3 / 22
一章 或る少女の見解
史岐からの依頼
しおりを挟む
美しい純白の花が、いくつも利玖の周りに落ちている。毛羽立ちの少ないレース糸で編まれた、作りものの花だ。一つ一つは指の先に乗るほど小さい。
洋間の扉が開いて、母・佐倉川真波が顔を覗かせた。
「あら、まあ。ずいぶん増えたわね」
利玖は手元から目を上げずに頷く。綺麗な形に仕上げるには、編み目の数を間違えないように糸を結び合わせていく必要があるのだが、途中で会話をしたりして気が逸れると、いくつ編み目を作ったのか、わからなくなってしまう。
教えた側である真波も、それはよくわかっているようで、利玖の返事がないのを気にする様子もなく足元の花を拾っている。
「難しい模様も編めるようになったわねえ。これ、何個か繋げたらコースターに出来るかしら」
「それと同じ物なら、あと三個ほど転がっていると思います。それに……、はい、今もう一個増えました。どうぞ使ってください」
鋏で糸の始末をして、利玖は出来上がった花を母に渡した。
幾何学模様を作り上げるのが楽しくて、つい黙々と編んでしまうのだが、完成した時点でそれ以上どうこうしようという気をなくしてしまうので、編み上げた花はすべて母に渡していた。利玖には使い道のない花も、真波の手にかかると、イヤリングやペンダント、小窓のカーテンの縁飾りなどといった役割を与えられる。
上機嫌でレースの花を拾い集めている母は、よそ行きの格好をしていた。午後から友達に会いに外出するのだという。
何気なく、母の手元を見た利玖は、そこに固定電話の子機が握られている事に気づいた。
「お母さん、それ……」
「え?」
「ボタンが光っていますが、どこかに繋がっているのではないですか?」
真波は、きょとんとした顔で子機を見て「あら、いやだ」と言った。
「これを渡しに来たのに、忘れていたわ。熊野君って男の子からよ」
一瞬、声が出なかった。
どうして実家の電話番号を知っているのか、と思ったが、先月、縞狩高原から自宅まで送り届けてもらう時、何かあった時の緊急連絡先としてこの番号を教えていた事を思い出した。
「……はい」
保留を解除して電話に出ると、受話器越しに大きく安堵の息をつくのが聞こえた。
『あ、利玖ちゃん? よかった、保留が長かったから、何かまずい事になってるのかと』
「その分、あとでわたしが根掘り葉掘り訊かれるんです」
真波は、両手いっぱいにレースの花を持って、意味ありげに含み笑いをしながら洋間を出て行った。
利玖は利き手と反対側に子機を持ち替える。
「どうして、わざわざこちらに掛けてこられたんです?」
『スマートフォンの方に掛けたけど繋がらなかったんだよ。前に、しばらく実家に帰るって聞いてたし……。利玖ちゃん、今、どこにスマートフォン置いてるの?』
「そんなの、手元に──」
明け方まで読んでいた本の山に手を伸ばす。その付近に置いていたはずだと思ったが、見当たらなかった。
利玖は子機を持ったまま洋間を出た。
昨日の昼食の後、近くを散歩していると、木陰で涼んでいるシャム猫を見つけた。綺麗な毛並みをしていたし、首輪も付けていたので、どこかの家で飼われている猫が逃げ出したのかもしれないと思ってスマートフォンで写真を撮った。だから、少なくとも昨日の昼には、きちんと持ち歩いていた事になる。
その後、本を借りる為に自転車で村営の図書館に行った。家の書庫にある本は、曾祖父が集めた物で、分野が学術書に偏っている。文学作品などはほとんど置かれていない。
「せっかくの夏休みなんだから一度くらい帰っていらっしゃい」と真波に言われ、兄妹揃って帰省したものの、利玖には兄と違って大した用事があるわけでもなく、暇を持て余して真波からレース編みを教わったりしているうちに、最近、村営の図書館が改装されて蔵書も増えたらしい、という話を耳にした。それで、早速赴いたという訳である。
戦果は上々だった。
昔、途中で読むのをやめてしまったシリーズものなどを全巻借りたりすると、これが中々面白い。小学生の頃には、難解で読みづらく感じた話でも、この年頃になるとすんなりと胸に落ちたりする。
そういう理由で、図書館から帰って来た利玖は、ソファに寝そべって本を読む事が出来る洋間に引きこもって、ろくに家族の前に顔も出さなかったが、二十時前になっても出てこない娘に業を煮やした真波に「せめて食事ぐらいきちんと取りなさい」と注意されて、渋々、食事と入浴を済ませた。
その際、洋間からスマートフォンを持ち出した記憶はないのだが、念の為、風呂場の脱衣所と食事をした居間を回ってみた。その間、史岐は受話器の向こうで、黙って利玖の返事を待っていた。
居間を見回して、ふと、リモコンラックの辺りに違和感を覚え、近づいてみると、そこにスマートフォンが立ててあった。
そういえば、洋間から出てきた時間が遅かったせいで、夕食を取った時には居間に誰もいなかったから、バックグラウンド・ミュージック代わりに適当な番組を流していた気がする。バッテリーはとっくに尽きていた。
「……すみません。今、見つけました」スマートフォンを拾って、利玖は再び洋間に戻る。「通話が長引いていますね。一度切って、こちらから掛け直しましょうか?」
『ううん、大丈夫。ちょっとお願いしたい事があったから』
「そうですか。何でしょう?」
つかの間、躊躇うような気配が動いたが、史岐は、きっぱりとした声で言った。
『利玖ちゃんの家の書庫に立ち入る許可をもらえないかな』
思わず足が止まった。
平静でいなければ、という思いが体を駆け巡ったが、息をするのも苦しいほど全身が緊張するのを抑えられなかった。
夏休み中は、集中講義や、各々の友人と遊びに行く予定もあるので、間隔はやや間遠になっていたものの、今でも史岐とは時々外で会っていた。
相変わらず、話題は取るに足らない世間話ばかりで、この人は、本当に佐倉川家の書庫には興味がないのかもしれない、と思い始めていた矢先の事だった。
八月、雨の縞狩高原で、二人だけで過ごした刹那の思い出が蘇った。
暗い部屋。
フリント式ライターの鑢の感触。
重なった指。
その後の事。
「……わたしの、一存では」
ようやく声が出たが、言葉が続かない。
史岐は『もちろんだ』と力強く言った。
『利玖ちゃん一人に決めてもらおうだなんて思っていない。これから話す事は全部、匠さんや、ご両親にも明かしてくれて構わない』
史岐の依頼は、大学の友人が怪奇現象に悩まされており、その解決策を調べる為に佐倉川家の書庫の力を借りたい、という内容だった。
怪異や、それを引き起こす妖の中には、語られ、伝播するだけで力を得るものが存在する。そういった事を警戒して、依頼を受けるかどうか決めかねている今の段階では、必要最小限の情報を与えるだけにとどめてくれたのかもしれない。
(史岐さん自身が、書庫を使いたいと言っているわけではない……)
単純な話だが、そう思っただけで緊張が和らいだ。
件の友人は今、史岐と一緒にいるらしい。
詳しく話を聞かせてほしいので、今からこちらに来てもらう事は可能か、と問うと、すぐに出発するとの答えが返って来た。
洋間の扉が開いて、母・佐倉川真波が顔を覗かせた。
「あら、まあ。ずいぶん増えたわね」
利玖は手元から目を上げずに頷く。綺麗な形に仕上げるには、編み目の数を間違えないように糸を結び合わせていく必要があるのだが、途中で会話をしたりして気が逸れると、いくつ編み目を作ったのか、わからなくなってしまう。
教えた側である真波も、それはよくわかっているようで、利玖の返事がないのを気にする様子もなく足元の花を拾っている。
「難しい模様も編めるようになったわねえ。これ、何個か繋げたらコースターに出来るかしら」
「それと同じ物なら、あと三個ほど転がっていると思います。それに……、はい、今もう一個増えました。どうぞ使ってください」
鋏で糸の始末をして、利玖は出来上がった花を母に渡した。
幾何学模様を作り上げるのが楽しくて、つい黙々と編んでしまうのだが、完成した時点でそれ以上どうこうしようという気をなくしてしまうので、編み上げた花はすべて母に渡していた。利玖には使い道のない花も、真波の手にかかると、イヤリングやペンダント、小窓のカーテンの縁飾りなどといった役割を与えられる。
上機嫌でレースの花を拾い集めている母は、よそ行きの格好をしていた。午後から友達に会いに外出するのだという。
何気なく、母の手元を見た利玖は、そこに固定電話の子機が握られている事に気づいた。
「お母さん、それ……」
「え?」
「ボタンが光っていますが、どこかに繋がっているのではないですか?」
真波は、きょとんとした顔で子機を見て「あら、いやだ」と言った。
「これを渡しに来たのに、忘れていたわ。熊野君って男の子からよ」
一瞬、声が出なかった。
どうして実家の電話番号を知っているのか、と思ったが、先月、縞狩高原から自宅まで送り届けてもらう時、何かあった時の緊急連絡先としてこの番号を教えていた事を思い出した。
「……はい」
保留を解除して電話に出ると、受話器越しに大きく安堵の息をつくのが聞こえた。
『あ、利玖ちゃん? よかった、保留が長かったから、何かまずい事になってるのかと』
「その分、あとでわたしが根掘り葉掘り訊かれるんです」
真波は、両手いっぱいにレースの花を持って、意味ありげに含み笑いをしながら洋間を出て行った。
利玖は利き手と反対側に子機を持ち替える。
「どうして、わざわざこちらに掛けてこられたんです?」
『スマートフォンの方に掛けたけど繋がらなかったんだよ。前に、しばらく実家に帰るって聞いてたし……。利玖ちゃん、今、どこにスマートフォン置いてるの?』
「そんなの、手元に──」
明け方まで読んでいた本の山に手を伸ばす。その付近に置いていたはずだと思ったが、見当たらなかった。
利玖は子機を持ったまま洋間を出た。
昨日の昼食の後、近くを散歩していると、木陰で涼んでいるシャム猫を見つけた。綺麗な毛並みをしていたし、首輪も付けていたので、どこかの家で飼われている猫が逃げ出したのかもしれないと思ってスマートフォンで写真を撮った。だから、少なくとも昨日の昼には、きちんと持ち歩いていた事になる。
その後、本を借りる為に自転車で村営の図書館に行った。家の書庫にある本は、曾祖父が集めた物で、分野が学術書に偏っている。文学作品などはほとんど置かれていない。
「せっかくの夏休みなんだから一度くらい帰っていらっしゃい」と真波に言われ、兄妹揃って帰省したものの、利玖には兄と違って大した用事があるわけでもなく、暇を持て余して真波からレース編みを教わったりしているうちに、最近、村営の図書館が改装されて蔵書も増えたらしい、という話を耳にした。それで、早速赴いたという訳である。
戦果は上々だった。
昔、途中で読むのをやめてしまったシリーズものなどを全巻借りたりすると、これが中々面白い。小学生の頃には、難解で読みづらく感じた話でも、この年頃になるとすんなりと胸に落ちたりする。
そういう理由で、図書館から帰って来た利玖は、ソファに寝そべって本を読む事が出来る洋間に引きこもって、ろくに家族の前に顔も出さなかったが、二十時前になっても出てこない娘に業を煮やした真波に「せめて食事ぐらいきちんと取りなさい」と注意されて、渋々、食事と入浴を済ませた。
その際、洋間からスマートフォンを持ち出した記憶はないのだが、念の為、風呂場の脱衣所と食事をした居間を回ってみた。その間、史岐は受話器の向こうで、黙って利玖の返事を待っていた。
居間を見回して、ふと、リモコンラックの辺りに違和感を覚え、近づいてみると、そこにスマートフォンが立ててあった。
そういえば、洋間から出てきた時間が遅かったせいで、夕食を取った時には居間に誰もいなかったから、バックグラウンド・ミュージック代わりに適当な番組を流していた気がする。バッテリーはとっくに尽きていた。
「……すみません。今、見つけました」スマートフォンを拾って、利玖は再び洋間に戻る。「通話が長引いていますね。一度切って、こちらから掛け直しましょうか?」
『ううん、大丈夫。ちょっとお願いしたい事があったから』
「そうですか。何でしょう?」
つかの間、躊躇うような気配が動いたが、史岐は、きっぱりとした声で言った。
『利玖ちゃんの家の書庫に立ち入る許可をもらえないかな』
思わず足が止まった。
平静でいなければ、という思いが体を駆け巡ったが、息をするのも苦しいほど全身が緊張するのを抑えられなかった。
夏休み中は、集中講義や、各々の友人と遊びに行く予定もあるので、間隔はやや間遠になっていたものの、今でも史岐とは時々外で会っていた。
相変わらず、話題は取るに足らない世間話ばかりで、この人は、本当に佐倉川家の書庫には興味がないのかもしれない、と思い始めていた矢先の事だった。
八月、雨の縞狩高原で、二人だけで過ごした刹那の思い出が蘇った。
暗い部屋。
フリント式ライターの鑢の感触。
重なった指。
その後の事。
「……わたしの、一存では」
ようやく声が出たが、言葉が続かない。
史岐は『もちろんだ』と力強く言った。
『利玖ちゃん一人に決めてもらおうだなんて思っていない。これから話す事は全部、匠さんや、ご両親にも明かしてくれて構わない』
史岐の依頼は、大学の友人が怪奇現象に悩まされており、その解決策を調べる為に佐倉川家の書庫の力を借りたい、という内容だった。
怪異や、それを引き起こす妖の中には、語られ、伝播するだけで力を得るものが存在する。そういった事を警戒して、依頼を受けるかどうか決めかねている今の段階では、必要最小限の情報を与えるだけにとどめてくれたのかもしれない。
(史岐さん自身が、書庫を使いたいと言っているわけではない……)
単純な話だが、そう思っただけで緊張が和らいだ。
件の友人は今、史岐と一緒にいるらしい。
詳しく話を聞かせてほしいので、今からこちらに来てもらう事は可能か、と問うと、すぐに出発するとの答えが返って来た。
0
あなたにおすすめの小説
後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる
gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる