6 / 12
6
しおりを挟む
「こっち日陰になってっから」
置かれた木箱に遠藤君と並んで腰かけた。近い距離にまたまた心臓が大きく跳ねる。遠藤君は気にもしてないようで、わたしが膝に抱える袋を覗き込んできた。
焼きそばパンにコロッケパン、カレーパンにメロンパン。ウインナーがはさまったやつも、ちょっと高かったけど奮発して買ってみた。ほかにもいろいろ選んでみたけど、どれもこれも遠藤君がよく食べてるパンだった。
え? ストーカーじゃないよ? たまたま、たまたま食べてるのが見えちゃっただけだもん。
「やべぇどれもうまそう。これどこのパン屋?」
「わたしの家のそばにあるパン屋さん。子どもの頃から良く買ってるんだ」
「へぇ、あとで場所教えてよ」
うれしすぎて大きく頷いた。また遠藤君と話ができる。今日思い切って声かけてみてよかった。がんばったわたし。えらいぞわたし。
「大木はどれにする? 俺は残ったの食べるから」
「遠藤君から選んでいいよ。わたしは全部食べたことあるし」
「でもとっておきのあんだろ?」
促されてわたしはカスタードの乗ったブルーベリーパンと、芥子の実が散らされたふっくらつやつやのあんパンを選んだ。
あんパンに鼻をうずめて匂いをかぐのが昔から好きだ。そう言ったら遠藤君に、なんだそらって笑われてしまった。
置かれた木箱に遠藤君と並んで腰かけた。近い距離にまたまた心臓が大きく跳ねる。遠藤君は気にもしてないようで、わたしが膝に抱える袋を覗き込んできた。
焼きそばパンにコロッケパン、カレーパンにメロンパン。ウインナーがはさまったやつも、ちょっと高かったけど奮発して買ってみた。ほかにもいろいろ選んでみたけど、どれもこれも遠藤君がよく食べてるパンだった。
え? ストーカーじゃないよ? たまたま、たまたま食べてるのが見えちゃっただけだもん。
「やべぇどれもうまそう。これどこのパン屋?」
「わたしの家のそばにあるパン屋さん。子どもの頃から良く買ってるんだ」
「へぇ、あとで場所教えてよ」
うれしすぎて大きく頷いた。また遠藤君と話ができる。今日思い切って声かけてみてよかった。がんばったわたし。えらいぞわたし。
「大木はどれにする? 俺は残ったの食べるから」
「遠藤君から選んでいいよ。わたしは全部食べたことあるし」
「でもとっておきのあんだろ?」
促されてわたしはカスタードの乗ったブルーベリーパンと、芥子の実が散らされたふっくらつやつやのあんパンを選んだ。
あんパンに鼻をうずめて匂いをかぐのが昔から好きだ。そう言ったら遠藤君に、なんだそらって笑われてしまった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる