少年は大きすぎる愛情の中へと閉じ込められる

五月雨時雨

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少年は大きすぎる愛情の中へと閉じ込められる

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自分の身体が金を生み出す道具となるのならば、悦んで邪な欲望を携えた男達に淫らな奉仕を行う。そんな決意を胸に、少年は己の身体を獣欲の前に差し出す生活を受け入れていた。
もうすぐ自分の身体が雄と雌の境を抜けた大人への成長へと進み出す。その事実に焦りながらも、少年は故郷の家族に送る金を手に入れる為の淫行に耽る毎日を、この後ろ暗い仕事をしていて良かったと唯一思えた一人の旅行客に愛された一夜を思い出しつつ送っていた。
あの旅行客は今、自分の国で何をしているのだろう。客寄せにもなるからと行為を黙認しているホテルのロビーで買い手を探して歩き回る子供が、離れて暮らす家族への仕送りの為に身体を売っている。その情報だけを仕入れ自分を男だと気付かずに買い優しく甘い快楽を与えてくれたあの男は、どんな日々を暮らしているのだろう。
自分が売り物にならなくなる時期が迫っていることへの焦燥とその後の日々に対する不安を一番幸福な思い出に浸りその幸福をくれた相手に思いを馳せることで誤魔化していた少年は、ある日思いも寄らぬ形で強く思っていたその男との再会を果たした。
自分よりも強く、自分がそうだったら良いなと空想していたよりも遥かに大きく自分への感情を膨らませていた男が雇った者達に攫われた少年は、自分を閉じ込め朝から晩まで愛でる為の空間として選ばれたマンションの一室で男と再び邂逅し、異常なまでに肥大化させた男の独占欲に心と身体を支配されるだけの毎日へと、拒否さえ許されずに引きずり込まれてしまったのだ。

「あっ、んぁっ、ふぁぁぁんっ!」
「○○、今日も可愛いよ。もっともっと、君の可愛いところを僕だけに見せてくれ」

愛しい少年を一日中愛し、二人で快楽に溺れたい。その願いを叶える為に努力を積み重ね働かずとも使い切れぬ程の金が手に入る状況を構築した男は、今日も部屋から出る素振りすら見せぬまま初めて会った時と同じような優しさで少年に悦びを注ぎ自らもその悦びに浸っている。
少年が送っていた以上の金を少年の家族に送り少年を不特定多数の男に快楽を提供する労働から解放した男は、自分と共に生きることが一番の得策であると理解させた少年を甘ったるく貪るだけの日々を幸せそうに過ごしている。
自分を憂い無く独占する為に狂気的なまでの努力を行い、飽かせるくらいに所持しているとはいえ迷い無く大金を出している男。たった一晩夜を共にした男娼である自分を手籠めにしたいと願いながら常人では考えられぬ程の熱量で財を成し、その財に物を言わせた享楽を追い求めている男。その男に対する好きの思いと、幸福の一言では片付けられぬ違和感と恐怖に心を掻き乱されながら雌の悦楽に喘ぎ鳴いている少年を目にした男は、交尾への集中が途切れている少年に頬を緩ませつつ腰振りの速度を引き上げ、快楽のみを素直に汲み取っていれば良いと告げた。

「○○、他のことを考える必要は無いよ。君は、僕だけを感じていれば良い。僕の姿を目で感じて、僕の声を耳で感じて、僕の匂いを鼻で感じて、僕のおチ○チンをお尻で感じているだけで良いんだよ、○○」
「あっ、んうぅぅっ! ひゃ、ひゃい、分かりまひたぁ……□□、さぁんっ!」

目の前の自分だけを認識していろ。遠回しにそう伝える男に募らせた言い知れぬ怖気を増幅した悦びに塗り潰されながら、少年は自分にはち切れんばかりの愛を浴びせてくる男に数えきれぬ程に脳の中で蘇らせた優しく初心な旅行客を重ね、訪れてしまった望まぬ変化に抱いた哀しみと罪悪感を、尻穴で男の肉棒が往復する度に削り落とされていくのだった。
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