一話一分で読める異世界コント

忍者の佐藤

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勇者と女騎士のショートコント2

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女騎士
「ようやくお前も女騎士になる覚悟ができたか」


勇者
「まだ何も言ってねえよ」


女騎士
「だが勇者よ、女騎士には生半可な覚悟ではなれないぞ」


勇者
「いや、だから誰が女騎士になるって言ったんだよ」


女騎士
「そんな『女騎士になりたそうな顔』をしておいて よく言うわ!」


勇者
「どんな顔だよ!」


女騎士
「人相学で言うところの『くっころ顔』というやつだ」


勇者
「アへ顔じゃないのかそれは」


女騎士
「では始めるぞ」


勇者
「勝手に始めんな!」


女騎士
「私がお前に女騎士としての基本をエレクトリカルパレードしてやる」


勇者
「『叩き込んでやる』だろ、どんな言い間違いだ」


女騎士
「ということで女騎士としての基本、それは茶道だ!」


勇者
「今更だけどお前、騎士じゃねえだろ」


女騎士
「何を言ってるんだ。このパーティーには闇魔道士と言う名の料理人や、調合師と言う名のニートや、勇者と言う名のフナムシがいるじゃないか」


勇者
「おい誰がフナムシだ!」


女騎士
「さあ女騎士っぼいお茶の入れかたを学んでもらうぞ」


勇者
「女騎士っぽい入れ方ってどんなんだよ」


女騎士
「『んほお! 茶柱立っちゃううう』みたいな」


勇者
「下品すぎるわ!」


女騎士
「例えばこの茶碗(ちゃわん)が私だとする」


勇者
「……うん」


女騎士
「逆にそこに入っている抹茶(まっちゃ)は私だとする」


勇者
「どっちなんだよ」


女騎士
「どっちも私ではないわ!」


勇者
「残像か!」


——女騎士はいきなり勇者の頬(ほほ)を叩いた!


勇者
「痛っ! 何すんだよ!」


女騎士
「『痛っ!』じゃない! そこは『くっころ!』と言って阿波(あわ)踊(おど)りを踊るところだろう!」


勇者
「闇の儀式(ぎしき)か!」


女騎士
「では私が手本を見せてやるから私の頬を叩け」


勇者
「嫌だ」


女騎士
「なぜ嫌なんだ!」


勇者
「女を叩くのには抵抗がある」


女騎士
「なんだお前、まるで自分が男であるかのような言い方だな」


勇者
「男だよ!」


女騎士
「嘘(うそ)をつけ!」


勇者
「なんで嘘だと思ったんだよ!」


女騎士
「だってお前はあんなに綺麗(きれい)な箸(はし)の持ち方をするじゃないか!」


勇者
「関係ねえだろそんなの!」


女騎士
「色は白いし!」


勇者
「色白の男なんて山ほどいるだろ!」


女騎士
「空は青いし!」


勇者
「急にどうしたんだよ!」


女騎士
「私はここに居るし!」


勇者
「なんの哲学だよ!」


女騎士
「ふん、今日のところはお前が男ということにしておいてやろう」


勇者
「なんで俺の性別が毎日変動するかのような言い方なんだ」


女騎士
「気を取り直して次のレッスンだ」


勇者
「今度はなんだ?」


女騎士
「くっころ踊りだ!」


勇者
「やらねえよ!」


おわり
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