ルミナスハーツ 〜おひざのうえの秘密結社〜【完結】

雨音 優

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第十一章:ひみつの交換ノート

第二節:ノートに書いた、本当の気持ち

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    その日の夜、ふかふか本部のクッションの上で、  レインはそっとノートを開いた。

 そこには、ユウキのまあるい字で、こんな文章が綴られていた。

---

> レインへ  

> 今日は、ちょっと元気なかったよね。  

> 何も聞けなかったけど、そばにいられてよかった。  

> 本当は「大丈夫?」って声に出したかったけど、  レインの顔を見てたら、うまく言葉が出なくて。  

> でも、僕はレインがどんな気持ちでも、  

> そばにいたいと思ってるよ。  

> ……もし、レインも“言えなかった気持ち”があったら、   このノートにこっそり書いてみてね。  

> 小太鼓よりも、やさしく届くように――  

> ユウキより

---

 レインはそっと指先でページをなぞって、  

 少しだけ、胸の奥があたたかくなるのを感じた。

「……なんだろ、声に出してもらうより、  

 こうして“読ませてもらう”ほうが、心にしみるかも……」

 ゆっくりと、ページをめくり、裏側に自分の字で書き始める。

---

> ユウキへ    

> 今日、なにがあったってわけじゃないけど、  

> なんとなく、自分に自信がもてなかった。  

> でも、ユウキがそばにいてくれたこと、  

> ちゃんと伝えたかった。  

> ありがとう。ユウキがいると、わたしの世界は  

> 少しだけ、やさしくなれる気がする。  

> このノート、大切にしようね。  

> レインより

---

 レインはページを閉じて、そっとノートをクッションの真ん中に置いた。  

 その上に小さなリボンを結んで、  

 “伝えました”の合図にする。
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