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淫らな男は鬼畜な要求を至福と捉える

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「はくっ、んふ、うぅんっ。っあ、はぁ……んあぁんっ」

自分とは比べ物にならないくらいに逞しい筋肉質な胸部にはしたなく尖りきった己の乳首を擦り付けながら、男は引き結ぶことも叶わなくなった口から零れる甘い鳴き声を浴室中に絶え間無く響かせ続けている。自分よりも立派な恋人の男根に己の興奮しきった男根をぬりゅぬりゅと擦り付けて緩い悦楽を貪りながら、男は恋人の背に回した腕を小刻みに震わせつつ裸体をくねくねと悩ましげに踊らせている。
早く気持ち良くなりたい。尻肉を揉みしだきながら延々と繰り返されるヒクつく尻穴をからかうように指先で撫でられる意地悪な刺激ではなくて、太く硬い男根を奥深くまでねじ込まれ腸内全体を淫猥に蹂躙される快楽が欲しい。
己の理性と本能が喚く願望に思考を蝕まれ、淫欲を我慢出来なくなった男は潤んだ瞳を上に向けて余裕たっぷりな笑みを浮かべている恋人の顔を見つめながら、淫らに蕩けた声音でおねだりの言葉を口にした。

「お、お願い、○○君……もぉ、焦らさないでぇ……ちょおらい、○○君の、おチ○チン……っ!」

迷い無く淫語を発し、年下の恋人である青年に男根を懇願する。そんな男を浴室で抱き締め独占しながら堪能する鬼畜な青年は、同じ男とは思えぬくらいに揉み甲斐のある柔らかな尻肉を両手で捏ね懇願に合わせて収縮を更に加速させた尻穴を左右の中指で拡げつつ、許しを求めた愛しい男の口を自らの唇でまた熱烈に塞いでしまった。

「はむっ、んむ、んちゅ、はぷぅっ」

おねだりに対する却下の返事代わりに噛み付くような口付けを与えられるのは、これで何度目だろう。
一生懸命な恥を捨てたおねだりを受け入れてもらえず、青年の本気の愛情と自分への執着を嫌でも再認識させるキスで唇を貪られるのはもう、何十度目だろう。
正確な回数も分からなくなる程にもたらされた深く甘ったるいキスを悦び、一層目を蕩けさせ焦らし抜かれた裸体をより濃い発情へと追いやられながら流し込まれる青年の唾液を飲み干しつつ率先して舌を絡めていく可愛い男の全てをありとあらゆる感覚で愉しんだ青年は、意識が幸せな朦朧に至るくらいに継続された口付けに呆けだらしなく開いた口から二人分の唾液が混ざった液体を零している男に、欲情に掠れた声で改めて無慈悲な却下を浴びせた。

「□□さん、まだ駄目ですよ。最初に言ったでしょう? 今日はたっぷり、じっくりお預けして、□□さんのエッチな身体がいつもの何十倍もエッチになってからじゃないと入れてあげません。もっともっと我慢して、今よりずっとずっと発情して、俺のチ○コが中で往復する度にイきまくっちゃうくらいエッチになったら入れてあげますから、それまで頑張って……いやらしく苦しむ所を俺に見せてください」
「ふぁ、あっ、はあぁ……っ!」

鬼畜で一方的な要求を被虐の至福と捉えて嬉しがり、自分に密着した裸体をビクつかせつつ乳首と男根を跳ねさせ中指に拡げられた尻穴をきゅんとときめかせる年上の男を味わいながら、青年は自分に苛められて悦楽を示す最愛の男から今以上に獣欲を掻き立てる反応を引き出したい一心で尻穴への焦れったい責めを再開し、男と己の爛れた欲望を際限無く膨らませていくのだった。
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