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捕らわれた男達は痴態を暢気に嘲笑われる

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壁の下部がせり出しているかのような形で存在している椅子に、男達が腰掛けている。
本当は今すぐ立ち上がりたい。椅子から離れ、脱出に向けた行動を取りたい。焦る心に湧き上がる願いを実現させることも叶わぬまま、裸体に縄の拘束を施され壁と一体化した椅子に縫い付けられた男達は、視界を閉ざし言葉を奪う拘束を与えられた顔を屈辱と恐怖に歪めつつ無意味な試行錯誤を繰り返している。

「んむっ……うぐ、ふうぅ」
「ふむ、あおぉ! むぶうぅぅ……!」

二の腕を胴体へと遊び無く括り付け、左右の手首に背面で交差させた状態を強要する上半身の縄に力を幾ら込めても、自由は取り戻せない。足首同士とすね同士、及び太もも同士をきつく一まとめにする下半身の縄とどんなに格闘しても状況は変えられない。
見ることを禁じる黒革の目隠しを毟り取りたくても取れず、喉近くまでを貫いて発言を不可能にさせる男根を模した醜悪な枷を吐き出すことも出来ない男達。背にした壁や椅子となっている部分の各所に取り付けられている金具と裸体を縛める縄を結ぶ追い打ちの縄によってすぐ近くにいる十数人の仲間達と逃走に向けた協力を行うことすらも不可能にされた無様な男達。
雄々しく育てられた筋肉質な肉体を酷使しても、捕らわれの事実を思い知らされるだけ。くぐもった呻きを漏らしながら縄を解こうともがいても、その努力は己自身と仲間達を更なる絶望に追いやる音を奏でさせるだけ。そんなありとあらゆる希望を叩き潰された男達の耳に、今日も地獄の開始を告げる声が聞こえた。外界から隔絶された地下空間の扉を開けて訪れた声の主の正体は、一網打尽にされた男達の敵である組織に所属する者達。罠に嵌めて捕獲した正義の男達を弄び悶え苦しめる非道を、休息の時間を彩る娯楽として消費する残忍な男達だ。

「皆、お待たせ。今日もたっぷり苛めてやるよ」
「早速起動させて、全員仲良くよがり狂わせてやろうな」

扉を開く音がまだ残っている状態で放たれた宣言に、男達が戦慄する暇も無かった。室内を照らす電灯のスイッチと共にその脇に用意された無慈悲な淫獄を開始させる役目を有したスイッチを弄った敵達の思惑に沿って、甘い責め苦が男達を容赦無く嬲り出す。
表面からでは見えない位置に隠れた淫蕩な責め具が、口を満たす物よりも太く長い椅子の座面部分に装着されていた偽の男根達が、真下から串刺しにした男達の尻穴を荒々しい首振りで掻き毟り意に染まぬ雌の悦楽を抗えぬ男達に味わわせ始める。
動いていない間はどうにか意識を逸らすことで耐えられていた淫猥な衝動が、男達の中で肥大化させられていく。憎き悪達の手で開発された尻穴が、凶悪なイボを無数に携えた偽の男根の動きによって柔らかな腸壁を撹拌される刺激に屈して男達に快楽を覚えさせ、必死に自らを誤魔化すことで萎えさせていた男根達を惨めな勃起へと導いていく。

「んぎゅぅぅっ!! あぉ、むおぉ! ぶむぉぉぉぉぉっ!!」
「えぉ、あぎゅぅぅ! うぁっ、んおぉ! ぶぎゅぅぅぅぅぅーっ!!」
「おー、今日も良い鳴き声だねぇ」
「その調子でたくさん鳴いて、俺達を愉しませてくれよ?」

暢気に痴態を嘲笑う敵達の言葉に怒りを募らせる余裕さえも削ぎ落とされた男達は、黒革の下で見開いた目から溢れた涙を頬に伝わせ飲みきれない唾液を偽の男根の隙間から泡として零しつつ、無意識にきゅうと窄まった尻穴を蹂躙する淫具に敗北する形で触れられてもいない男根を一本、また一本と射精に上り詰めさせられていくのだった。
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