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激しい憎悪の前で不良は手遅れの反省を叫ぶ

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「あっ……そうじゃん。今日あいつらいねーじゃん」

いつものように放課後の一服を行う為に体育館裏の倉庫へと足を運んだその男子生徒は、不良仲間である二人が無免許でバイクを走らせた結果入院するという展開となったことを倉庫に辿り着く直前で思い出した。
道理で気まぐれに出てみた授業の間も、それ以外の時間も姿を見なかった訳だ。そう納得しながら不良少年はしばし迷い、ここまで近付いたのだから一本だけ煙草を吹かして帰ろうと仲間のいない倉庫の扉を開け中へと踏み入った。三人グループの不良が一人きりとなるこの絶好の機会を見逃してはならないと、怯えと復讐の意思を抱きながら待ち構えている男子生徒達がいることなど欠片も想像せずに、不良生徒は無防備に倉庫へと入ってしまった。
直後に、入り口の両脇に潜んでいた少年達が一斉に不良生徒へと飛び掛かる。一対一であれば軽くあしらえるであろう相手達の襲撃を背後から喰らった不良は身構えることも出来ずに床へと組み伏せられ、数の暴力で抵抗を封じられてしまった。
床に押さえ付けられた手足は、どんなに力を入れても動かせない。薄汚れた床を這って逃れようにも押さえ付ける手は背や腰にもあてがわれており、不良生徒は惨めな逃走すらも叶わない。
唯一自由に使えるのは、口だけ。そんな危機的な状況に置かれながらも、自らの立場がまだ理解出来ていない不良は思い通りに使える口で鋭い怒りを発し、自分に不意打ちを行った者達に強気な態度で要求を浴びせかけた。

「テメーら、ふざっけんなよ! こんなことしてただで済むと思ってんのか、あぁ!?」

何度も耳にした荒々しい声に、優位に立っているはずの少年達が思わずすくみ上がる。しかし、すぐさま何人かは有利であることを思い出し、震える声で不良に言葉をぶつけた。

「なっ、何で強気でいられるんだ? この状況を、わ、分かってるのか?」
「今すぐ謝れば離してやる。だっ、だから、謝れっ!」
「はぁー? 謝る訳ねーだろキメェな。十人近くでやっと俺を押さえ込める雑魚がイキってんじゃねーよバーカ」

一生懸命に紡がれた謝罪を求める言葉を、不良は何の躊躇いも無く侮蔑混じりの言葉で一蹴した。
一切の反省や己の行動を悔いる意思の垣間見えないその言葉に、三人がかりで暴力をちらつかせてあらゆる屈辱を味わわせ金品を巻き上げた事実を棚に上げた尊大な言葉に、少年達は怯えを塗り潰す程の憎悪を湧き上がらせた。
もう、こいつには手加減など必要無い。慈悲をくれてやる道理も無い。心と思考を静かな怒りで冷え切らせた少年達は、念の為にと用意していた黒色のガムテープを手早く引き寄せ、不良の肉体を協力して縛り上げ始めた。

「っ!? 何してんだ屑共! ホント、マジでいい加減にっ、むぅぅっ!?」

左右の足首と太ももが、ズボンの上からガムテープでぐるぐる巻きに縛られる。背中に移動させられた左右の手首と二の腕が、校則違反のシャツの上からテープできつく一まとめにされていく。その事実に再び怒りを乗せた叫びを放とうとした不良の口を無理矢理に閉じさせ数枚のテープで厳重に塞いで言葉を取り上げた少年達は、尚も抗おうとする不良を数人がかりで古びた跳び箱の上に仰向けで転がし、残りのテープを用いてすでに縛めた手足を跳び箱の広い方の側面へと遊び無く括り付け出した。
もちろん、不良はその追い打ちの拘束からの脱出を焦りを募らせながら必死で試みる。けれど、もはや手遅れで、不良はあっという間に手足を跳び箱の側面に縫い付けられ自力では何処にも逃れられない姿へと、じっとしていても背骨が軋む苦しい海老反りの格好へと追いやられてしまった。

「んーぅっ! むー、ぶぅぅっ!!」

じたばたと身体を暴れさせながら、不良がテープに栓を施された口で喚く。焦燥を示しつつも反抗の色が強い態度で唸り、怒気を込めた視線で少年達を睨み付けている。
ここまでの状態にされても、まだ形だけの反省すら見せられない。そんな不良に憐れみにも似た嘲りの瞳を寄せる少年達は、完全に支配下に堕ちた不良を苦しめ二度と自分達に逆らえない存在へと貶める為の責め苦をもたらしていく。それは、かつて目の前の不良を含めた三人に脅される形で辱めを目的として購入させられた道具達を用いた責め苦。本来自分達の年齢では購入不可能なはずの淫らな道具達を活用した、甘い苦悶に満ちた恥辱の責めだ。

「ほら、たっぷり嗅げよ。お前らが僕に買わせた媚薬を嗅げ、逃げるなっ!」
「むぐっ!? んむ、むああっ!」

突如として鼻先に突き付けられたかすかに見覚えのある薄桃色の小瓶から漂う甘ったるい香りを拒絶しようと、不良が逆さの頭部を振り乱す。だが、その足掻きはすぐさま数人の少年の手で頭部を掴まれたことで無にされ、不良は嗅がされた媚薬の効果によって発情状態へと肉体を高められてしまった。
そうして淫らに火照った不良の肉体の変化に気付いた少年達は、着崩されていた衣服を緩め、甘く昂ぶった部位を露出させ、様々な器具やスマートフォンを手に取りつつ手も足も出せない不良に淫獄を宣告した。

「僕は、このローターで君を苛めてあげるよ。結構高かったこれで、これを買わせた君の勃起チ○コをたくさん気持ち良くしてあげる」
「こっちの尖った乳首にはこの媚薬ローションを塗って、もっと尖らせてあげるよ」
「じゃあ、そのローションでみっともなく尖りきったらこの乳首用の玩具でじっくり嬲って上げる。このドーム、中の柔らかいブラシで丹念に乳首を磨いてくれるらしいから、媚薬を塗られた乳首にはものすごく効くと思うよー?」
「買わされたことの無い俺らは、情けなく気持ち良くなってる無様な不良を撮影してあげるよ。もう悪いことなんて出来ないようイきまくってるところを全部撮影して、全世界の人間に不良君のはしたない姿を知ってもらえるようネットにアップしてあげるからね」
「むぐぅぅんっ!? んもっ、むぶ、んぐぅぅぅっ!!」

今更許しを請うても遅い。それを理解させるように淫らな攻撃を叩き込んで絶頂を強制し痴態をあらゆる角度から映像に収めていく見下していた少年達に甘く狂わされていく不良は、意味を成さなくなった反省をテープ越しに叫び心からの反省を無視される事実に絶望しながら、複数人の物が集まることで暴走した憎悪の意思が生み出す苛烈な悦楽によがり狂い、滑稽な悲鳴と痙攣を晒して辱める側に立った少年達をこれ以上無く愉しませていくのだった。
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