エージェントはおぞましき生物の中で淫猥に陥落させられる

五月雨時雨

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エージェントはおぞましき生物の中で淫猥に陥落させられる

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「ほら……さっさとこっちに来なさい。エージェント君」
「もうどうやっても逃げられやしないんだから、ムダな抵抗してんじゃねーよ!」
「ぐあっ! う、っう……!」

服の上から施された縄と格闘していた青年は、首輪のように結わえられた首の縄を前を歩く男の右手に引かれ、後ろを歩く男に縛られた腕を右足で押すように蹴られた衝撃に反応して思わず悲鳴を上げてしまった。無様に発してしまった悲鳴に屈辱を感じ、青年は反抗の意思を込めて前を歩く男を鋭く睨み付ける。
だが、睨み付けたところで男は痛くも痒くも無い。背中で手首と二の腕同士を縛られ伸ばしたまま曲げられないよう腕を拘束され、足首同士と太もも同士をわずかに余裕の縄で結合されたことで小さな歩幅での移動しか出来ないよう、憎い相手を蹴り付けたくても蹴り付けられないよう動きを制限され、首の縄を引かれて無理矢理に歩行させられている惨め極まりない青年が睨み付けてきても、それは男に自分の有利な立場を再確認する材料を与えて笑みの黒さを濃くさせるだけだ。

「ふふっ……一生懸命睨み付けちゃって、可愛いねぇ。正に捕らわれの情けないエージェントって感じの可愛い仕草だよ」
「お、○○さんに褒めて貰えて良かったじゃねーか。○○さんをもっと愉しませるために、今より一生懸命に睨み付けてみな」

ささやかな抵抗を笑い飛ばされながらも、青年は鋭い視線を保ち続けている。男達への怒りと、使命に燃えるその目は男の心を更に悦ばせ、声を弾ませた。

「さぁ、ここが目的地だよ。長いお散歩お疲れ様」

前を行く男と青年が扉の前で立ち止まると、後ろを歩いていた男が扉の横に設置された操作盤を自身の身体で青年の目から隠しつつ弄り始める。
危機からの脱出に繋がる何かしらのパスワードを盗み見られないかと背伸びや顔の位置を変えてみても操作盤は見えない。強制歩行で疲弊させられた肉体を動かして縄を軋ませてみてもやはり縄は解けない。そんな諦めの悪い行動を行っていた青年と青年の無意味な試みを首の縄をしっかりと掴みつつ横目で観察していた男。そんな男達の耳に、操作盤からの指示を受けた扉が放つ電子音が入り、直後に扉は左右に開いた。
開かれた扉の向こうの景色が青年の目に飛び込んでくる。そして、青年は無意識に呟きながら嫌悪に表情を歪めた。何故なら、扉の向こうの狭い空間にあったのは見たことも無い二つの異物だったからだ。

「何だよ……これ……っ?」

青年はそれを見てビニール紙に包まれたキャンディーのような形状だと思った。しかし、実際はそんな幸せな物ではない。大まかな形状は確かに似ているものの、部屋の床に転がされた巨大なそれらはおぞましさを際限無く掻き立てる物だ。
手術中の内視鏡が映し出す体内の肉。それによく似た色と見た目をした二つの物体は小刻みに脈打ち時折寝返りを打つように悶えている。
一体これは何なんだ。怯えと気持ち悪さから顔をしかめる青年に、首の縄を持つ男が笑いながら言う。

「そんな顔しちゃ可哀想でしょ? 助けに来たお友達に会えたんだから嬉しそうに笑いなよ」

予想外の言葉を放つ男の声に先に反応したのは、異様な物体の中に閉じ込められている存在だった。

「うーっ! うぶっ……ぶあ、おぶぅっ……!」

くぐもっていても分かる声の主に。危険を冒してまで助けに来た仲間の声に、青年は仲間が生きてくれていた安堵と同時に安堵を大きく上回る絶望を募らせた。男達が何をしようとしているかを、自分にこれから何が行われるかを察してしまったからだ。

「お友達も、早くおいでよって言ってるね。それじゃあ、君も入ろうか」
「あうっ! ひ、やめっ……!」

首の縄を下に向かって素早く動かされた青年は体勢を崩し、床に倒れ込んでしまった。受け身も無しに倒れた身体に痛みが走る。けれど、青年はその痛みを感じる余裕も無い。さっきまで操作盤を動かしていた男が今度はおぞましい物体を掴み、左右の手で物体の入り口を大きく開いて青年に被せようとしてきたからだ。

「い、いや……嫌だ、嫌だぁぁぁ!!」
「こら、わがまま言っちゃ駄目だよ。大丈夫、これは飲み込んだ相手を媚薬効果のある体液に漬け込んで淫乱に作り変える生きた調教器具だから、死にはしないよ」
「お前の仲間もこれで常に発情する淫乱になったんだから、お前も淫乱になるべきだろ? 危険を承知で助けに来る程の相手なら同じ淫乱になるくらい当然だよなぁ?」

必死に嫌がっても青年を残酷な調教用の生物へと押し込んでいく男達の動きはとまらず。青年は愉快その物と言った声音で滅茶苦茶な理屈を捏ねる男達の思い通りに頭から調教生物へと押し込まれてしまった。

「うぶっ、むぶ! うぶぁぁっ!! うぁっ、むぁぁぁっ!!」

青年の腹部までを調教生物に呑ませた男達は青年から手を離し、生物の本能で残りを呑まれていく青年の悲鳴ともがきを愉しんでいる。どんなに騒いでも、縄で縛られた足を暴れさせても青年は脱出に繋げられず、抵抗虚しく青年は全身を調教生物の中へと閉じ込められてしまった。
衣服を溶かし、縄の拘束を溶かす調教生物の体内は手足の自由を取り戻してももはや抜け出せない。生物の内部から逃げ出そうとして手や足で押してもそれは伸縮性に優れた肉を変形させるくらいしか出来ず、ただただ息苦しさと媚薬効果を持つ体液の分泌を増幅させて苦悶を強める嬉しくない変化しか起こせない。
抗わなくても、淫乱へと堕ちる。抗えば抗うほど、より早く淫乱へと堕ちる。青年の未来を確定させた男達は醜悪な表情を浮かべて自分の組織を嗅ぎ回っていたエージェント達を入れた調教生物達を見下ろすと、何の躊躇いも無く二人に別れの挨拶を行った。

「二人とも、仲良く発情してるんだよ? 私達は明日の夜にまた戻ってくるからね」
「それまで好きなだけイって良いからな? 苦しめられるのが嫌ならなるべくたくさんイって、なるべく早く壊れるんだぞ? 良いな?」
「うむぅぅ……あぶっ、ぶむぁぁぁっ!」
「ふぅ、うぐ、んもっ、もぅぅ……」

呼びとめの唸りを発しても男達は足をとめず、部屋の扉は無情にもまた閉じられた上に内側からは開けられないよう操作盤を使って鍵を掛けられてしまった。
部屋に残された二人の青年エージェントは、仲間を助けられなかった悔しさと早くも実感し始めた発情を糧に衣服と縄を溶かされた裸体で調教生物を内側から叩き、仲間を自分と同じ状況に追いやってしまった後悔を味わいながらすでに元の生活には戻れないほど淫らに改造されてしまった裸体を調教生物の中で堪えきれず仲間が隣にいるというのに慰め、全く違う意味を持つ歪んだ声を漏らしながら男達の計画に沿って淫猥に陥落させられていくのだった。
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