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夢見る少女の始まりの物語
第1話
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私雨ヶ崎璃乃亜は夢を見る。ある少女の夢を。その少女の名前は「アメリア」。私と瓜二つなその少女はいつも幸せそうに暮らしている。家族や住んでいる里のみんなと楽しそうに遊んでいる。私はその様子を見るのが好きだった。あたりまえだけど触れることはできなくて俯瞰するように空の上から彼女の様子を眺めている。
子供のころから私は彼女の夢を見ている。私だけの大切な秘密。彼女の成長を夢で見ているためかまるで幼馴染のように親近感が湧いている。ただの夢なのか、はたまた実在する異世界なのか私にはわからない。だけど、私にはどうでもいい。ただ、アメリアとともに過ごしているようなこの感覚がとても幸せに感じるのだ。
「今日も楽しそうに遊んでいるなぁ……」
いつものように彼女の遊ぶ姿を見て心の中で言葉をこぼす。私はいつから友人と遊ぶことがなかったのだろうと悲愴感をにじませる。これが大体いつもの恒例となってしまっている。悲しいけれど癖づいてしまっているため直すのは難しい。そんなことを思っていると、アメリアがおもむろに空を見上げる。私がいるであろう方向に。訝しむように見上げると首をかしげながら里のみんなのもとに視線を戻す。時々こんな風に私に気づいたかのように見上げることがある。そのたびにビクッとしてしまう。私のことが見えていないはずなのにただの夢であるはずなのにと。
だんだんとアメリアたちが霞んでいくように目の前が暗転していく。これは目を覚ます前兆。もう朝を向けるということなのだ。だんだんと差し込む光から目を守るように手で塞ぐ。ゆっくりと目を開けばそこは私の部屋で鳥のさえずりがこだました。
「もう朝かぁ……」
眠い目をこすりながらゆっくりと体を起こしては大欠伸とともに腕を上に伸ばしグッと体を伸ばす息を漏らしながら一息つくと
「璃乃亜~!ご飯よ~!降りてらっしゃい!!」
一階からお母さんの声がする。のそのそをベッドから降りてゆっくり部屋を出る。階段を下りてリビングに向かえばおいしそうな匂いとトントンと音がする。
「おはよ~」
眠そうな声で挨拶をすれば椅子に座り用意されたご飯をゆっくりと食べる。慌ただしくお父さんも椅子に座るとかきこむようにご飯を食べると
「お父さんはもう出るからな!璃乃亜も気を付けていきなさい!」
「は~い」
食べ終わるとすぐさま家を出る準備をして仕事に向かう。その姿にクスッとして食べ終わった食器をまとめてからキッチンに持っていく。
「まったく……余裕をもって起きないからよ…」
ぼやきながら食器を洗い始めるお母さんに苦笑いをしながら私自身も学校に向かう準備をするためまた部屋に戻る。制服に袖を通して髪型を整えるとお母さんに挨拶してから家を出る。暖かい日差しがまた眠気を呼び起こしそうになる。
「こんな陽気は眠気が止まらないよぉ……」
欠伸をしながら眠い目をこすり通学路を歩く。するとだんだんと登校途中の学生が増えてくる。友達と楽しそうに挨拶を交わす学生や恋人同士だと思われる男女が仲良く登校する姿に羨望の眼差しを向けながら孤独感を覚えてしまう。
そんな感情に陥りながらもなんだかんだで学校に到着する。いつもと変わらない日常が始まる。普通に授業を受けて休み時間を一人孤独に過ごして一日が終わる。今日もクラスメイトに声をかけることができなかったなと。とぼとぼと帰路につく。
家に帰るとかばんを放り投げやることを済ます。お風呂に入りご飯を食べて宿題片付けて…そうするといい時間になる。唯一私が楽しみにしている時間。寝ることではなく夢でアメリアに会えること。ワクワクしながら目を閉じる。だが、今日の夢がいつもと違うことになるとはこの時の私はわからなかった――
子供のころから私は彼女の夢を見ている。私だけの大切な秘密。彼女の成長を夢で見ているためかまるで幼馴染のように親近感が湧いている。ただの夢なのか、はたまた実在する異世界なのか私にはわからない。だけど、私にはどうでもいい。ただ、アメリアとともに過ごしているようなこの感覚がとても幸せに感じるのだ。
「今日も楽しそうに遊んでいるなぁ……」
いつものように彼女の遊ぶ姿を見て心の中で言葉をこぼす。私はいつから友人と遊ぶことがなかったのだろうと悲愴感をにじませる。これが大体いつもの恒例となってしまっている。悲しいけれど癖づいてしまっているため直すのは難しい。そんなことを思っていると、アメリアがおもむろに空を見上げる。私がいるであろう方向に。訝しむように見上げると首をかしげながら里のみんなのもとに視線を戻す。時々こんな風に私に気づいたかのように見上げることがある。そのたびにビクッとしてしまう。私のことが見えていないはずなのにただの夢であるはずなのにと。
だんだんとアメリアたちが霞んでいくように目の前が暗転していく。これは目を覚ます前兆。もう朝を向けるということなのだ。だんだんと差し込む光から目を守るように手で塞ぐ。ゆっくりと目を開けばそこは私の部屋で鳥のさえずりがこだました。
「もう朝かぁ……」
眠い目をこすりながらゆっくりと体を起こしては大欠伸とともに腕を上に伸ばしグッと体を伸ばす息を漏らしながら一息つくと
「璃乃亜~!ご飯よ~!降りてらっしゃい!!」
一階からお母さんの声がする。のそのそをベッドから降りてゆっくり部屋を出る。階段を下りてリビングに向かえばおいしそうな匂いとトントンと音がする。
「おはよ~」
眠そうな声で挨拶をすれば椅子に座り用意されたご飯をゆっくりと食べる。慌ただしくお父さんも椅子に座るとかきこむようにご飯を食べると
「お父さんはもう出るからな!璃乃亜も気を付けていきなさい!」
「は~い」
食べ終わるとすぐさま家を出る準備をして仕事に向かう。その姿にクスッとして食べ終わった食器をまとめてからキッチンに持っていく。
「まったく……余裕をもって起きないからよ…」
ぼやきながら食器を洗い始めるお母さんに苦笑いをしながら私自身も学校に向かう準備をするためまた部屋に戻る。制服に袖を通して髪型を整えるとお母さんに挨拶してから家を出る。暖かい日差しがまた眠気を呼び起こしそうになる。
「こんな陽気は眠気が止まらないよぉ……」
欠伸をしながら眠い目をこすり通学路を歩く。するとだんだんと登校途中の学生が増えてくる。友達と楽しそうに挨拶を交わす学生や恋人同士だと思われる男女が仲良く登校する姿に羨望の眼差しを向けながら孤独感を覚えてしまう。
そんな感情に陥りながらもなんだかんだで学校に到着する。いつもと変わらない日常が始まる。普通に授業を受けて休み時間を一人孤独に過ごして一日が終わる。今日もクラスメイトに声をかけることができなかったなと。とぼとぼと帰路につく。
家に帰るとかばんを放り投げやることを済ます。お風呂に入りご飯を食べて宿題片付けて…そうするといい時間になる。唯一私が楽しみにしている時間。寝ることではなく夢でアメリアに会えること。ワクワクしながら目を閉じる。だが、今日の夢がいつもと違うことになるとはこの時の私はわからなかった――
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