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主とペットは待ち侘びた生活の訪れを悦ぶ

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地元を離れ都会の大学に通うこととなった少年はその日数日分の着替えを詰めたバッグを肩から提げて、一つのマンションへと向かっていた。そこは、少年の近所に暮らしていた青年が住む場所で、少年が今日からお世話になる場所。少年が上京するという情報を聞いて大学が近くなんだからと同居を提案した青年が少年の到着を待っている場所だ。
金銭面の負担が減り、ちょうど良い部屋を探す手間が省け、何より昔から付き合いがあり信頼出来る青年に保護者役を頼める。その申し出を受けた少年の両親は申し訳なさを抱きつつも青年の好意に甘え、負担するつもりだった家賃その他を青年宛に送ることを約束して少年を青年の元へと送り出した。当然、少年に青年への迷惑を掛けないようしつこいくらいに言い含めた上でだ。

「お世話になるんだから○○君の言うことをちゃんと聞くように……か」

目的地のマンションに着いた少年は、青年が住む階層へと向かう一人きりのエレベーターの中で両親の言葉を思い出し、ぽつりと呟いた。
迷惑を掛けるつもりは欠片も無い。余計な苦労を掛けるつもりも無いし、家事も積極的に手伝いたいと思っている。
だが、少年が青年の言うことを聞くことは無いだろう。何故なら、言うことを聞かせるのは少年の方だからだ。

「○○、着いたよ。待たせてごめんね」

青年の部屋へと入り、自分の両親だけでなく青年の両親の前でもしたことの無い呼び捨てを玄関の扉を閉めながら行った少年。そんな少年の元に、奥の部屋から青年が歩み寄っていく。
犬の足を模した茶色い手袋とブーツを嵌めた手足を使って四つん這いの体勢を取りながら頭部に取り付けた犬の耳の飾りを跳ねさせ、赤い首輪の前部から伸びた緑色のリードをフローリングに引き摺りつつ勃起した男根と尻穴に挿入したアナルプラグから垂れ下がっているふさふさの尻尾を揺らめかせつつ、青年が甘えた表情を少年に寄せて一歩また一歩と近寄ってくる。
恥部を一切隠さない淫猥な衣装を身に纏い、興奮からはぁはぁと息を乱しつつ四つん這いで距離を詰めてくる青年の様子を少年は微笑んで眺めている。その微笑んでいる少年の前にたどり着いた青年は四つん這いから体勢を変え、恥ずかしい場所がより見えやすくなるチンチンのポーズを取って言葉を発した。
年下の少年を自身の家に迎える立場の言葉ではなく、身も心も捧げた愛しい主を歓迎する従順なペットの立場での言葉だ。

「お待ちしておりました、ご主人様ぁ。今日から毎日可愛がって頂けるなんて……○○は幸せなペットですっ」

嘘偽りの無い、本心から紡がれる悦びの感情。もう、二人の地元やこのマンションでこっそり会って身体を重ねる必要は無い。愛しい少年に会えない寂しさを募らせながら青年が一人で尻穴を掻き回す必要も無い。
待ち侘びた二人きりの生活の訪れを嬉しがり、これから始まる快楽調教の日々に期待して肉体の発情を高めていく青年。そんな青年を眺めて自身もこれから思い通りに青年を愛せる事実を再認識した少年は、本物の犬のように舌を垂らしている青年の頭を優しく撫でながら右手で首輪のリードを手に取り、愛しいペットに主として声を掛けた。

「ふふっ、僕も幸せだよ、○○。それじゃあ、もっと幸せになるために早速○○を可愛がってあげようね。今夜は、朝までたっぷりイかせまくってあげるよ」
「ふあぁ……ありがとう、ございますぅぅっ……」

大好きな少年にたくさん気持ち良くして貰える。少年の宣言に幸福感と欲情を加速させられた青年は、蕩けきった声で感謝を口にした。

「こら、今○○はワンちゃんなんだから人間の言葉を話しちゃ駄目でしょ? ほら、ワンちゃんはなんて鳴くのかな?」
「わ、わんっ、わぅんっ、きゃうぅぅんっ……」
「はい、良く出来ました」

上手に犬の鳴き声を上げた青年に対して少年は褒め言葉を送りながらリードを引いて青年を寝室の方へと歩かせ始め、青年は褒められたことで発情を強めた肉体を再び四つん這いの体勢にして、前を行く少年の後を従順に付いていきながら硬度を高めた男根と淫猥にヒクつく尻穴から生えた尻尾をいやらしくふりふりと動かしていた。
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