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アオハル
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今から八年前。
高校生だった僕は、目立つ存在ではなくて。かといって特別勉強が出来るわけでも、運動が出来るわけでもなくて。
だけど、見た目が『勉強できる奴』らしく、勝手に優等生的にクラスメイトから見られていた。
ある日の放課後。帰ろうと準備をしていると、
「あっちゃん、数学のノート見せてくれない?私、寝てたからさ、おねがーい」
隣の席の、関根さん。僕は、この女子にグイグイ迫られている、多分。
彼女は可愛いし、いい匂いもする。悪い気はしないけど、ただ……僕としては、こういうタイプは苦手で。『あっちゃん』なんて呼ぶのも彼女だけで、正直引いていた。そして 『あぁ、面倒だな』って、いつも思っていた。今日も、そう思いながらノートを貸そうとした時、
「敦、ちょっと来い。今すぐ!早く早く!」と、学年で一番人気がある、『おだっち』こと織田裕晴が、僕の腕を掴んで教室から走り出した。
僕も転ばない様に、おだっちについて行く。
「おおおお、おだっち……ちょっと危ないから止まってくれ」
何事だ、と僕は訳も分からず、そう彼に言いながら、引っ張られた腕を引っ張り返した。
振り返った、おだっちは、
「だって、困ってただろ?関根、お前狙ってんの見え見え」と、笑いながら言った。
僕とおだっちは、使われていない教室に何となく入った。
「あぁあ、今日は早く帰りたかったのに……」と、僕がぼやいた。
「関根、まだ居んぞ。今、教室帰っても、お前の事待ってるぜ」と、おだっちが窓際に腰を掛けながら言った。
しばらく二人で、無言でスマホゲームに熱中する。
すると、おだっちが、
「で、お前としては、どうなんよ?」と、聞いてきた。
「どうなんよ?って、何が」と、僕はスマホから目を離さず返事をした。
「関根」
「あぁ……」
「告ってきたら、どうすんの?」
「……無理」
おだっちは、近所に住んでいて、幼稚園からずっと一緒だった。特別仲が良かったわけでもなかったのだが、高校も同じだったと知ってから、何となく一緒に登校して、何となく気が向いたら一緒に帰っていた。
だからって、休日まで遊ぶ仲ではなかったのだが、僕たちが『親友』となったのは、高校三年生の夏休み。突然、僕の自宅におだっちが訪ねて来た事がきっかけで……
◇◆◇◆◇
「敦。あーつーしー、お客様よ」
夏休みの初日の夜。母親が一階から、そう叫んできて、『僕に客?……』と、思いながら二階から降りていくと、玄関におだっちが居た。
そんな事、今までなかったもんだから、僕はちょっと思考が止まってしまって……
「敦、何やってんの」と、母親に言われて、
「お、おぉ、おだっち。上がれよ」と、言ってしまった。
自分の部屋に他人を入れた事がないのに、『上がれよ』なんて、よく言えたもんだ。
案の定、母親が要らぬ気を利かせて、冷たい麦茶と適当なお菓子を持ってきた。
「織田君、すっかりイケメンになっちゃって」
母親は悪い人ではないけれど、話が長くなってしまう人だから、今はそれは本当に止めてくれと思って、
「お母さん、ちょっと邪魔しないで」と、慌てて部屋から追い出した。
母親が一階に下りたのを何となく確認して、
「で、おだっち、急に何?正直に言うけど、かなり驚いてる」と、僕は言った。
そう僕に言われたおだっちは、
「だよな」と、苦笑いしていた。そして、
「俺ら、もう三年じゃん。敦は進学だろ?」と、言ってきた。
「そうだよ。だから、高校入学してからずっと受験勉強してる」
僕は六大学の合格を目指していた。
「俺も受験してみようかなって思ってさ」と、おだっちが言った。
「今から?」と、僕は驚いてしまった。
「おい、これでも俺は成績良い方だぜ」と、おだっちが抗議した。
そう、おだっちはイケメンの癖に頭がいい。これは僕の勝手な偏見だが、イケメンで頭がそれなりに良いって、チートだと思っていた。
「まぁ、六大学は厳しいだろうな」と、おだっちが言った。
僕がおだっちを嫌えないのは、こういうところで。彼は、周りの事も自分の事もよく理解していた。
「でも、おだっちなら、それなりの大学行けるでしょ」と、僕は言った。
「かもだけど」と、ポテチを食べながら、おだっちが言った。
僕はここまでの会話でも、おだっちが何で訪ねてきたのか全く分からなかった。
「で、何?」と、僕は本題を切り出させようとした。
「うん……夏休みの間、一緒に受験勉強できないかな、と思って」と、おだっちが言った。
「早くそう言えばいいだろ」
「だな」
その日は、それ以上受験の事については話す事はなく、僕も何だか気が抜けてしまったので、二人で漫画本を読んでいた。
しばらくして、母親が顔を出してきて、
「もう遅いから、織田君。帰らないと、家の人心配しない?」と、言ってきたので、おだっちは帰って行った。
何だったんだろうなぁ、と思いつつ、おだっちと一緒に受験勉強か、と思うと何だか同志が出来たような感覚になって少し嬉しかった。
◇◆◇◆
それから、二人で毎日のように会っていた。僕の部屋で勉強する事が多かったけれど、気分転換に流行りのカフェでも勉強していた。
それにしても、おだっちはやっぱり賢くて。単に頭が良いというのもあるのだが、集中力がエグイ。それに、計画性もちゃんとしてて、高一から受験勉強してる僕は、本格的に最近受験勉強を始めたおだっちに、あっと言う間に追いつかれてしまった。
「僕と勉強する意味ある?」と、聞いてみた。
「あるだろ」と、おだっちは、サラッという。
「そうかな……」
「俺と受験勉強すれば、敦だって、もっと頑張らんとヤバい、ってなるだろ」
笑顔で、凄い嫌味を言われた気がした。でも、イラっとしないのが不思議で。僕も笑って、
「マジ、むかつく」って言えるくらいの関係になっていた。
「敦さ、明日の夏祭り行かないの?」
カフェで受験勉強した帰りに、おだっちがそう聞いてきた。
「うーん……今のところ、行く予定はしてないかな。毎年行ってないし」
「なら、気分転換に行こうぜ。息抜きも必要じゃね?」と、おだっちが誘ってきた。
「彼女と、行かないの?」と、僕は聞いてみた。
当時、おだっちは一学年下の可愛い系の女子と付き合っている、と噂が広まっていた。
「は?俺、誰とも付き合ってねぇし」と、ちょっと不機嫌に、おだっちが言った。
「あの噂……」
「噂だろ?付き合ってねぇよ。告られたけど、断った」
おだっちは、平然と言っているが、僕もそんな事言ってみたいもんだ、と思った。
「行くのか?行かないのか?」と、おだっちが促してくる。
「じゃあ、行こうかな」
多分、おだっちとは進学しても、ちょくちょく会うことになるだろう。でも、高校最後の夏休みだし、進学したら、この町からは出ていくことになる。
なんて、帰って来なくなるわけじゃないのに、当時の僕は勝手に思いに耽ってしまっていた。
◇◆◇◆
夏祭り当日。
待ち合わせは、僕の自宅。時間通り、おだっちが訪ねて来たので、そのまま出かけた。
僕らが住んでいる町は、簡素でいつもは静かなのだが、夏祭りの時は、毎年町の人口の倍以上の人が押し寄せて来たんじゃないかってくらいに盛り上がる。
「人混みヤバっ」と、僕は思わず言ってしまった。
「ホント、ヤバいな」
おだっちはそう言いながら、唐突に僕の右手首を掴んだ。
唐突過ぎて、パッとおだっちを見たけれど、いつもの何を考えているのか分からない涼しい顔をしていた。だから、
「子供じゃないんだから、はぐれないよ」と、言ったんだけれど、
「敦、ひょろいから」と、おだっちは離さなかった。
なんか、周りの目が気になったけれど、おだっちの優しさだから、僕はそのままにした。
ぶらぶら屋台を見て回って、食べたいものを食べて。ただそれだけだったけれども、夏祭りは子供の頃以来だったし、おだっちと一緒に行けて良かった。そう僕は思っていた。
◇◆◇◆
夏休みも、残り一日。明日から、また学校かと思うと憂鬱だった。家に居ても受験勉強尽くしではあったけれど、学校でガヤガヤ勉強しているより、おだっちと二人で黙々とやっている方がよかった。
「あぁあ、明日からめんどいな……」と、僕が呟いた。
「確かに、めんどいな」と、おだっちも言う。
「でも、濃い夏休みだったわ」と、僕はおだっちに笑いかけながら言った。
「濃い?勉強してただけだろ」
「でもさ、楽しかったじゃん。ま、学校始まっても、一緒に勉強しような」
そう、約束したつもりだったんだけど、次の日、おだっちは登校して来なかった。具合でも悪くなったのかな?と、心配しながら朝のホームルームが始まった。
「今日から二学期です……」と、担任が話し出した。
「それから、みんなに伝えないといけない事があります。急な話ではあるんだけれど、織田君は親御さんのお仕事の都合で、引っ越す事になりました。最後まで、ここに通える方法はないか話し合ってきたんだけれど……」
担任の説明の最後の方は、ほとんど耳に入ってこなかった。
おだっちが、引っ越す?
昨日まで普通に会ってたのに……
おだっちは、引っ越すなんて、そんな大事な事、僕には言わなかった。
そんな素振りすらしなかった。
その日、どうやって過ごしたのかも思い出せない。
帰り道、おだっちの家の前を通ったら、もう引っ越した後で、本当にここにおだっちが住んでいたのかな?と、思うくらい静かだった。
僕はしばらくそこに立ち止まって、おだっちが住んでいた家をじっと見つめていた。
高校生だった僕は、目立つ存在ではなくて。かといって特別勉強が出来るわけでも、運動が出来るわけでもなくて。
だけど、見た目が『勉強できる奴』らしく、勝手に優等生的にクラスメイトから見られていた。
ある日の放課後。帰ろうと準備をしていると、
「あっちゃん、数学のノート見せてくれない?私、寝てたからさ、おねがーい」
隣の席の、関根さん。僕は、この女子にグイグイ迫られている、多分。
彼女は可愛いし、いい匂いもする。悪い気はしないけど、ただ……僕としては、こういうタイプは苦手で。『あっちゃん』なんて呼ぶのも彼女だけで、正直引いていた。そして 『あぁ、面倒だな』って、いつも思っていた。今日も、そう思いながらノートを貸そうとした時、
「敦、ちょっと来い。今すぐ!早く早く!」と、学年で一番人気がある、『おだっち』こと織田裕晴が、僕の腕を掴んで教室から走り出した。
僕も転ばない様に、おだっちについて行く。
「おおおお、おだっち……ちょっと危ないから止まってくれ」
何事だ、と僕は訳も分からず、そう彼に言いながら、引っ張られた腕を引っ張り返した。
振り返った、おだっちは、
「だって、困ってただろ?関根、お前狙ってんの見え見え」と、笑いながら言った。
僕とおだっちは、使われていない教室に何となく入った。
「あぁあ、今日は早く帰りたかったのに……」と、僕がぼやいた。
「関根、まだ居んぞ。今、教室帰っても、お前の事待ってるぜ」と、おだっちが窓際に腰を掛けながら言った。
しばらく二人で、無言でスマホゲームに熱中する。
すると、おだっちが、
「で、お前としては、どうなんよ?」と、聞いてきた。
「どうなんよ?って、何が」と、僕はスマホから目を離さず返事をした。
「関根」
「あぁ……」
「告ってきたら、どうすんの?」
「……無理」
おだっちは、近所に住んでいて、幼稚園からずっと一緒だった。特別仲が良かったわけでもなかったのだが、高校も同じだったと知ってから、何となく一緒に登校して、何となく気が向いたら一緒に帰っていた。
だからって、休日まで遊ぶ仲ではなかったのだが、僕たちが『親友』となったのは、高校三年生の夏休み。突然、僕の自宅におだっちが訪ねて来た事がきっかけで……
◇◆◇◆◇
「敦。あーつーしー、お客様よ」
夏休みの初日の夜。母親が一階から、そう叫んできて、『僕に客?……』と、思いながら二階から降りていくと、玄関におだっちが居た。
そんな事、今までなかったもんだから、僕はちょっと思考が止まってしまって……
「敦、何やってんの」と、母親に言われて、
「お、おぉ、おだっち。上がれよ」と、言ってしまった。
自分の部屋に他人を入れた事がないのに、『上がれよ』なんて、よく言えたもんだ。
案の定、母親が要らぬ気を利かせて、冷たい麦茶と適当なお菓子を持ってきた。
「織田君、すっかりイケメンになっちゃって」
母親は悪い人ではないけれど、話が長くなってしまう人だから、今はそれは本当に止めてくれと思って、
「お母さん、ちょっと邪魔しないで」と、慌てて部屋から追い出した。
母親が一階に下りたのを何となく確認して、
「で、おだっち、急に何?正直に言うけど、かなり驚いてる」と、僕は言った。
そう僕に言われたおだっちは、
「だよな」と、苦笑いしていた。そして、
「俺ら、もう三年じゃん。敦は進学だろ?」と、言ってきた。
「そうだよ。だから、高校入学してからずっと受験勉強してる」
僕は六大学の合格を目指していた。
「俺も受験してみようかなって思ってさ」と、おだっちが言った。
「今から?」と、僕は驚いてしまった。
「おい、これでも俺は成績良い方だぜ」と、おだっちが抗議した。
そう、おだっちはイケメンの癖に頭がいい。これは僕の勝手な偏見だが、イケメンで頭がそれなりに良いって、チートだと思っていた。
「まぁ、六大学は厳しいだろうな」と、おだっちが言った。
僕がおだっちを嫌えないのは、こういうところで。彼は、周りの事も自分の事もよく理解していた。
「でも、おだっちなら、それなりの大学行けるでしょ」と、僕は言った。
「かもだけど」と、ポテチを食べながら、おだっちが言った。
僕はここまでの会話でも、おだっちが何で訪ねてきたのか全く分からなかった。
「で、何?」と、僕は本題を切り出させようとした。
「うん……夏休みの間、一緒に受験勉強できないかな、と思って」と、おだっちが言った。
「早くそう言えばいいだろ」
「だな」
その日は、それ以上受験の事については話す事はなく、僕も何だか気が抜けてしまったので、二人で漫画本を読んでいた。
しばらくして、母親が顔を出してきて、
「もう遅いから、織田君。帰らないと、家の人心配しない?」と、言ってきたので、おだっちは帰って行った。
何だったんだろうなぁ、と思いつつ、おだっちと一緒に受験勉強か、と思うと何だか同志が出来たような感覚になって少し嬉しかった。
◇◆◇◆
それから、二人で毎日のように会っていた。僕の部屋で勉強する事が多かったけれど、気分転換に流行りのカフェでも勉強していた。
それにしても、おだっちはやっぱり賢くて。単に頭が良いというのもあるのだが、集中力がエグイ。それに、計画性もちゃんとしてて、高一から受験勉強してる僕は、本格的に最近受験勉強を始めたおだっちに、あっと言う間に追いつかれてしまった。
「僕と勉強する意味ある?」と、聞いてみた。
「あるだろ」と、おだっちは、サラッという。
「そうかな……」
「俺と受験勉強すれば、敦だって、もっと頑張らんとヤバい、ってなるだろ」
笑顔で、凄い嫌味を言われた気がした。でも、イラっとしないのが不思議で。僕も笑って、
「マジ、むかつく」って言えるくらいの関係になっていた。
「敦さ、明日の夏祭り行かないの?」
カフェで受験勉強した帰りに、おだっちがそう聞いてきた。
「うーん……今のところ、行く予定はしてないかな。毎年行ってないし」
「なら、気分転換に行こうぜ。息抜きも必要じゃね?」と、おだっちが誘ってきた。
「彼女と、行かないの?」と、僕は聞いてみた。
当時、おだっちは一学年下の可愛い系の女子と付き合っている、と噂が広まっていた。
「は?俺、誰とも付き合ってねぇし」と、ちょっと不機嫌に、おだっちが言った。
「あの噂……」
「噂だろ?付き合ってねぇよ。告られたけど、断った」
おだっちは、平然と言っているが、僕もそんな事言ってみたいもんだ、と思った。
「行くのか?行かないのか?」と、おだっちが促してくる。
「じゃあ、行こうかな」
多分、おだっちとは進学しても、ちょくちょく会うことになるだろう。でも、高校最後の夏休みだし、進学したら、この町からは出ていくことになる。
なんて、帰って来なくなるわけじゃないのに、当時の僕は勝手に思いに耽ってしまっていた。
◇◆◇◆
夏祭り当日。
待ち合わせは、僕の自宅。時間通り、おだっちが訪ねて来たので、そのまま出かけた。
僕らが住んでいる町は、簡素でいつもは静かなのだが、夏祭りの時は、毎年町の人口の倍以上の人が押し寄せて来たんじゃないかってくらいに盛り上がる。
「人混みヤバっ」と、僕は思わず言ってしまった。
「ホント、ヤバいな」
おだっちはそう言いながら、唐突に僕の右手首を掴んだ。
唐突過ぎて、パッとおだっちを見たけれど、いつもの何を考えているのか分からない涼しい顔をしていた。だから、
「子供じゃないんだから、はぐれないよ」と、言ったんだけれど、
「敦、ひょろいから」と、おだっちは離さなかった。
なんか、周りの目が気になったけれど、おだっちの優しさだから、僕はそのままにした。
ぶらぶら屋台を見て回って、食べたいものを食べて。ただそれだけだったけれども、夏祭りは子供の頃以来だったし、おだっちと一緒に行けて良かった。そう僕は思っていた。
◇◆◇◆
夏休みも、残り一日。明日から、また学校かと思うと憂鬱だった。家に居ても受験勉強尽くしではあったけれど、学校でガヤガヤ勉強しているより、おだっちと二人で黙々とやっている方がよかった。
「あぁあ、明日からめんどいな……」と、僕が呟いた。
「確かに、めんどいな」と、おだっちも言う。
「でも、濃い夏休みだったわ」と、僕はおだっちに笑いかけながら言った。
「濃い?勉強してただけだろ」
「でもさ、楽しかったじゃん。ま、学校始まっても、一緒に勉強しような」
そう、約束したつもりだったんだけど、次の日、おだっちは登校して来なかった。具合でも悪くなったのかな?と、心配しながら朝のホームルームが始まった。
「今日から二学期です……」と、担任が話し出した。
「それから、みんなに伝えないといけない事があります。急な話ではあるんだけれど、織田君は親御さんのお仕事の都合で、引っ越す事になりました。最後まで、ここに通える方法はないか話し合ってきたんだけれど……」
担任の説明の最後の方は、ほとんど耳に入ってこなかった。
おだっちが、引っ越す?
昨日まで普通に会ってたのに……
おだっちは、引っ越すなんて、そんな大事な事、僕には言わなかった。
そんな素振りすらしなかった。
その日、どうやって過ごしたのかも思い出せない。
帰り道、おだっちの家の前を通ったら、もう引っ越した後で、本当にここにおだっちが住んでいたのかな?と、思うくらい静かだった。
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