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31 呼び方
しおりを挟む「ぎゃあああーーっ!!し、死神と悪魔だ!!」
男は路地裏に走って逃げて行く
「ハルトはあっちからまわって、僕はこっちからあの人を追いかけるから!」
「分かりましたっ!」
僕達は盗賊の逃げ出した1人を追っていた
「待てっ!」
「待てと言われて誰が待つかっ!!」
男が叫ぶとスピードを上げた
この路地を抜けられると大通りに出てしまう
人混みの中に紛れ込まれると厄介だな、早く捕まえなきゃ
そう思って追っていると建物の上から人影が…
「逃がさない」
ハルトが男の前で着地する
「うわぁ!?」
「ハルトっ!?」
男は驚き、そのまま転んでしまう
まさかハルトが上から来るとは思わなかった
僕達は流れるように男を捕まえた
「よしっ!縄で縛ったしこれで逃げられないね。僕、騎士さん達にこの事報告してくるからハルトはこの人の事見張っててくれる?」
「はいっ!もちろんです。見ていますのでどうぞゆっくり報告してきて下さいヒスイ様」
「う、うん。じゃあ報告して来るからちょっと待っててね」
「行ってらっしゃいませ!」
僕はハルトの声を背に騎士の所へと向かう
僕はハルトと出会った日のことを思い出す
何故ハルトから様付け呼びをされているのかと言うと…
「タオルと服ありがとうございますヒスイ様!」
「んっ!?えと、タオルと服はマスターが用意してくれたからお礼はマスターに言ってあげて…え~とっ、その聞きたいことがあるんだけどいい?」
「はいっ!なんでも聞いてくださいヒスイ様」
「う、うん。それじゃあその、ハルト君はなんで僕のこと様付けなの?」
「え?ヒスイ様はヒスイ様だからですよ?あっ、それと俺のことはハルトって呼んで下さいヒスイ様!」
「えと、ハルト?僕のこともヒスイでいいよ?」
「いえ、ヒスイ様はヒスイ様なので!」
「いや、でも…」
と話すこと数分…僕が折れた
そして僕はハルトと呼び、ハルトは僕のことをヒスイ様と呼ぶようになった
後でマスターが言うには獣人は忠誠心が厚く、一度主人と決めると主人を敬愛し、護るのだそうだ
様付け呼びはそれに関係しているのではないかと言うことらしい
まぁ、ハルトが好きでしているのならいいけど…
そんなことを思いながら、僕は騎士さん達がいる所まで走るのだった
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