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堕ちた正義達は無様に練り歩かされる

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部屋の天井に彫られたレールへと接続されている箱型の装置から伸びた太く長い金属製の棒は、途中でそのまままっすぐ進む物と斜めに分岐する物の二本に枝分かれしている。そうして枝分かれした棒の先に取り付けられているのは、機械製の白い輪の内側に配置された喉近くまでを貫き言葉を封じる男根を模した張型状の口枷と、醜悪なイボを無数に纏った釣り針状の責め具だ。
それらの責め具の片方を当然口に、もう片方を尻穴にねじ込まれた男達はもう、何処にも逃げられはしない。上下の穴を奥深くまで満たす棒を引き抜きたくても引き抜けない。二の腕を胸部に繋ぐ縄を与えられ、胴体の真後ろで交差させた手首を二の腕を縛める縄へと縫い付ける縄を加えられ、更には上半身の縄と太ももを遊び無く結合する駄目押しの縄を施された男達はもはや、仲良く惨めに串刺しにされた状況はおろか、異物に貫かれた仲間の尻穴と無防備に露出させられ間抜けに揺れ動いている仲間の男根が眼前に位置している屈辱の状況から抜け出すことも叶わない。
腕の自由を奪われ、口と尻穴を征服する物体達のせいでしゃべることと暴れることを不可能にされた無様極まりない男達。そんな男達に残された選択肢はたった一つしか無い。口と尻穴を嬲る異物達と一体化している棒を操る天井の装置が行う緩慢な移動を拒む手段を完全に叩き潰された哀れな男達は、ある程度思い通りに動かせるよう仕向けられた膝から下を酷使しながら装置に沿った情けない歩行を、仲間の恥部を常に見せ付けられながら繰り返す屈辱と恥辱に満ちた同じ場所を五人でぐるぐると回る歩行を、為す術無く強いられるしか無いのだ。

「あっ、あぉ、むごっ、おぉ」
「ふぐっ、ぶぅ……もごっ、ぶあぁ」

不自然な姿勢で長時間に渡って歩かされた男達の裸体が、汗に濡れた縄をぎちぎちと鳴らしながら痙攣する。
無慈悲に駆動する箱に追従する動きを維持する役割と、口と尻穴の責め具が苛烈に食い込まないよう自らの肉体を支える役割を一方的に担わされた男達の足が、ガクガクと痛々しく跳ね回り五人の悶絶の度合いを言葉よりも分かりやすく表現している。
しかし、そんな苦しみの反応すらも男達は満足に示せはしない。下手に身を動かせばその振動が責め具に貫かれた口と尻穴をいたぶる刺激に変換されてしまう状態を用意されてしまっている男達は、矜持を砕き理性を蝕むかのような地獄に身を委ねてろくに悶えられぬ裸体を思うままに悶えさせることも許されない。

「ふぅ、んふぅ、もうぅぅ……っ!」
「かっ、ほうぅ、むおうぅ……!!」

何時まで、この歩行を強要され続けるのだろう。涙に潤んだ瞳に映る仲間の恥部の様子に改めて打ちひしがれながら、五人の男が胸に絶望を募らせる。
このまま、この姿のまま、命を失うまで歩かされ続けるのだろうか。己のあり方を選んだ日から覚悟していたはずの死を拒絶しながら、恐怖に支配された男達はとっくに疲労の限界を越えている足で自分を残酷に運ぶ箱を追いかけていく。

「おぅ、えあぁ……あぅ、えへ……っ!」
「あえは、こぇ、ひょめへぇ……っ!!」

それまで紡がないよう努めていた、敗北を認める哀願の唸りを数人が発した。すると、五人は忍耐の破裂を迎えたかのように誇りを捨てた救いを望む言葉を不明瞭に放ち始め、円を描く形で拘束されている男達が終わりの無い歩行をさせられている部屋には屈服を露わにした悲鳴が、悪を憎む捜査員達が口にする物とは到底思えない滑稽な鳴き声が満ち出した。

「おえあい、ひゅる、ひえ……はふっ、へへぇ……っ!!」
「おぅ、ひゃあ……あうふお、ひああぁっ……!!」

五人分の懇願が、うるさいくらいに鳴り響く。枷に封じられている口から絞り出される助けてくれの願いが、五人しかいない部屋に反響する。
その鳴き喚く声を認識して、新たな機構が作動し始める。捜査員達を拉致し拷問をもたらして放置した悪達が残した残酷な追撃の機構が、五人の口と尻穴を塞ぐ異物の表面から強力な効果を有する液体媚薬を少量ずつ染み出させ、陥落した正義達に望まぬ発情を促していく。
同時に自動で開いた扉の方へとレールを辿って動き出した天井の装置達は、捜査員達の歩行を部屋の中での周回から部屋の外側での練り歩きに移行させ、自分達を生み出した悪達に愉快な見世物として悶え苦しみながら歩く五人を提供する駆動を開始していく。

「あぉっ!? もっ、ごおぉ……っ!?」
「ふぎゅ、む、あもぉぉっ……!?」

無理矢理に摂取させられ始めた媚薬の力で、悪の手に堕ちた肉体を火照らされながら。抗おうという意思を挟む暇さえ間に合わぬ勢いで張り詰めた男根が部屋の外に向けて足を動かす度背後の仲間の眼前でぶるぶると揺れる感覚についさっき悪に屈した心を叩きのめされながら。捜査員達は朦朧とする頭でも分かる更なる地獄の到来に戦慄しつつ、悪が所有する建物内を淫らに賑わせる鑑賞物としての仕事を、全うさせられていくのだった。
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