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第一章
01.
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ここはフォルトデリア王国。
土地の多くが森に囲まれ、王宮を中央に、北に青く輝く湖があり、大地と水の女神の加護を得た王国。
主人公はリゼット。16歳。
父が王国の魔導師団の一員で、爵位は男爵。母は父にひとめぼれして結婚したが、リゼットが10歳の頃に亡くなっている。
リゼットは父譲りのダークブラウンの髪と、母譲りのフォレストグリーンの瞳をしている。
人見知りもあり、あまり人間関係に興味がない。
趣味は読書。
そして読書から得た知識を、試してみたい好奇心旺盛な少女。
今日もリゼットの屋敷では、書物で知ったお菓子を作り、婚約者へ披露していた。
リゼットの部屋のオープンテラスにテーブルとソファが用意されている。
3人掛け程のソファに、ゆったり寛ぐのは、婚約者のレオナード・フォルトデリア王子。19歳。
フォルトデリア王国、王位継承第四位のレオナード・フォルトデリア王子。
リゼットは公では「レオナード王子」2人の時は「レオン」と呼んでいる。
婚約は幼少の頃に、国王とリゼットの両親との約束で取り決められた。
父は現国王、母は第三夫人。どちらも美男美女で知られている。
その四男のレオン王子は、母親譲りの金髪を肩まで伸ばし、その瞳は王国の象徴である湖を思い浮かべる深い青をしている。
父親似の高身長と、騎士団長を倒せるほどの剣の腕前を持ち、筋肉がしっかりありつつスマート。
現れただけで世の中の女性を卒倒させるほど……との噂。
リゼット自体は、幼い頃から見慣れているので、それが当たり前の容姿だと思っている。
ちなみに長男から三男もそれぞれ特徴があり、『美男子』は共通事項である。
レオンは洞察力が鋭く、ライオンのようだと例える方もいる。
リゼットにはレトリーバー種のような大型犬の、人懐っこい性格にみてるが、それは親しい距離だからこその姿だろう。
リゼットが18になる歳に、挙式をする予定となっている。
レオンは高等学院を卒業し、騎士団に所属している。遠征も騎士団内の雑務もない日は、ほぼリゼットの家を訪れている。
今日も2人はリゼットの屋敷でのんびりとしている。
「レオン、新しいお菓子を作りましたよ」
「ありがとうリゼット」
屋敷にいるときは、お互い敬称を外した名前で呼びあう。
リゼットはテーブルにお菓子を乗せたお皿を置き、1人がけの椅子に腰掛けた。
その右側に三人がけのソファがあり、レオンがゴロリと寝転んでいる。
「これは美味しそうだな。何という菓子なんだ?」
レオンはソファから身を起こして、テーブルに並ぶお菓子を見る。
「ココアクッキーと言います。隣国から取り寄せたカカオ豆を使用しているんですよ」
レオンはクッキーをつまんで、くんくんと匂いを嗅ぎ、ひと口で頬張った。
「いい匂いだ」
「ありがとうございます。お茶もどうぞ」
レオンの側にハーブティ入りのティーカップを置く。
クッキーはサクサクと音がして、レオンは幸せそうな顔をする。
「リゼットといると、毎日お菓子が食べられて幸せだよ」
「もう、子どもみたいなこと言って…」
リゼットの側仕えも、レオンの側近も、部屋のドアの向こうで待機している。
テラスから離れてはいるが、側近は耳が良いので会話が聞こえていると思う。
「リゼットも隣においで。一緒に食べよう」
「……いえ、わたくしはこちらに」
3人掛けのソファでも、レオンの体格が良いので、2人で座るとぴったりくっつく姿になる。
リゼットは、別の椅子に腰掛けた。
恋愛的な甘い雰囲気というのはなく、レオンがただただお菓子を食べるだけのお茶会。
お菓子はほとんどレオンが食べてしまい、リゼットはそれを見て満足してしまう。
レオンは、婚約者と言われても、幼少期から一緒にいるだけのいわゆる『幼なじみ』の印象が強い。
それに、婚約した直後の事件で、リゼットは人間不信を強くした。
レオンと近い関係になりたくない、でもいずれ夫婦とならなくてはいけない。
リゼットはその日が来ることが怖かった。
また、そのことを思い出して、リゼットは俯いた。レオンはじーっと見つめている。
「大丈夫か?」
リゼットは姿勢を直して、優雅に微笑み返すことにした。
「……何でもありませんわ」
「そうか?……そういえば、リゼットは茶会でサンドローズという名の者を知っているか?」
レオンの口から女性の名前が出てきました。
「……ブランティーヌ・サンドローズ様なら、お茶会で拝見しました。とても美しくて、明るくて素敵な方です」
薄い銀髪でルビーのような赤い瞳をしていて、遠くから見ても人目を惹く。
彼女が笑うとバラが咲いたように、まわりが華やぐ。
「そうか。見たことはあるんだな」
と、胸元から一通の封筒を出して見せた。
「招待状ですか?」
レオン宛の招待状。砂薔薇の紋章が入った羊皮紙には、3日後にお茶会のお誘いをしたいと書いてあった。
「わたくしへは届いていませんが?」
小首を傾げると、レオンはため息混じりに、
「婚約者が同伴もしていいだろう。というか、婚約している者がいるのに、片方だけ招待するのは失礼じゃないか?」
「……え、えーと、そうですけど、でもわたくしは行きたく……っ」
「なぜ?俺はリゼットと行きたい。」
レオンはリゼットを見つめて、手を伸ばした。髪を撫でて、微笑む。
ブランティーヌ様には初対面で失礼なこともなかったし、挨拶もされた。
特に気にかかることもなかったので、招待状は嫌味など含まれていないと思う。
他の、レオンに憧れる女性から、リゼットへの態度のような酷いことはなかったと思う。
酷いことーー僻みや嫌味やらの嫌がらせーーは、小さい頃からレオンのいない時によくあった。
リゼットとレオンの格差もあるし、リゼット自身の内向的な性格や、見た目自体もそれに拍車をかけていた。
なにより、リゼットはそれらをレオンに話さないので、嫌がらせする側も「バレなければ良し」と思っていた。
レオンはリゼットの手を優しく撫でると、にこりと笑った。
「リゼットも予定を開けてくれ。3日後の午後に迎えに行く」
「……かしこまりました」
婚約者、しかも王族の、レオンの頼みは基本的に断れない。
リゼットは覚悟を決めなければならなかった。
レオンは自身の左手を口元に持っていき、小さく呪文を唱えると、空へ振りかざした。
銀の鳥が羽ばたいていく。
行き先は、レオンの執事のところだろうか。これで、お茶会行きはほぼ確定してしまった。
「リゼット、お茶会にどんな素敵なドレスを着てくれるのだ?」
レオンがニヤッと笑う。その顔はいたずらっ子のような顔だ。
「……マノンが良いものを選んでくれるかと」
お茶会や目立つようなことなど、あまり得意ではないリゼットは、言葉を濁す。
正直、レオンのような美男子の横に立つには、リゼットは地味すぎると不安を覚えている。
リゼットの髪はアッシュブラウンで癖が多い髪、読書をしすぎて猫背気味、装飾も好まず、神様へは「目立たずに生きたい」と強くお祈りしている。
側仕えのマノンは、リゼットになんとか標準的な可愛さを指導するが、肝心のリゼットが興味を持たない。
見た目だけは完璧に仕上げてくれるだろう。
レオンはそれを想像し、キラキラと目を輝かせた。
「マノンの努力を期待してる!」
(本当に期待されてる……!)
リゼットはにっこり笑うのが精いっぱいだった。
土地の多くが森に囲まれ、王宮を中央に、北に青く輝く湖があり、大地と水の女神の加護を得た王国。
主人公はリゼット。16歳。
父が王国の魔導師団の一員で、爵位は男爵。母は父にひとめぼれして結婚したが、リゼットが10歳の頃に亡くなっている。
リゼットは父譲りのダークブラウンの髪と、母譲りのフォレストグリーンの瞳をしている。
人見知りもあり、あまり人間関係に興味がない。
趣味は読書。
そして読書から得た知識を、試してみたい好奇心旺盛な少女。
今日もリゼットの屋敷では、書物で知ったお菓子を作り、婚約者へ披露していた。
リゼットの部屋のオープンテラスにテーブルとソファが用意されている。
3人掛け程のソファに、ゆったり寛ぐのは、婚約者のレオナード・フォルトデリア王子。19歳。
フォルトデリア王国、王位継承第四位のレオナード・フォルトデリア王子。
リゼットは公では「レオナード王子」2人の時は「レオン」と呼んでいる。
婚約は幼少の頃に、国王とリゼットの両親との約束で取り決められた。
父は現国王、母は第三夫人。どちらも美男美女で知られている。
その四男のレオン王子は、母親譲りの金髪を肩まで伸ばし、その瞳は王国の象徴である湖を思い浮かべる深い青をしている。
父親似の高身長と、騎士団長を倒せるほどの剣の腕前を持ち、筋肉がしっかりありつつスマート。
現れただけで世の中の女性を卒倒させるほど……との噂。
リゼット自体は、幼い頃から見慣れているので、それが当たり前の容姿だと思っている。
ちなみに長男から三男もそれぞれ特徴があり、『美男子』は共通事項である。
レオンは洞察力が鋭く、ライオンのようだと例える方もいる。
リゼットにはレトリーバー種のような大型犬の、人懐っこい性格にみてるが、それは親しい距離だからこその姿だろう。
リゼットが18になる歳に、挙式をする予定となっている。
レオンは高等学院を卒業し、騎士団に所属している。遠征も騎士団内の雑務もない日は、ほぼリゼットの家を訪れている。
今日も2人はリゼットの屋敷でのんびりとしている。
「レオン、新しいお菓子を作りましたよ」
「ありがとうリゼット」
屋敷にいるときは、お互い敬称を外した名前で呼びあう。
リゼットはテーブルにお菓子を乗せたお皿を置き、1人がけの椅子に腰掛けた。
その右側に三人がけのソファがあり、レオンがゴロリと寝転んでいる。
「これは美味しそうだな。何という菓子なんだ?」
レオンはソファから身を起こして、テーブルに並ぶお菓子を見る。
「ココアクッキーと言います。隣国から取り寄せたカカオ豆を使用しているんですよ」
レオンはクッキーをつまんで、くんくんと匂いを嗅ぎ、ひと口で頬張った。
「いい匂いだ」
「ありがとうございます。お茶もどうぞ」
レオンの側にハーブティ入りのティーカップを置く。
クッキーはサクサクと音がして、レオンは幸せそうな顔をする。
「リゼットといると、毎日お菓子が食べられて幸せだよ」
「もう、子どもみたいなこと言って…」
リゼットの側仕えも、レオンの側近も、部屋のドアの向こうで待機している。
テラスから離れてはいるが、側近は耳が良いので会話が聞こえていると思う。
「リゼットも隣においで。一緒に食べよう」
「……いえ、わたくしはこちらに」
3人掛けのソファでも、レオンの体格が良いので、2人で座るとぴったりくっつく姿になる。
リゼットは、別の椅子に腰掛けた。
恋愛的な甘い雰囲気というのはなく、レオンがただただお菓子を食べるだけのお茶会。
お菓子はほとんどレオンが食べてしまい、リゼットはそれを見て満足してしまう。
レオンは、婚約者と言われても、幼少期から一緒にいるだけのいわゆる『幼なじみ』の印象が強い。
それに、婚約した直後の事件で、リゼットは人間不信を強くした。
レオンと近い関係になりたくない、でもいずれ夫婦とならなくてはいけない。
リゼットはその日が来ることが怖かった。
また、そのことを思い出して、リゼットは俯いた。レオンはじーっと見つめている。
「大丈夫か?」
リゼットは姿勢を直して、優雅に微笑み返すことにした。
「……何でもありませんわ」
「そうか?……そういえば、リゼットは茶会でサンドローズという名の者を知っているか?」
レオンの口から女性の名前が出てきました。
「……ブランティーヌ・サンドローズ様なら、お茶会で拝見しました。とても美しくて、明るくて素敵な方です」
薄い銀髪でルビーのような赤い瞳をしていて、遠くから見ても人目を惹く。
彼女が笑うとバラが咲いたように、まわりが華やぐ。
「そうか。見たことはあるんだな」
と、胸元から一通の封筒を出して見せた。
「招待状ですか?」
レオン宛の招待状。砂薔薇の紋章が入った羊皮紙には、3日後にお茶会のお誘いをしたいと書いてあった。
「わたくしへは届いていませんが?」
小首を傾げると、レオンはため息混じりに、
「婚約者が同伴もしていいだろう。というか、婚約している者がいるのに、片方だけ招待するのは失礼じゃないか?」
「……え、えーと、そうですけど、でもわたくしは行きたく……っ」
「なぜ?俺はリゼットと行きたい。」
レオンはリゼットを見つめて、手を伸ばした。髪を撫でて、微笑む。
ブランティーヌ様には初対面で失礼なこともなかったし、挨拶もされた。
特に気にかかることもなかったので、招待状は嫌味など含まれていないと思う。
他の、レオンに憧れる女性から、リゼットへの態度のような酷いことはなかったと思う。
酷いことーー僻みや嫌味やらの嫌がらせーーは、小さい頃からレオンのいない時によくあった。
リゼットとレオンの格差もあるし、リゼット自身の内向的な性格や、見た目自体もそれに拍車をかけていた。
なにより、リゼットはそれらをレオンに話さないので、嫌がらせする側も「バレなければ良し」と思っていた。
レオンはリゼットの手を優しく撫でると、にこりと笑った。
「リゼットも予定を開けてくれ。3日後の午後に迎えに行く」
「……かしこまりました」
婚約者、しかも王族の、レオンの頼みは基本的に断れない。
リゼットは覚悟を決めなければならなかった。
レオンは自身の左手を口元に持っていき、小さく呪文を唱えると、空へ振りかざした。
銀の鳥が羽ばたいていく。
行き先は、レオンの執事のところだろうか。これで、お茶会行きはほぼ確定してしまった。
「リゼット、お茶会にどんな素敵なドレスを着てくれるのだ?」
レオンがニヤッと笑う。その顔はいたずらっ子のような顔だ。
「……マノンが良いものを選んでくれるかと」
お茶会や目立つようなことなど、あまり得意ではないリゼットは、言葉を濁す。
正直、レオンのような美男子の横に立つには、リゼットは地味すぎると不安を覚えている。
リゼットの髪はアッシュブラウンで癖が多い髪、読書をしすぎて猫背気味、装飾も好まず、神様へは「目立たずに生きたい」と強くお祈りしている。
側仕えのマノンは、リゼットになんとか標準的な可愛さを指導するが、肝心のリゼットが興味を持たない。
見た目だけは完璧に仕上げてくれるだろう。
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