捕らわれた青年は凌辱の前から何もかもを愉しまれる

五月雨時雨

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捕らわれた青年は凌辱の前から何もかもを愉しまれる

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内側に柔らかなクッションがあしらわれている金属製の器具が、青年の両手首と足首を緩み無く締め上げている。
部屋の床と一体化している箱型をした二台の装置と太く丸い二本の金属棒を通して接続されている器具達は、青年が衣服を奪われた裸体に幾ら力を込めてもビクともしない。四肢を縛める四つの器具は黒く分厚いマットに背中のみを預けさせられた青年がなりふり構わずに裸体を暴れさせても手首と足首を一箇所に集めさせた状態を崩す気配すら見せない。
自由を取り上げられ、間抜けに手足を天井方面へと伸ばした体勢を強要された青年。自身の裸体を上下から挟んでいる装置と、二台の装置を繋ぐ棒達へと接続された手足の拘束を悔しげに睨み付けながら、隠しきれぬ怯えを露わにした態度を振りまきつつ一人きりの部屋で無意味な試行錯誤を積み重ねる青年。
そんな青年を作り出し、滑稽な足掻きの様子を箱型の装置や部屋その物に仕込んだ隠しカメラからの映像で愉しんでいた男は、焦りを剥き出しにした表情に飽き、丸出しにさせた男根や尻穴が惨めに跳ねる光景だけでは満足出来なくなった己の欲望を満たす為にただの鑑賞を切り上げ、青年をあらゆる角度から映すモニター達の前に用意した操作盤を嬉々として手早く弄った。

「っ!? やっ、やめろぉ……っ!」

男からの操作を受けた装置達が、二本の棒に命令を送りそれぞれを離させ、青年の手足を大きく広げさせていく。一切の動きを行わずに静止していた装置が開始した突然の駆動に驚愕と戦慄を募らせた青年は、ただでさえ屈辱的だった姿勢をより情けない物へと移行させられる展開に拒絶を叫びつつ、抵抗虚しく装置の力に屈して部屋の天井に設置された隠しカメラにほとんど何もかもをさらけ出す格好へと追いやられていく。

「くっ、くそ……ふざけ、やがってぇ……っ!!」

何の説明も与えられていない青年は、隠しカメラの存在など知る由も無い。自分を収めた中継映像を憎き男が別室で堪能している事実など、青年は知りようも無い。その状況でもこれ以上無い恥辱に苛まれる姿を強制された青年は、閉じられぬ手足をじたばたともがかせ時折マットに乗せられた裸体を宙に浮かせながら拘束からの脱出を追い求め始める。無防備な男根と尻穴を近距離から撮影する下半身側の装置に搭載されたカメラにみっともなく踊り狂う恥部を提供しながら、青年はこの辱めと捕らわれの状況からの逃走を欲してめちゃくちゃに裸体を暴れさせる。
だが、やはり手足に制限を加えられた現実は覆せない。何も知らぬ青年は己の身悶えで敵の男を悦ばせる無様な娯楽の立場から脱出出来ない。
遠く離れた部屋で独り言を呟く男の思惑など把握しようも無い青年は、足掻けば足掻く程男に至福を味わわせてしまうという事実も分からぬまま、自身が紡ぐ一挙手一投足を愉しまれるしか無いのだ。

「素晴らしいよ、○○君。もっともっと見せておくれ。最後に誇りを失って快楽に媚びる君が気丈に喚く様をもっともっと、私の記憶と映像に残させておくれ」

自分の上下に配置された装置には、まだまだ残酷な機構が存在する。手足の拘束を操る以外にも、自分の理性を跡形も無く溶かし尽くすような淫猥極まりない地獄を生み出す機能も備わっている。
それを想像すら出来ていない青年が諦め悪くもがく映像を眺めながら、手足を開かせたことによって新たな見所がやって来たことを嬉しがる男はようやく自分の物となった青年を屈服に向けた凌辱前から鑑賞するこの時間に対する充足を改めて膨らませつつ、きゅうと窄まったまだ異物を知らぬ尻穴の上で勃起からは程遠い柔らかさを保ったままぴょこぴょこと揺れ動く男根を映すモニターと顔面の距離を、無意識に詰めていくのだった。
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