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悪い事をした狐少年にお仕置き

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「星がキレイだなー…君も、見上げてみなよ」

別荘のベランダで、椅子に座った男が目の前の少年に言った。

「んぅ…むうぅ」

しかし、声をかけられた少年は下を向いて呻くのみで、上を見る事は出来ない。
それもそのはずだ、少年は今男の手によってはだけた浴衣の上に赤い縄を巻き付けられ、ベランダの上の柵から吊るされているのだから。
ベランダのスペースで吊り上げられている少年の腕は背中で一括りにされ、足は折り畳んで縛られ腕の縄に結合されている。

ただじっとしているだけでも身体に縄が喰い込む苦しい体勢。その状態で少年は男のペニスを口に押し込まれ、舌での奉仕を強制されていた。

「んぐ、うぅ!」

喉奥をペニスに突かれて、少年が仰け反る。するとその拍子に少年の身体に付いている…人間ではない証拠、頭部の狐の耳と狐の尻尾がふるふると揺れた。

「しかしびっくりしたな。家に帰ったら食料が食い荒らされてて、その近くに君が満足そうに眠ってるんだもんな」
「うぅ…」

その時の事を思い出し、少年の顔が曇る。木の実が今年は不作で、数日間何も食べてなくて、ふらふらさまよってたら食べ物の匂いがして…。
気付いたら、今自分を拘束している男が目の前にいて。

「何でもするからごめんなさいって言ったんだから、もっとしっかりしゃぶってよ」
「んぐぅっ…」

頭を押さえられて、奥にペニスが入る。逃げたくても縛られていてはどうしようもないし、何より少年自身が罪悪感で逃げるつもりが無かった。
一生懸命にペニスを舐める狐少年の姿に、男は愉しそうに笑った。

「口いっぱいに頬張って…エッチな狐君だ。乳首もおチンチンも大きくして…縛られて嬉しいんだ?」
「ふうぅっ」

右の乳首を摘ままれ、同時にペニスを扱かれ、少年の身体がガクガクと跳ねた。その度、縄がギシギシと軋んで少年の白い肌を絞め付ける。
人間ではない少年の身体は強い絞め付けでも痛みはほとんど感じず、圧迫されて全身を絞め付けられる喜びと良いように弄ばれる快感を強く覚えた。

最初は罪滅ぼしの為に身を任せていた少年は、獣の本能に従って快楽を味わい、口に広がる男の味と性感帯を責め立てる男の指に虜にされていく。
それを加速させるように男は少年の乳首を引っ張り、ペニスにラストスパートの刺激を与える。

「たくさん出しなさい」
「うぅーっ!」

吊るされた狐少年は、男の手の中で射精を迎え、大量の精液を吐き出した。
男はそれを見届けて少年の口のペニスを抜き取り、ゆっくりと少年の身体を床に下ろした。

「とっても、可愛かったよ」
「あ、はあぁ…」

身体の縄がほどかれ始め、少年の手と足が自由になった。それを望んでいたはずなのに、少年は男の手をとめ、身体の縄をほどかせないようにした。

「ん?」

不思議に思って見つめてきた男に、少年は震える声で告げる。

「もっとぉ…してくださいぃ…。気持ち良いの、もっと…」

男の指をぴちゃぴちゃ舐めておねだりをする少年。その瞳は完全に快感に支配されていて、発情をしている事は明らかだった。
あまりに強烈な誘惑に、余裕を保っていた男は唾を飲み込んだ。

「いいのかい? これ以上したら、僕は君を絶対に逃がしたくなくなっちゃうよ?」

本心からの男の言葉、それに対し、少年は金色の尻尾を艶やかに揺らめかせて答える。

「いいですぅ…お兄さんに触られると気持ち良くて、身体中が熱くなって嬉しいから」
「そっか…じゃあ」
「んぅっ…むぅ」

男に唇を奪われて少年は一瞬目を丸くしたが、入ってきた舌に反応してすぐさま自分から舌を絡めていった。

自分の食料を食べ尽くして寝込んだ狐少年に魅入られて嫌われる事を前提に弄んだ男と、男に注がれる快感に病み付きになり、男を心から求めた狐の少年。
おかしな恋の始まりを…ベランダに差し込む月明かりが、静かに見守っていた。
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