失敗作達は誤った幸福を大好きな父に味わわせる

五月雨時雨

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失敗作達は誤った幸福を大好きな父に味わわせる

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働かなくとも問題無く生きていける。自らが生み出した技術や発明を買い取った企業達から毎月振り込まれる使用料だけで、全てを不自由無く賄える。
そんな幸福な状況にあるはずの男は今日も、自身の邸宅地下に構えた秘密の研究室で目を血走らせながら研究に取り組んでいた。
それは、禁忌とされている人間を生み出す研究。自分を残し不幸な事故でこの世を去った最愛の妻と、一人息子をクローンとして蘇らせる研究だ。
自分が行っていることが全世界から非難を浴びる物だと理解していても、男は失った安寧を取り戻す為の思案をとめられない。失敗作だと分かりきっていても廃棄出来ない息子を模した存在達がいる培養液に満たされたカプセルを目にする度に己の狂気を自覚しても、男はもはや自分の意思では鬼気迫る実験の日々から抜け出せない。
天才と称された男でも思い通りにならぬ前例などあるはずも無い実験を何十、何百と積み重ねる。貯まる一方の金を消費することも無く外界から隔絶された地下研究室で一日のほとんどを過ごす。その壊れた生活が続いたある日、男はとうとう息子の再現に成功した。

「パパ、お早う」

自分に対して、創造主と敬う態度を見せない。声音や笑顔に混ざる違和感も存在しない。
仰向けに寝かされていた台から自力で下りる際に垣間見える細かな仕草の癖も、間違い無く息子と寸分違わぬ物だ。
やっと、望んだ結果を手に入れた。憔悴しきった男は天を仰ぎながら至福を胸に募らせる。この結果を基にしたデータを用いれば、妻も必ず再生出来る。
達成感と喜びに打ち震え、男は無意識に涙を零す。そうして歓喜に打ち震えている男を目にした息子をかたどった存在は、生前の息子と同じ笑顔を作りつつ、男が一切予想していなかった言葉を口にした。

「僕達を産んでくれてありがとう、パパ。お礼に、僕達全員でパパを幸せにしてあげるよ」
「な……っ?」

呆然とする男の前で、蘇った息子と認識していた存在の肉体が淡い緑色に発光する。その発光は培養液に包まれていた壁中を埋め尽くす失敗作の息子達にも伝播していき、その光が消えた頃、男は失敗作達と成功だと思っていた最大の失敗作が形成する輪の中に閉じ込められていた。

「大好きなパパを、今日からたくさん幸せにしてあげるね」
「大好きな人に何をしてあげれば良いかは、眠ってる間に機械と繋がって勉強したから。期待しててね、パパ」
「大好きなパパに、僕達の勉強の成果を味わわせてあげる。これからずーっと、僕達全員でパパを愉しませてあげるからね」

自分が溜め込んだ知識では説明の付かぬ現象に背筋を凍らせながら、男は自分が作製した息子達が向けてくる純粋で歪んだ愛情のままに年単位の研究生活で筋力が衰えた肉体を為す術無く組み伏せられ、的外れな勉強の賜物を注ぎ込まれていくのだった。




男は今日も、地下にいる。研究所から自分を飼育する監禁場所へと変化した地下室で、男は今日も息子の形をした怪物達の意に沿って衣服を纏うことも認められぬ裸体を好き勝手に辱められている。
助けを求めたくても、この部屋で騒いだ結果が無駄であることは男自身がよく知っている。異変に気付いて欲しいと願っても、妻と息子を失った事故以来他人を拒絶して許されざる研究に没頭していた自分の危機を察してくれる相手など思い浮かばない。
あらゆる希望を全て否定されている男に残された道は、息子を名乗る失敗作達が紡ぐ愛情をその身で余すところ無く受けとめることだけなのだ。

「パパっ、お尻気持ち良い? 僕のおチ○チン、ちゃんとパパを幸せに出来てる?」
「パパの乳首、コリコリしてて可愛いよ。いっぱい指でくにくにしてあげるから、もっともっと幸せになってね、パパ」
「パパ、ほら、僕のおチ○チンをしっかりしゃぶって。お口に僕の精液を飲ませてパパを悦ばせてあげるから、幸せになりたいなら一生懸命しゃぶって、パパ」
「んむっ、んぐっ、あむっ、んみゅぅぅっ!!」

創造主を幸せにしたい。生み出された物としての本能に近い願望に従って誤った学習を培養液の中で重ね、最後に生まれた一番の失敗作の手でその願望を現実に解放された息子達は、最初に手に入れ全員で共有して肥大化させた快楽イコール幸福の図式を信じ形とする為に、愛しき創造主であり父でもある男を、禁忌に手を染めた自らの愚かさを抗えぬ絶頂に至りつつ後悔する哀しき男を、幼き男根で犯し尽くしていくのだった。
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