12 / 14
吸血鬼×ショタ(微エロ)
吸血鬼ってひどいんです(ショタ視点)
しおりを挟む
目は見えているのに何かを見ることができない。耳も聞こえているのに言葉な気がしない。
ご主人さまの姿だけがはっきり見える。ご主人さまの声だけがしっかり聞こえる。
契約して初めての夜。
僕を左腕に座らせて右手でドアを開けるご主人さま。その動きにも、つかまっている体にも、今からご主人さまの部屋に入るんだってことにもドキドキする。
僕は寝るところだったからパジャマを着てて、ご主人さまがそっとベッドに降ろして布団を掛けてくれる。
「お風呂入ってくるから寝てていいよ」
静かになった部屋。体を起こして見回す。ここがご主人さまの部屋なんだ。何があるかちゃんと見えてるのに、それが何かはうまく考えられない。それでもここにいるってことがすごく幸せ。
もう一度布団に潜ってご主人さまの匂いに包まれる。
でも分かるんだ。ドアの向こうには匂いだけじゃない、本物のご主人さまがいる。ここにはいない。すごく寂しい。
大きくてフカフカのベッドから降りる。冬の布団じゃなくてよかった。夏の掛け布団だから簡単に降りられた。
ドアを開けるとシャワーの音が止まってカーテンが開いた。
「どうした?
待てなかった? もう出るよ」
ご主人さまもぼくがどこにいるのか分かるんだ。
抱きつくとご主人さまが息を止めた。僕の喉あたりに当たってる感じが硬くなっていく。
「……服が濡れちゃうよ」
そっと離されてからご主人さまがバスタオルを巻くまでに見えたそこはぼくのと反対を向いていた。抱きつく前はそんなじゃなかった気がするのに。
パジャマが濡れたからご主人さまが自分のパジャマを着せてくれて、ご主人さまはズボンだけで寝ることになった。冬じゃなくて良かった。ごめんなさい。
体を拭いてる時に見た濡れた背中もドキドキしたけど、ベッドの中で見る体もかっこいい。ほっぺでお腹に触るのって気持ちいい。抱っこや手をつなぐのとは全然ちがう。
こっちを向いてほしいのにご主人さまは仰向けで寝てる。少しでもたくさんくっつきたくて抱きついたら、スネに何かが当たってご主人さまがピクってなった。
熱を測るみたいな手で目隠しをされる。
「早く寝なさい」
慌ててるような困ってるような声。
気になったけど枕をしてくれている腕が逞しくて顔に触れる手が優しくて、舞い上がるような安心するような気持で眠ってしまった。
ぼんやりとご主人さまの苦しそうな息が聞こえる。心配になるはずなのに、起きちゃいけないような全部を見たいような気持になる。
見たいっていうのが僕の気持ちで、起きちゃダメっていうのがご主人さまからの気持ちなんだ。
ぼくたちは結ばれたはずなのに、どうして教えてくれないの?
ぼくはひどい吸血鬼とけいやくしてしまったのかもしれない。
ご主人さまの姿だけがはっきり見える。ご主人さまの声だけがしっかり聞こえる。
契約して初めての夜。
僕を左腕に座らせて右手でドアを開けるご主人さま。その動きにも、つかまっている体にも、今からご主人さまの部屋に入るんだってことにもドキドキする。
僕は寝るところだったからパジャマを着てて、ご主人さまがそっとベッドに降ろして布団を掛けてくれる。
「お風呂入ってくるから寝てていいよ」
静かになった部屋。体を起こして見回す。ここがご主人さまの部屋なんだ。何があるかちゃんと見えてるのに、それが何かはうまく考えられない。それでもここにいるってことがすごく幸せ。
もう一度布団に潜ってご主人さまの匂いに包まれる。
でも分かるんだ。ドアの向こうには匂いだけじゃない、本物のご主人さまがいる。ここにはいない。すごく寂しい。
大きくてフカフカのベッドから降りる。冬の布団じゃなくてよかった。夏の掛け布団だから簡単に降りられた。
ドアを開けるとシャワーの音が止まってカーテンが開いた。
「どうした?
待てなかった? もう出るよ」
ご主人さまもぼくがどこにいるのか分かるんだ。
抱きつくとご主人さまが息を止めた。僕の喉あたりに当たってる感じが硬くなっていく。
「……服が濡れちゃうよ」
そっと離されてからご主人さまがバスタオルを巻くまでに見えたそこはぼくのと反対を向いていた。抱きつく前はそんなじゃなかった気がするのに。
パジャマが濡れたからご主人さまが自分のパジャマを着せてくれて、ご主人さまはズボンだけで寝ることになった。冬じゃなくて良かった。ごめんなさい。
体を拭いてる時に見た濡れた背中もドキドキしたけど、ベッドの中で見る体もかっこいい。ほっぺでお腹に触るのって気持ちいい。抱っこや手をつなぐのとは全然ちがう。
こっちを向いてほしいのにご主人さまは仰向けで寝てる。少しでもたくさんくっつきたくて抱きついたら、スネに何かが当たってご主人さまがピクってなった。
熱を測るみたいな手で目隠しをされる。
「早く寝なさい」
慌ててるような困ってるような声。
気になったけど枕をしてくれている腕が逞しくて顔に触れる手が優しくて、舞い上がるような安心するような気持で眠ってしまった。
ぼんやりとご主人さまの苦しそうな息が聞こえる。心配になるはずなのに、起きちゃいけないような全部を見たいような気持になる。
見たいっていうのが僕の気持ちで、起きちゃダメっていうのがご主人さまからの気持ちなんだ。
ぼくたちは結ばれたはずなのに、どうして教えてくれないの?
ぼくはひどい吸血鬼とけいやくしてしまったのかもしれない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる