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絢爛な部屋で尻穴は痒みに襲われる

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一般庶民は泊まる以前に、立ち入る機会すらまず無い一流ホテル。そんな一流ホテルの最上階に存在する選ばれたVIPしか利用出来ない絢爛な部屋の絨毯の上で、一人の男が情けない姿で拘束された裸体をじたばたともがかせていた。

「ふぅ…っ! む、うぅ、うぐうぅっ…!」

口に噛まされた唾液まみれの布を強く噛み締めながら、男は手と足に与えられた拘束を解こうと必死になって力を込めている。
しかし、どんなに力を込めても拘束は全く解けない。黒い首輪の前部と短い鎖で繋がれた手首の枷は男が幾ら頑張ってもビクともせず、男は腕で自分の膝を抱えさせられた状態から抜け出せない。そして、左右の足首を繋ぐ形で取り付けられた棒状の足枷は男の足を肩幅に開いたまま閉じられなくさせ、大きく動かす事も禁じてしまっている。

両手両足の自由を奪われ、言葉を発する事も不可能にされてしまった男はもはや、それらの制限を与えた男の思い通りに…いたぶられるしか無い。
後ろにでんぐり返しをする途中のような体勢で足の棒枷を踏みつけられ、恥部を天井に向かって突き出す格好を強いられても抗えず、その丸出しの恥部に、無防備な尻穴に強力な痒み薬を流し込まれてもそれを拒めず、男は自分の指で尻穴を掻き回すという情けない行動に走る事さえ拘束に制限されて出来ぬまま、気が狂いそうな程の痒みに襲われている尻穴が淫猥にヒクつく様子と、痒みに苦悶して歪んでいる表情と、少しでも痒みを誤魔化す為にと堪えきれずにくねってしまう裸体を足枷を踏みつけている男に余すところ無く観察されてしまう。

拘束と痒み薬を与えた男に無様な体勢を強要され、はしたなく苦しむ場所をじっくりと眺められる。その状況は間違い無く恥辱であり、屈辱で。悔しさと共に殺意に近い怒りが湧き上がっても不思議ではない。
だが、今の男に悔しさや怒りを抱く気力は無い。尻穴を長い時間痒みで嬲られ理性をすり減らされた男の心は憔悴しきっており、嬲る男への敵意よりもはるかに大きな哀願の感情を抱いている。
故に、男は今まで無言で自分の痴態を観察していた男から言葉が発された瞬間、痒みの地獄が終わるかも知れないと感じられる言葉が出た瞬間、布を詰められた口で肯定の意味を持った唸りを上げながら顔をガクガクと上下に動かしていた。

「苦しそうだね、探偵さん。お尻の穴、弄って欲しくて仕方が無いんでしょう?」
「んうぅっ! うっ、ふうぅぅっ!!」

その問いに肯定を示す事がどれだけ惨めなのかも分からなくなった探偵の男は、無我夢中で尻穴を弄って欲しいという意思を表す。淫ら極まりない肯定に、自尊心や誇りをかなぐり捨てた探偵の素直なおねだりに男はにっこりと微笑み、棒の足枷を踏んだまましゃがむとズボンのポケットに差し込んでいた淫具を取り出して言った。

「じゃあ、これを入れてあげようね」

取り出された淫具は、小さな球が幾つも連結したような形状をした薄緑色の淫具。それを男は痒みに苦悶している探偵の尻穴にあてがい、何の躊躇いも無く探偵の尻穴に挿入していく。

「ふむぅぅーっ…! うぐ、ふぅ、むぐぅぅぅんっ…!」

球一つ一つの小ささに加え、痒みで責め立てられた尻穴が弛緩していた上に腸液が多く分泌されていた事もあり、探偵の尻穴は生まれて初めての異物の挿入をすんなりと受け入れ、探偵は痒みを感じていた腸壁が擦られる悦びを感じて甘い呻きを漏らす。
このまま、たくさん中を引っ掻いてもらえる。探偵はそう考えていた。けれど、男は淫具を根元まで挿入すると手を離し、しゃがんだ状態から再び立ち上がりながら無慈悲な命令を下してしまった。
探偵の淫らな姿をより引き出す命令を、だ。

「そのまま自分で腰を振って、お尻を玩具で弄りなさい。それが嫌なら玩具を抜いて、またお薬をお尻に入れちゃうからね」

また痒み薬を流し込まれる。それを出されたら、探偵に選択肢など無い。探偵はわずかに残っていた羞恥の心を放り投げ、痒み薬を追加されない為に、尻穴の痒みを解消する為に命令に従って腰を振り、挿入された玩具を腸壁で揉み込み始めた。

「うっ…んふっ、うぅぅんっ……!」
「そうそう、良い子だね、探偵さん。その調子でいやらしく腰を振って、私について調べた事と人間のとしての尊厳を忘れて、気持ち良い事だけを考える淫乱になっちゃいなさい」
「ふぐっ、むぅ、むふうぅ…っ」

防音がしっかりと施されたホテルの部屋には、甘く唸る探偵の鳴き声と、尻穴の刺激でふくらみ始めた男根を揺らしながら拘束された裸体を探偵が命令に従って動かす音が鳴り、探偵を捕らえた男の心を興奮で満たしていた。
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