魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

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北の森のダンジョン編

第75話 北の森のダンジョンその2

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「嘘だろ。」

「あの一瞬で?」

冒険者パーティーの3人はこの状況が信じられない様だ。


「サラ、少し休憩にするか。」

「そうですね!ここなら丁度良さそうですね。」

ゴブリンたちの死体から距離を置いて、荷物から固焼きパンとお茶のセットを取り出す。
ここで軽食を済ませておこう。
固いパンに悪戦苦闘していると、冒険者パーティーの3人がこちらへ近付いて来た。


「あのぉ、助けてもらって有難う御座いました。」

「いえいえ、お気になさらず。」

「あの一瞬で倒したんですか?」

「そうですよ!」

「もしかして、高ランクの冒険者なんですか?」

「いえいえ、俺たちは冒険者ではないですよ。」

「えっ!」

その後も休憩中に色々と世間話をした。
3人は駆け出しの冒険者パーティーらしい。
腕試しにダンジョンへやって来たが、さっきのゴブリンに苦戦している様では、この先は危険だろう。
彼らも、その点は理解している様で、このまま引き上げるそうだ。
命を落とさないのも優秀な冒険者の条件だよね。


「それじゃあ、俺たちは行きます。」

「助かりました。この先もお気を付けて。」

「そちらも、お気を付けて!」

冒険者パーティーと別れて、先を進んで行く。
さっきの少し大きなゴブリンはゴブリンリーダーと言うらしい。
仲間を呼んだり、指示を出したりと、群れに1体いると厄介な存在らしい。
こちらは銃で真っ先にゴブリンリーダーから倒す事が出来るので、大して厄介でもない。
その後も、弓持ち、盾持ちなど現れるゴブリンの種類が増えたが、難なく進んで行く。
第4階層に進んだが、ここも問題なく順調だ。
ゴブリンの中に魔法を使う奴が現れる様になったのだが、見分け難い以外は特に問題はない。
この階層では何組かの冒険者パーティーが活動していた。
見た目では若手の冒険者が多かった。
トラブルもなく、次の第5階層へと進む。


「前情報の通りだと、この階層で中間地点って所かな?」

「出て来る魔物も弱いので、まだダンジョンは成長してないみたいですね!」

「これなら他の冒険者に先を越されちゃうかもな。」

「むぅ、それは何だか悔しいですね!」

「仕方ないさ。俺たちは本業じゃないし。無理して急いだら危険だからな。」

「分かりました。安全に急ぎましょう!」

急ごうとするサラを落ち着かせて、警戒しつつ進んで行く。
順調に進んでいたのだが、前方が何やら騒がしい。
戦闘しているのか?
進んで行くに連れて、騒がしさは増していく。
金属がぶつかり合う音、魔物の叫び声、人の怒号、それにしても騒がし過ぎる。


「なんだ?大規模な戦闘か?」

「少し先が明るくなってます!」

その先は大きな空間が広がっていた。
至る所で篝火が焚かれ、十分に明るかった。
目に飛び込んだ、その景色はまるで戦場の様だった。
無数のゴブリンが冒険者たちと入り乱れて戦闘を繰り広げている。


「マジかよ。こんな乱戦なんて。」

「さすがに、これは危険ですね!」

目の前の光景に思わずボヤいてしまう。
そんな俺の足元に冒険者のおっさんが転がって来た。


「はぁ、はぁ、お前たちはまだ戦えるか?」

「ええ、でも、この数では。」

「ああ、そうだな。せめて、あのジェネラルさえ何とか出来りゃあな。」

「どれですか?」

「アイツだ。あの鎧を着込んだゴブリンだ。」

おっさんが指差す先には、騎士のように立派な鎧に身を包んだゴブリンが周りを指揮していた。


「アイツを倒せば、勝機があるんですか?」

「指揮官がいなくなりゃあ、敵も総崩れになるだろうさ。」

「分かりました。俺たちがやってみます。」

「師匠!危険では!?」

「このままじゃ、この場の皆が危ない。本当に危ない時は撤退する隙を作るぞ。」

「はい!分かりました!!」

「トラちゃん、アイツまでの道を作ってくれ。その後ろを俺が突っ込む。サラは後方から俺の援護射撃を頼むぞ!」

「任せてください!」

トラちゃんが雷槍を振り回し、突進して行く。
周囲のゴブリンが吹き飛ぶ、その隙間を俺は駆け抜けて行く。
ジェネラルゴブリンも、こちらに気が付いた様で、彼我の間にゴブリンの壁を展開する。
トラちゃんは雷槍をクルクルと回転させる、バチバチと電撃が弾ける音が響く、そして踏み込みと同時に前方へ大きく突きを放った。


バリバリッバリッバリー


ゴブリンの壁に放電された雷撃が広がる。
分厚い肉の壁はバタバタと崩れていく。
それでもジェネラルゴブリンには届かない。
生き残ったゴブリンたちがトラちゃんに群がる。
トラちゃんの突進は止められてしまった。


「そのまま跳べ!トラちゃん!!」

トラちゃんが足裏のブースターを起動させ、群がるゴブリン共々、大きくジャンプした。


「ナイスだ!」

俺はその下を潜り抜け、ジェネラルゴブリンの前へ出た。
驚きの表情を見せるジェネラルゴブリンをケルベロスの銃口が捉える。


「喰らえ!」

ケルベロス・フルファイヤー!
3連砲を同時に発射する。
俺の最大威力の一撃だ。


「グガガ、ゴギャ・・・」

ジェネラルゴブリンの鎧を砕き、腹に風穴を開けた。


「やったぞ!」
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