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柱に括られ男は最初の絶頂を迎えさせられる

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床の上でのたうち回りながら、男が手足に力を込めている。衣服を剥ぎ取られ露わとなった男根を情けなく揺らしながら、男が自身に与えられた拘束からの脱出を試みている。
しかし、どんなに頑張っても状況は変わらない。男の腕を背中で厳重に縛り、左右の足をきつく括り、口に栓を施して言葉を封じている黒色の強力な粘着テープは男の無駄な足掻きを笑い飛ばすように軋むのみで緩みすらしない。
指先から二の腕までを覆う黒と、つま先から太ももまでを包み込む黒によって身動きを封じられ、地下室に反響するだけの救いを望む叫びさえも放てない。そんな状態に追いやられながらも男は決して諦めずに裸体をもがかせ、危機から逃れようと試行錯誤を繰り返した。
けれど、やはり拘束はビクともせず、努力はただただ体力を消耗するだけに終わり、男はとうとう自分を捕らえた男が地下室に戻る時間を迎えてしまった。
地下室に一つだけ存在する扉が、キィと音を立てながら開く。それに気付いた男は動きを制限された手足を使って扉の方に顔を向け、ニヤニヤと笑っている男に怒りの視線と唸りを浴びせた。

「んむぅぅっ! んっ……ぐぅぅぅっ!!」

今すぐ解け。そんな意思を込めて鋭く睨みながら、男は強い怒気を乗せてくぐもった声を上げる。
だが、怒りの意思表示を向けられた男は全く動じない。床に転がる男を見下ろす男は、その程度の反抗しか行えない惨めな姿をじっくりと眺めて笑みを更に濃くさせていく。

「ぐーぅっ! むっ、ぐむぅぅっ!!」

男の笑いに苛立ちを刺激され、男はまた塞がれた口で叫んだ。背中で伸ばしたまま曲げることも不可能にされた腕と、左右を一まとめにされ開くことも出来なくされた足で床を叩きながら、満面の笑みに対してさっきよりも激しく怒りをぶつけた。
そうして一生懸命に怒る男の様子を堪能し、丸出しの男根を晒して必死に抗う無様な光景をしばらく味わった男は、自らにぶつけられる男の感情を全て無視しながら、暴れていた男の足を両手で掴み、地下室の丸い柱の方へと男を引き摺り始めた。

「みゅっ、ぐぅぅっ!? んぅ、むぐっ、ふぐぅぅぅ!!」

肌が床と擦れ、痛みが生まれる。力任せに引っ張られている足にも痛みが走る。それらの痛みを掻き消す程の恐怖が、男に襲いかかる。
何をされるのか見当もつかない。けれど間違いなく、自分にとって良いことでは無い。抑えきれぬ怯えを唸りと表情に滲ませ、男は足を掴む手を振り払おうと暴れる。その暴れすらも愉しみながら男を引き摺って運んだ男は掴んだ足を柱に沿わせると、追加で用意した粘着テープを上着のポケットから取り出し、男の足に巻き付け始めた。
無慈悲な男は捕らえた男から更に身動きを制限するために、括った足を柱へと縛り付け始めたのだ。

「んむぅぅんっ!? んー! うぐぅぅぅーっ!!」

イヤイヤと顔を振り、男は背中と床に挟まれた腕の痛みも忘れてもがき上乗せされる拘束を拒む。拒んでみても、手足をきつくテープに締め付けられていては男の手を煩わせることも出来ない。
男のもがきはあっさりと左手一本で無にされ、右手は力を込められている足に手早くテープをぐるぐると巻いていき、男は抵抗虚しく床の上で芋虫のように転がることさえも禁じられてしまった。

「ふぅ、ふっ、んむぅぅ」

幾ら力を入れても、足と柱を繋ぐテープは剥がれない。なりふり構わず身をよじっても、無防備な裸体はどこにも移動出来ない。
残酷な男が黒い笑みを見せながら手を伸ばし、隠す手段を完全に失った乳首と男根を欲望のままにいたぶってきても、男は望まぬ刺激に弄ばれ甘い苦しみに責め立てられるしか無いのだ。

「んぐっ、むぎゅぅぅんっ! ふぅ、むぅ、ふぶぅぅぅぅっ!!」

男の右手がテープを床に置き、男根を扱いて無理矢理に勃起を促す。左手が乳首を親指と人差し指でつまみ、捏ねたり引っ張ったりを繰り返して刺激を注ぐ。
気持ち良くなんてなりたくないのに、巧みに動く男の手と指は快楽の否定を許さない。無慈悲な男は的確な動きを乳首と男根に加えて、抗えない男を強制的に絶頂へと押し上げていく。

「んー! んんっ、んぐぅー! むっ、ぶむっ、あぶぅぅぅぅぅっ!!」

湧き上がる気持ち良さと、男の意思ではもはや制御の利かなくなった射精欲に翻弄され淫らな悲鳴を発する男を作り出した男は、手の中で震える男根と指の間で跳ねる乳首の反応を触覚で感じながら、自分の手に堕ちた逆らえない男をこれから長く続く淫猥な監禁生活の第一歩となる最初の絶頂を男に迎えさせるため手と指の動きを速め、逃げられない男にとめどない刺激を容赦無く叩き込んでいた。
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