意味が分かると怖い話まとめ 一気見 【解説付き】

海月

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深夜の訪問者

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学生時代、俺が住んでいたアパートは古い建物だったが、ドアの鍵だけはやたらとハイテクでテンキー式だった。

普通の鍵と違って便利そうだと思ったが、今思えばそれが恐怖の元になるとは考えもしなかった。

その夜、時刻は午前3時。俺は眠ることもせず、部屋の中で漫画を読んでいた。

静まり返った深夜の空気に包まれ、物語の世界に没頭していたそのとき、突然「ガチャガチャ」という音が聞こえた。

音のする方を見やると、それは玄関のドアノブからだった。

誰かが外からドアを開けようとしている音だ。一瞬で全身が硬直し、心臓がドクドクと脈打つのを感じた。

「まさか泥棒か?」

そう思ったが、すぐに「いや、大丈夫。鍵はかかっている」と自分に言い聞かせた。

しかしその安心も束の間、次に聞こえたのは「ピッ、ピッ」という電子音。テンキーの暗証番号を入力する音だ。その瞬間、血の気が引いた。

普通なら暗証番号を知らなければロックは解除されない。

だが、問題はその当時の俺のテンキーの設定にあった。いじってはいけない設定を変えてしまい、なんと「E」というパネルを押すだけでロックが解除される状態になっていたのだ。

そして、その相手はどうやら適当に番号を押しているだけのようだったが――ついに「E」を押してしまった。

「カチッ」という音とともに、ドアのロックが解除される。全身が凍りつく感覚に襲われた。「終わった」と思った。

しかし、そのとき奇跡的に助かったのは、普段ほとんどかけることのないチェーンをその夜に限ってかけていたことだ。ドアがわずかに開いたものの、チェーンがあるおかげで完全には開かない。

だが、安心する暇もなく、相手はドアを無理やり開けようとして「ガンガン!」と激しく叩き始めた。

その音が3分ほど続く。心臓の音が耳の中で爆音のように響き、俺は何もできずに固まっていた。やがて、叩く音がピタリと止んだ。そして、それ以降何も聞こえなくなった。

静寂が訪れ、恐る恐るドアに近づく。チェーンを外し、ゆっくりとドアを開けると、そこには誰もいなかった。

廊下を見渡しても、人気はない。あのドアを無理やり開けようとしていた奴は、一体どこへ行ったのだろうか? 

不安になってすぐに暗証番号の事情を知っている友人に連絡を取ったが、部屋には来ていないし深夜だったので怒られた。

一番不可解だったのは、普段なら廊下を歩く足音がよく聞こえるのに、その時だけ足音が全くしなかったことだ。










【解説】
足音が聞こえなかったので、訪問者は帰っていない。
⇒ドアを開けて友達に電話をしている時に中に入られた?

友達!!早く助けに来て!!
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