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虎はもどかしさを承知で己の男根を苛め抜く

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左右の手首と足首に嵌められた金属製の枷と壁の金具を遊び無く繋ぐ長い鎖をがちゃがちゃと鳴らしながら、男が地下室中央に設置された台の上に背中を預けさせられた仰向けの裸体を無我夢中でよじらせている。自慢の爪を駆使しても傷一つ付かない頑丈な拘束との格闘を諦め悪く繰り返し、鋭い牙の間から甘く乱れきった吐息を飲み込みきれなくなった唾液と共にだらしなく垂らしながら、虎獣人の男が筋肉質な縞柄の肉体を必死で暴れさせ続けている。
それは、自由を奪われた状況からの解放を手繰り寄せる為の行動ではない。虎がなりふり構わずに試みている行動の正体は、無理矢理に引き起こされた暴力的なまでの疼きを鎮める為の物だ。
無防備にさらけ出された左右の乳首と、男根。そして尻穴に対して淫猥な苦悶を味わわせる目的で編み出された非道な魔術を施された虎は、雄々しく鍛え上げられた裸体を情けなくもがかせながら捕らわれた事実を覆すことではなく気が狂う程の火照りの解消を求める足掻きを、一人きりの地下室で無様に行い続けていた。

「あぁっ、んぁぁぁっ! もっと、もっろぉ……! ひんこっ、きもぢっ、いぃぃっ!! うぁっ、まりゃイぐぅ! イっ、ぎゅぅぅぅっ!!」

もう何十度目かも分からない絶頂に達した虎が、四肢を縛められた裸体を淫らにくねらせ腰を上下に振りながら、残忍な魔術の効果で快楽への渇望を限界まで増幅させられた男根から勢いよく精液を噴き出させた。その痴態からはもはや、屈辱と恥辱に苛まれながら自らの太くしなやかな尾で男根を扱き始めた虎の面影など微塵も感じられない。魔術の力で精液の枯渇とは無縁の状態へと追い込まれた男根を一生懸命に尾で摩擦し斜め上に向かって大きく開かされた手足を痙攣させながら自らを射精に導いている虎は、傍から見れば情けなく悦楽に溺れている淫乱な獣にしか見えないだろう。
だが、実際は違う。小休止も挟まずに自身の尾で男根をいたぶっている虎が覚えているのは、大きな悦楽とそれを上回るもどかしさだ。
幾ら男根を射精に押し上げても、虎の心と身体は一向に満たされない。男根と同じように魔術によって重く辛い発情期を凝縮したような疼きと淫らな熱に責め立てられている左右の乳首と男根は、男根の熱を慰める度に自分も自分もと快感を希求する叫びを強めていく。
ビンと尖り真っ赤に充血している乳首を捏ね回してやりたくても、虎の指と舌はどうやっても届かない。自覚出来るくらいにヒクヒクと収縮し腸液を滲ませている尻穴を弄ってやりたくても、唯一自由な尾を使って注げる刺激は男根への摩擦に遠く及ばない入り口を撫で回す程度の物でしか無い。
結局、一番火照りを誤魔化せるのは男根を尾でにちゅにちゅと擦り射精を追い求め続ける動きだ。そう結論づけた虎は、延々と膨らんでいく乳首と尻穴の苦悶に思考を蝕まれつつ少しでもその苦悶を紛らわそうと尾に命令を飛ばし男根をより早く擦り上げていく。イってもイっても、終わりなど見えない。このままイきまくり続けても、待ち受けるのは理性と正気の喪失のみだ。
そんな絶望の事実を把握していても、虎は快感の追求をやめられない。淫蕩な至福に浸りもどかしさに狂わされながら長い長い絶頂地獄の果てに壊れる道と、快楽を遮断し内側に湧き上がる欲望にじわじわと全てを押し潰されつつ壊される生殺しの道の二つを秤に掛け前者を選んだ虎は、何もかもをかなぐり捨てて尾を上下に往復させ自らを新たな絶頂へと突き上げていく。

「あっあ、んあぁぁぁっ! イぐ、イぎゅぅぅぅーっ!! ぐるじいのにぃ、ちくびと、けひゅあな……づらいのにぃっ!! きもぢぃぃ! ひんこっ……ぎもぢいぃぃぃぃーっ!!」

崩壊以外の結末を没収された裸体を一層激しく痙攣させながら精液をまた勢いよく噴き出させた男根を先走りと精液に塗れた尾を用いて次の射精へと運んでいく虎は、自分を捕らえ拘束と魔術を与えてこの拷問に放置した人間族の男達の顔さえも思い出せなくなった頭で淫らな悦びと苦しみを抱きつつ、雄の獣人を捕獲し調教を加えて売り飛ばす醜悪な人間達の思惑通りに今までの自分を跡形も残さずに砕き尽くされていくのだった。
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みんなの感想(1件)

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2022.01.06 リュー

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