魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

文字の大きさ
83 / 106
北の森のダンジョン編

第78話 北の森のダンジョンその5

しおりを挟む

第8階層へと進むと、ダンジョンは一変した。


「えっ!森の中?」

「リポポさん、これは。」

「ダンジョンボスが代わったのだと思います。」

恐らくだが、グレートホーンがダンジョンを乗っ取ったって事だろう。


「森では迷わないように気を付けましょう。私が先導します。」

ダンジョン内が森へと変わると、現れる魔物の種類も一変した。
猪や狼の獣系や、蜘蛛や蜂の昆虫系の魔物が多くなった。
森の中は死角が多く、奇襲される危険性が高いのだが、リポポさんの索敵のお陰でその難は避けて進めている。
戦闘でもリポポさんが大活躍している。
細めの長剣で流麗に敵を切り裂いている。
それは素人の俺が見ても分からないのだが、一流の剣士と言っても過言ではないのではないだろうか。


「ふぅ~。この辺りも大丈夫そうですね。」

「そうですね。リポポさんのお陰です。」

「リポポさんの剣技、カッコイイです!」

「いえいえ、そんな事は。」

照れているのか、頭をかいて歩くリポポさん。


「リポポさん、危ない!」

「あ、痛っーーー!」

木の枝に頭をぶつけてしまった。
アレは意外と痛いんだよな。


「んーー。気を付けて行きましょう。」

涙目のリポポさんが言うと説得力があった。

森は足元が悪く歩みが遅くなったが出現する魔物の強さは問題にならなかった。
歩き回り、襲って来る魔物を倒していたので、レベルが上がった。
そして次の階層への境界を発見した。


「次で第9階層ですね!」

「そろそろ最奥かな?」

「いずれにせよ、注意して行きましょう。」

第9階層へと足を踏み入れた。
この階層も森の中になっていた。
しばらく進むとリポポさんが突然立ち止まった。


「むっ、この先から戦闘音が聞こえます。」

「誰かが戦っているんですか?」

「もしくは、魔物同士なのか。どうしますか?迂回して進みますか?」

「少し近付いてみましょう。人の声が聞こえなければ、迂回して進みましょう。」

リポポさんの聴力を頼りに、探りながら進んで行く。
人の声が聞こえるそうなので、戦闘現場へと向かう事にした。


「あの茂みを超えた辺りみたいですね。」

「まずは様子を見ましょう。」

茂みを分けて向こうを覗く。
そこでは冒険者のパーティーと猿の魔物の群れが戦っていた。


「あれは、バトルバブーンですね。武器を奪われてます。厄介ですね。」

バブーン。見た感じ、マントヒヒみたいな猿だな。
剣や槍を器用に使いこなしてやがる。


「師匠、加勢しましょう!」

「そうだな。見過ごすのは後味悪いしな。」

「では、私が武器を奪われた人を援護に行きます。2人は周りの敵を減らして下さい。」

「了解。」

リポポさんが駆け出すと、そのまま背中を向けていたバトルバブーンを斬り捨てる。
その流れのまま剣を持ったバトルバブーンを相手取る。
周りのバトルバブーンは怒りで興奮して飛び跳ねている。


「よし、俺たちも行くぞ。」

「はい!」

こちらに気付いていない奴からドンドンと撃ち抜いていく。


「うおっと!」

横から俺の銃を奪おうとするなんて。


「これは猿には過ぎた玩具だぜ!っとな。」

お仕置きに近距離からケルベロスをお見舞いしてやった。
リポポさんも負傷した冒険者を庇いながら上手く立ち回っている。
それにしても、相手の剣を持ったバトルバブーンもなかなかの腕前だ。
剣技まで猿真似しているのか。
確かに武器を奪われると厄介な奴らだな。


「ふぅ。すまんな、助かったぜ。」

冒険者パーティーのリーダーらしき、おっさんが話しかけてきた。


「いえ、怪我した人は大丈夫ですか?」

「ああ、手持ちの薬で足りそうだ。この先に進むのは無理になっちまったがな。」

「あなた達は、あの乱戦を抜けて進んだのね?」

リポポさんが珍しく冷めた視線を送っている。


「ああ、他のパーティーには悪いと思ったんだがな。アイツが抜けるのを見て、俺たちも便乗したんだよ。」

「アイツって?」

リポポさんはお怒りの様子だ。


「雷鳴だよ。ここまでも一緒に進んでたんだよ。なのに、アイツは裏切りやがった。」

「何があったんですか?」

「この猿の魔物に囲まれたんだよ。そしたらあの野郎、俺の仲間の剣を奪って投げ捨てたんだよ。その剣に群がる猿をすり抜けて、アイツのパーティーだけで先に進みやがった。」

「何それ!非道いです!!」

「俺たちが言えた義理じゃねぇが、アイツは許せねぇぜ。」

「確かに、あなた達が言えた義理ではないわね。」

リポポさん、怖いです。
おっさんもシュンとしちゃったし。


「そ、それじゃあ、俺たちは先へ進みます。」

「お、おう。助けてくれて、ありがとな。」

この先には雷鳴がいるのか。
少なからず因縁を感じてしまうな。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...