがあったか!
私は慌ててインベントリを開いて、アレを探しました。たくさんの雑多なものから、ようやく見つけたのは。
「眠り香!」
『ねむりこう?』
「ええ、これを使えば、ダーウィも眠れるはず」
これも『フロリンダ』時代に、王宮勤めの薬師だった友人から貰ったモノです。何のために貰ったのかは忘れてしまいましたが、これならダーウィを眠らせることができるでしょう。
「……そうね。上手く私たちを山の向こうまで運んでくれたら、考えてもいいわ」
『そうこなくては』
『ず、ずるいぞっ!』
白虎が尻尾を立たせて文句を言ってきましたが、おばさんエンペラーイーグルのひとにらみで、無言になってしまいました。年季の違いか、迫力があります。
『そうと決まれば……息子よ、さっさと起きんかいっ』
バシッとおばさんエンペラーイーグルに蹴られた息子さん。
……怪我してないといいのですが。
白虎のほうは小さくなれるので連れ歩くのも、なんとかなりそうですが、こっちのエンペラーイーグルは、さすがに大きすぎます。
それに、エンペラーイーグルを従魔にしたら、白虎のほうも、という話になるでしょう。
「うーん、悪いけど、ただ言葉が話せるようになる程度じゃ、私の方で従魔契約するメリットがないような?」
『いやいや、会話だけではないよ。こうして』
目の前のおばさんエンペラーイーグルが、グーンと小さくなって、普通の鷹くらいの大きさになってしまいました。
『こうして身体の大きさも変えられるようにもなるんだよ』
「……へぇ」
小さくなると、野太かったおばさんエンペラーイーグルの声も、甲高い声に変わる不思議。
『それに念話もできるようになるし、どんなに離れていても、主の場所はわかるようになるんだよ』
それは一緒にいなくても大丈夫、ということでしょうか。餌のことや、世話をするのが楽であるなら、少しは考える余地はあるでしょうか。
『それに、大きくなれば』
グーンと再び同じ大きさになりました。
『こんな山くらいは、一飛びで越えられるわよ?』
その言葉に、耳がピクリと動く。
『うちの息子なら、子供三人なんて軽々よ~』
『お、俺だって、3人くらい運べるぞ!』
いつの間にか気が付いた白虎が、元気に反論しだしました。
「それだと、ダーウィが残されるから、ダメよ」
ダーウィを残していくという選択肢はありません。
少し離れたところにいるダーウィたちに目を向けると、背に乗っていたダニーが、泣きそうな顔でダーウィの首に抱きついています。サリーはギロリとおばさんエンペラーイーグルを睨んでいます。
『あらぁ、だったら、その子を掴んで運ぶこともできるわよ?』
――掴む!?
それを想像して、ダーウィが可哀想すぎて、首を振りました。
「無理でしょ。絶対、怖がるわ」
『そうかしら。あなた『スリープ』は使えないの?』
首を傾げながら、おばさんエンペラーイーグルが言います。彼女が言う、『スリープ』は闇魔法の一つです。今の私は、まだ闇魔法は使えません。たぶん、MPの最大量が足りないせいだと思います。
――あ、そういえば、アレがあったか!
私は慌ててインベントリを開いて、アレを探しました。たくさんの雑多なものから、ようやく見つけたのは。
「眠り香!」
『ねむりこう?』
「ええ、これを使えば、ダーウィも眠れるはず」
これも『フロリンダ』時代に、王宮勤めの薬師だった友人から貰ったモノです。何のために貰ったのかは忘れてしまいましたが、これならダーウィを眠らせることができるでしょう。
「……そうね。上手く私たちを山の向こうまで運んでくれたら、考えてもいいわ」
『そうこなくては』
『ず、ずるいぞっ!』
白虎が尻尾を立たせて文句を言ってきましたが、おばさんエンペラーイーグルのひとにらみで、無言になってしまいました。年季の違いか、迫力があります。
『そうと決まれば……息子よ、さっさと起きんかいっ』
バシッとおばさんエンペラーイーグルに蹴られた息子さん。
……怪我してないといいのですが。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
続き読みたいです!続きをお願いします🙇🙏
こんにちは。
えむさんのお話大好きです。
何年も前から楽しんでいます。
「山、買いました」毎日楽しく読んでいます。
新作、凄く期待しています。