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夜と先輩4
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コンビニの中は寒いくらいに冷房が効いていた。一応長袖のTシャツを着ていたが、それでも寒い。店員は半そでだし、寒くないのだろうか。
こんな寒いとアイスを選ぶにもちょっと戸惑ってしまう。あまり食べたい気が起こらないから。
かごを持ってまずは雑誌コーナーへといく。昨日発売された雑誌をかごに入れ、アイスコーナーへ。100円のアイスを適当に5個ほどかごに入れ、棚に入っているもう一つのアイスコーナーへ行く。
やっぱり高いアイスの方がおいしいからね。
高いアイスも色んな味があるが、バニラとストロベリーだけを5個ずつ買うことにした。やっぱり普通が一番うまい。でもそれじゃあ母親に悪いかなと思って母親の一番好きな抹茶も、1個だけ買う。
アイスを見ていたせいで体が震える。なにか暖かいものでも買おうと思ってレジ付近にあるホットドリンクコーナーへ。
何にしようか迷っていると、後ろに人の気配を感じた。
俺と同じでコンビニの寒さにやられたのだろうか。
となると迷っている暇はない。レモネードを手に取ろうとしたとき、ふわりと鼻を掠めるムスクの匂い。
一瞬にして体に緊張が走る。それも無意識に。
「やっぱりお前か」
「せ、んぱ……」
「こんな暑いのに何あったかい飲み物買おうとしてんだよ」
俺の顔を覗いて手に取る直前だったレモネードを先輩が取る。
学校以外で会うのは初めてだった。
どうして会いたくない人に会わなきゃならないんだ。俺の偶然はこの上なく最悪なことばかりだ。
「トーノの友達?」
先輩の決して細くはない背中から、ひょいと、茶色い巻髪のかわいい女の子が顔を出した。見たことがない。校門前で先輩を待っている女の子はころころ変わっているからどれが本命なのかも分からないけど、この人は彼女なんだろうか。
「友達じゃなくて後輩ー」
「へー。こんばんは」
「こ、こんばんは……」
笑顔がとてもかわいい人、ぺこりと頭を下げた。
こんなかわいい彼女がいるなら、本当にもう俺に手は出してこないな。
こんなプライベートな時間のときまで先輩に会いたくなかったが、それでもこの存在を目の前にして俺はほっとすることが出来たからよかったと思った。
「彼女さんですか? かわいいですね」
だからこんなこともすらっと言えて。
「うーん、彼女?」
「彼女さんでーす!」
悩む先輩をよそ目に女の子は先輩の腕に絡むように寄り添い、嬉しそうに俺に言った。
先輩は肯定も否定もしなかったし、女の子を跳ね除けることもしなかった。
「つか、お前かーちゃん待ってんだろ。早く帰りなよ」
「あ、そだね。じゃーね、後輩君。また電話するよ、トーノ」
「さよなら……」
「気をつけてなー」
先輩に促され彼女さんは帰っていった。コンビニの外をみると黒いワンボックスカーに乗り込んだのが見えて、なるほどと思った。親が迎えに来ていたのか。
先輩の彼女さんはかわいいだけじゃなく元気も愛想もいい女の子だと思った。とても先輩にあっていると思う。
あ、でも先輩にはちょっともったいないかな。彼女さんは性格もよさそうだったから。
こんな寒いとアイスを選ぶにもちょっと戸惑ってしまう。あまり食べたい気が起こらないから。
かごを持ってまずは雑誌コーナーへといく。昨日発売された雑誌をかごに入れ、アイスコーナーへ。100円のアイスを適当に5個ほどかごに入れ、棚に入っているもう一つのアイスコーナーへ行く。
やっぱり高いアイスの方がおいしいからね。
高いアイスも色んな味があるが、バニラとストロベリーだけを5個ずつ買うことにした。やっぱり普通が一番うまい。でもそれじゃあ母親に悪いかなと思って母親の一番好きな抹茶も、1個だけ買う。
アイスを見ていたせいで体が震える。なにか暖かいものでも買おうと思ってレジ付近にあるホットドリンクコーナーへ。
何にしようか迷っていると、後ろに人の気配を感じた。
俺と同じでコンビニの寒さにやられたのだろうか。
となると迷っている暇はない。レモネードを手に取ろうとしたとき、ふわりと鼻を掠めるムスクの匂い。
一瞬にして体に緊張が走る。それも無意識に。
「やっぱりお前か」
「せ、んぱ……」
「こんな暑いのに何あったかい飲み物買おうとしてんだよ」
俺の顔を覗いて手に取る直前だったレモネードを先輩が取る。
学校以外で会うのは初めてだった。
どうして会いたくない人に会わなきゃならないんだ。俺の偶然はこの上なく最悪なことばかりだ。
「トーノの友達?」
先輩の決して細くはない背中から、ひょいと、茶色い巻髪のかわいい女の子が顔を出した。見たことがない。校門前で先輩を待っている女の子はころころ変わっているからどれが本命なのかも分からないけど、この人は彼女なんだろうか。
「友達じゃなくて後輩ー」
「へー。こんばんは」
「こ、こんばんは……」
笑顔がとてもかわいい人、ぺこりと頭を下げた。
こんなかわいい彼女がいるなら、本当にもう俺に手は出してこないな。
こんなプライベートな時間のときまで先輩に会いたくなかったが、それでもこの存在を目の前にして俺はほっとすることが出来たからよかったと思った。
「彼女さんですか? かわいいですね」
だからこんなこともすらっと言えて。
「うーん、彼女?」
「彼女さんでーす!」
悩む先輩をよそ目に女の子は先輩の腕に絡むように寄り添い、嬉しそうに俺に言った。
先輩は肯定も否定もしなかったし、女の子を跳ね除けることもしなかった。
「つか、お前かーちゃん待ってんだろ。早く帰りなよ」
「あ、そだね。じゃーね、後輩君。また電話するよ、トーノ」
「さよなら……」
「気をつけてなー」
先輩に促され彼女さんは帰っていった。コンビニの外をみると黒いワンボックスカーに乗り込んだのが見えて、なるほどと思った。親が迎えに来ていたのか。
先輩の彼女さんはかわいいだけじゃなく元気も愛想もいい女の子だと思った。とても先輩にあっていると思う。
あ、でも先輩にはちょっともったいないかな。彼女さんは性格もよさそうだったから。
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