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最終章
元の世界に戻ったようです3
しおりを挟む及川君の真剣な告白が辛い。
やっぱり私は、、、、
「ごめん。私及川君の気持ちに答えられない」
私はそう言ってお金を机の上に置いて、及川くんを見ずに店を出た。
心の中では引き留められるかな、なんて思っていたけれど残念ながら私の妄想だったようだ。
そんな及川君からの告白から1週間後。
今度はもう会うこともないと思っていた翔から会いたいと連絡が来た。
正直、会う理由も話すこともないけれど、こういう風に翔から誘われるのは初めてだったのでつい返事を返してしまった。
会うのはいつものように週末土曜日朝の翔の家。
慣れた手つきで玄関を鳴らすと、すぐに翔が出迎えてくれた。
でもその姿はあの日の面影はなく、ボサボサの頭にやつれた頬に無精髭。ヨレたTシャツと短パン。
本当の引きこもりになってしまったと、瞬時にわかってしまった。
お互い無言のままリビングに案内される。
リビングは以前の姿をすっかり無くし、ソファー以外の場所はすべてゴミや洗濯物が散らかっていて、カーテンは閉めきりのまま。
籠った、何とも言えない匂いが鼻についたのでまず窓を開けてしまった。
あまりの変わりように言葉を失っていたが、流石にこの部屋で話を聞きたくもない。
「翔、何があったか知らないけど流石にこの部屋で話はしたくない。とりあえず片付けさせて」
私はイライラしながら、慣れた手付きで部屋を片付け始めた。
昔は翔の家を掃除することも、世話することも何も疑問を抱かなかったのに。
今は嫌悪感があるし、いい加減自分で出来るようになって欲しい。
っていうか、彼女出来たんでしょ?
自分で出来ないなら、呼んでやってもらいなさいよ!
あ、こんな自分見せたくないとか?
色々と考えながらも、凄いスピードでゴミと洗濯物を分ける。
ある程度洗濯が溜まったら、使い慣れた洗濯機をまわす。
ゴミも分別しながらゴミ袋にどんどん放り投げる。
ある程度床が見え始めたら、掃除機をかける。
そして洗濯物を干し終わると、やっと前のようなリビングに戻った。
少し疲れたな、と思い時計を見るともう12時を回っていた。
結局家に来てから一言も話さず、いつもみたいに掃除をしただけ。
翔はその間ゲームもせずに、ただ私の姿を目で追っているだけだった。
何か作るかと思い、冷蔵庫を開けると案の定何もない。
けれど、私があの日作ったご飯達はキレイに片付けられて食器も洗われていた。
とりあえず買い物に行こうと思い、鞄をもって部屋を出ようとするとあの日と同じように翔に腕を掴まれた。
「どこ行くの?」
子犬みたいな瞳にか細い声。目の前にいるのは本当に翔?
「冷蔵庫何もないし、スーパー行こうと思って」
「俺も行く」
「その格好で?すぐ帰ってくるから待ってて」
「嫌だ」
「でもお腹すいたし、、、」
「何か頼めばいい」
「今日は届くまで時間がかかるし、買い物行って作った方が早いって」
「出ていったら戻ってこないんだろ?」
なぜか翔の話の方向がずれている。
「そんなに気になるなら身だしなみ整えて一緒来ればいいじゃん」
「わかった」
翔はそういうとリビングを出ていく。
しばらくすると服を着替え、髭を剃り、伸びた髪の毛をワックスで整えた翔がでてきた。
ほら、身だしなみを整えれば爽やか系のイケメンなのに。
なぜか急に駄々っ子になった翔を連れて近所のスーパーに行った。
そういえばいつも一人で買い物に来てたのに、今日は翔がいるせいかちょっと新鮮。
それに翔がカゴを持ってくれているせいか、カップルみたいな気分になる。
もう少し早く一緒に買い物に来たかった、、、
荷物を手分けして持ちながら、他愛ない会話をして翔の家に戻る。
家に着いた時にはもう最初の時みたいな雰囲気はなく、前みたいなけれどどこかくすぐったい甘い雰囲気になっていた。
あれ、私絆されてる、、、?
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