意味が分かると怖い話まとめ 一気見 【解説付き】

海月

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ヘッドホン

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さっき、2万4千円もしたヘッドホンが突然壊れた。

音楽を大音量で聴きすぎたせいか、急に

「プチッ」

と小さな音がして、全く音が出なくなった。

壊れる瞬間はあまりにも唐突で、しばらくはそれを理解するのに時間がかかったが、

すぐに怒りが湧いてきた。ヘッドホンの壊れ方があまりにも納得できなかった。あんなに高かったのに、何でこんなタイミングで壊れるんだと。

怒りのあまり、勢いでテレビを床に落としてしまった。

普段ならこんなことしないのに。

壊れたヘッドホンに腹が立って、気づいたときにはもうテレビが床に転がっていた。

振動が床を伝わってきた。その瞬間、ちょっと冷静さを取り戻した自分がいた。

「何やってるんだ、俺は……」

慌ててテレビを拾い上げると、その重さと高級感が改めて感じられる。

思わず手を止めて考えてしまった。

「15万円もしたテレビだぞ、これ。」

そんなに簡単に壊れてほしくない。最初に買ったときのことを思い出す。店員にすすめられて、少し高いけれど、画質がすごいと言われて手に入れたあのテレビだ。それが、こんなことになるなんて。

幸いにも、落とした場所には布団が敷いてあったため、床に直接落ちたわけではない。

音も大きくは聞こえなかったので、壊れたとは考えにくいとは思ったが、万が一を考えて慎重にテレビの電源を入れてみることにした。テレビの画面に映像は映ったが、音が全く出ない。音量を最大にしてみても、無音のままだ。

「最悪だ……」

呆然とテレビを見つめていると、急に頭の中が真っ白になった。

せっかく買った高級テレビが壊れたかと思うと、どうしても納得がいかない。

こんなことで壊れるなんて思わなかったし、これからどうすればいいんだろうと考えると、急に気分が落ち込んできた。

それにしても、今日は外がやけに静かだ。

普段なら車の音や人の話し声が聞こえる時間帯なのに、なんだか異常なほど静まり返っている。

「こんな時こそ、気晴らしにでも出かけるべきだな」

自分を少しでも楽にさせたくて、散歩に出ることに決めた。

何もかもがうまくいかない日って、外に出てみると意外と気分が変わることがある。

冷たい空気が気分をリフレッシュさせてくれるかもしれないし、外の風景を眺めているうちに、嫌なことが少しでも忘れられるかもしれない。

そう考え、テレビを見捨てるわけにはいかないが、ちょっと外に出てみようと思った。

ドアを開けると、外の冷たい空気が肌を刺す。街は確かに静かだ。

歩きながら、今日のことが少しずつ気にならなくなってきた。最悪な一日が、少しだけでも落ち着いてきたような気がした。









【解説】
壊れてしまったのは主人公の耳。

それにしても、鼓膜が破れて痛みなどはないのだろうか。
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