少年妖精は魔物達の見世物に堕とされる

五月雨時雨

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少年妖精は魔物達の見世物に堕とされる

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自身が住む村の長から命を受け、妖精族の少年は勇者である青年と共に行動し助言や導きを行っていた。この世界を救うための力となれる喜び、そして勇者達から必要とされている嬉しさを小さな身体と羽根に満たしながら積極的に役に立とうと張り切っていた少年。だが、少年はもっと役に立ちたいと思うがあまり迂闊な行動を取ってしまった。
敵である魔王の配下が所有する城の中で細い穴の奥に先に進む道を開くことに繋がるかも知れない意味深な突起を見つけた少年は、心配する勇者達を振り切って穴の奥へと進み、敵の目論見通りに捕らえられてしまったのだ。
突起に手を伸ばした腕に絡み付いた、壁から染み出た黒い魔力。その魔力に小さな身体を絡め取られた少年は穴の外で待っていた勇者達に助けを求め、助けたくても助けに行けない歯がゆさと少年が危機に襲われている焦りを抱きつつ自分の名を呼ぶ勇者達の声を聞きながら全身を魔力に包まれ意識を失った。
そうして捕らえられた少年が次に目を覚ましたのは、勇者と共にしていた旅の最終目的である魔王城の中で。妖精の少年は黒い魔力の紐を複雑に編み込んだ宙に浮いている丸い檻の中に閉じ込められ、失神している間に衣服を取り上げられた裸体を醜悪な笑みを浮かべた魔物達に観察される恥辱を加えられていた。

「ん、あ……ここ、は……? ひっ、うわぁぁぁぁっ!?」

目を覚ました少年は霞む視界で辺りを見回し、自分を閉じ込めている檻と檻の隙間から自分を眺める様々な魔物の視線に気付き自分が裸体に剥かれていることを把握すると、悲鳴を上げながら身体を起こし丸出しの裸体を腕と閉じた足で覆い隠した。

「お、ようやく起きやがったか」
「おはよう、妖精君。魔王様の城へようこそ」
「う、うるさい! 見るな、見るなぁぁっ!!」

笑みの黒さを濃くしながら自分への好奇と嘲りの視線を強める魔物達に叫びながら、妖精の少年は裸体と羽根を小刻みに震わせつつ腕と足に力を更に込めて裸体を隠す。
もちろん、見るなと叫んでも魔物達は見るのをやめない。裸体を一生懸命に隠しても、魔物達は少年が裸体を隠す様子を愉しみながら、逃げ場も味方も衣服も取り上げられた哀れな妖精の少年が檻の中で怯える姿を観察している。
絶望と恐怖に支配されながら、裸体を視線から守り続ける少年。絶望と恐怖に襲われ小さな身を強ばらせている少年を、残酷な笑顔を浮かべながら堪能する魔物達。そんな状況がどれくらい続いた頃だろう。不意に檻を覗き込む魔物達の視線が無くなった。少年が裸体を覆いながら顔を上げると、そこには頭部に二本の角を生やした黒い長髪の青年の顔があった。冷たく、非情な目をした青年に射貫かれた少年は、本能で理解させられた。
この青年が魔王だ、と。

「お前は随分と勇者に入れ知恵して、私の可愛い部下達を死に追いやってくれたみたいだな。私はお前が憎くて憎くて堪らんよ。脆弱で戦う力など無い妖精のお前相手にこれほどの憎しみを抱く日が来ようなどとは思わなかった」

街や人を襲ってた魔物を退治するのを手助けして何が悪い。ついさっきまでの少年だったら口に出さずとも胸にそんな反抗の言葉を浮かべていただろう。だが、魔王である青年の憎悪に満ちた目を向けられた少年は胸に反抗を浮かべることすら出来ない。身体中を串刺しにされるような威圧の視線を浴びた少年は魔物達に見られていた時とは比べ物にならないほどの絶望と恐怖を感じ、裸体を隠すことも檻の中に逃げ場など無いということも忘れて座ったままの体勢で思わず後ずさった。
泣き出しそうな表情を浮かべ、小さな男根を丸出しにした裸体を強ばらせている少年。その少年に、青年魔王は冷酷に告げた。

「私はお前を許しはしない。簡単に死を迎えさせてなどやらない。どんなに泣き叫んで慈悲を求めても、お前の心と身体を苦しめてやろう」

そう言うと、青年魔王は短く呪文を唱えた。すると、檻の中に黒い魔力の塊が三つ現れる。その三つの魔力は少しずつ形を整えられていき、やがてそれらはカチカチと歯を鳴らす少年の前で狼と虎、そして猪の獣人の姿をした三体の魔物となった。

「お前達、自分が作られた意味は分かっているな?」

青年魔王が三体の魔物に問いかける。問いかけられた魔物達は口角を吊り上げると、怯えきった妖精の少年に歩み寄りながら答えた。

「もちろん、把握しております」
「この妖精への辱めは、我々にお任せ下さい」
「勇者側についたことだけでなく、生まれたことをも後悔するほどに毎日いたぶり、こやつの無様な痴態で魔王様と皆様方を満足させて見せます」

三体の魔物が発した返答を聞いた魔王は微笑みながら頷くと檻に背を向け、幹部の魔物を従えながら歩き去って行く。
後に残されたのは、再び檻を取り囲んで中を覗き込む魔物達と、檻の中にいる魔物達と少年だけ。これから始まる少年妖精への凌辱を心待ちにする魔物達と、少年妖精を淫らに嬲るために生み出された魔物達と、残酷な見世物の主役にされた少年だけだ。

「い、いや……来ないで、いやぁぁ……!」

いきり立った男根を見せ付けながら距離を詰めてくる三体の魔物を見上げながら、妖精の少年は勇者達を思い浮かべることも出来ぬまま震えた声で哀願を発し、自分の惨めな様を欲しがっている魔物達を悦ばせてしまっていた。
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