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密室の中で青年は痴態のみを外部に捧げる

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黒色をした棒状の枷を噛まされた口から唾液と共に漏れるくぐもった呻きと、裸体に与えられた拘束が軋む音、そして尻穴から抜け落ちないように固定された極太のアナルバイブが腸内を容赦無く掻き毟る無慈悲な駆動音だけが聞こえる空間に、青年が閉じ込められている。
音を完全に遮断する素材で作られた狭い空間に入れられた哀れな青年は、左右の腕に自らを抱き締めているかのような状態を強要する黒革製の拘束服と左右の足を無理矢理に折り畳ませ伸ばすことを不可能にさせている黒革の拘束具を虚しく鳴らしながら、腰回りに這わされた黒革のベルトによって押さえ付けられているバイブの責めに為す術無く悶え苦しむ様を、視界を奪う黒革の目隠しの向こうにいる存在達へと晒し続けるしか無い。
壁を四角くくり抜く形で生み出された監禁のみを目的とした場所に抵抗虚しく押し込まれ、分厚い強化ガラスの扉を閉めることで誇りを捨てた哀願の悲鳴と自分自身の脱出を禁じられた青年はもう、尻穴で休み無く暴れ回るバイブがもたらす望まぬ雌の快楽に鳴き叫びよがり狂う惨め極まりない姿を、自分を罠に嵌めて捕らえ圧倒的優位を取った憎い敵の男達に観察されるだけの立場でしか無いのだ。

「んぅ、んぐっ、むぐぅぅっ! ぶふっ、んぶっ……もぉぉんっ!!」

尻穴で気持ち良くなんてされたくない。強制的に味わわされる甘い至福に拒絶を示しながら、青年が恥辱からの解放を欲して裸体をじたばたともがかせる。
例え一時的な安らぎであったとしても、尻穴をめちゃくちゃにほじくり回される苦悶から逃れて敵の手に堕とされてしまった屈辱の事実を嫌でも再認識させてくる悦楽から抜け出したい。悲痛な願いを淫猥に翻弄される心に思い浮かべながら、青年は伸ばせぬ足を踏ん張らせつつ拘束服に包まれた上半身を必死で振り乱して拘束との格闘を繰り返す。
だが、幾ら試行錯誤を積み重ねようとも青年の努力は非道な敵達の愉悦と充足を余計に加速させるだけの無駄な足掻き以外の何物でもなくて、視界を塞がれている故に気付かぬ内に敵達が集まっているガラス扉の方に向かって蠢くバイブに嬲られている尻穴とパンパンに張り詰めた男根を突き出す体勢を捧げていた青年は、滑稽その物な痙攣を見せ付けつつ我慢の限界に達し絶頂に至る光景を己にしか聞こえぬ絶望に歪んだ甘い絶叫を放ちながら残忍な敵達に対して提供してしまった。

「むぐっ、んぎゅぅぅぅんっ! あむっ、ぶふっ、んもぉぉぉぉんっ!!」

縛められた裸体を一際大きく跳ねさせた青年が、尻穴のバイブを分かりやすく締め上げつつバイブの真下で揺れていた睾丸をきゅんと縮こまらせ、ひたすらに射精欲を遠ざけていた男根から長い長い忍耐の果てに堪えきれず溢れ出た精液を勢いよく噴き出させていく。
その最高に愉快な痴態を堪能し、欠片も聞こえていないはずの淫らな悲鳴と精液が床を叩く音が聞こえてくる錯覚を覚える程の盛大なイき姿に笑みの醜悪さを濃くさせながら、冷酷な男達は今日も無意味な我慢を経て射精に至った青年が自らが吐き出した体液の淫臭に鼻腔を苛まれじょじょに狭まっていく意に染まぬ絶頂の間隔に恐怖と戦慄を募らせていく過程を、滾る興奮に浸りつつ悠然と鑑賞していくのだった。
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