青年はかつての肩書きを浴びせられつつ淫らな頂点へと追い立てられる

五月雨時雨

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青年はかつての肩書きを浴びせられつつ淫らな頂点へと追い立てられる

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巨大なベッドの上部に配置された絢爛な天蓋を支える柱に巻き付けられた鎖が、ガチャリガチャリと甲高い音を立てる。自身から見て左側に位置する柱に繋がれた鎖が立てる音と、無意味な足掻きの度合いを知らせる揺れを閉じきられたカーテンの前に立った姿で存分に堪能した男は、諦め悪く危機からの脱出を試みる惨めな青年を直接弄びその誇りを切り刻むこれからの時間に対する期待で表情を醜悪に歪ませつつ、カーテンを勢いよく開き恐怖と驚愕の反応を示している青年に屈辱を煽る挨拶を嬉々として浴びせてやった。

「王子様、ただいま戻りましたよ。自分が使っていたベッドの上で身動きを封じられて、情けなく置き去りにされた今の気分はどうですか? 無様な元、王子様?」
「あっ、あおぉ! んまっ、むうぅぅ!!」

突然に開かれたカーテンの向こうから現われた男の問いに屈辱や怒りではなく怯え一色に染まった唸りを返しながら、かつて王子であった青年はベッドを上がり何処にも逃れられぬ自分との距離を詰めていく男に心からの拒絶を示す。
仰向けに転がされた肉体の頭部側に位置する天蓋の柱と右手首に装着された黒革の枷を遊びの無い鎖で繋がれ、左手首の枷と左足首の枷をもう片方の柱へと結合された青年は、足側の柱の片方に右足のみを結わえられたせいでいびつなY字バランスのような形に固定された裸体をなりふり構わずに悶えさせながら、自身の国を武力で掌握した帝国に所属する憎いはずの男に王族としての矜持を欠片も残さず捨て去った心からの哀願を棒状の黒い枷を噛まされた口から叫ぶ。
しかし、非道な男は全身を用いて全力で表現される許して下さいの意思表示を見聞きしても慈悲を一切抱かない。自分専用の淫らで惨めな捕虜とした王子の青年を意のままに追い詰め間抜けに悶絶させる娯楽を愉しみに来た残酷な男は、奴隷の都合など聞く価値も無いと告げる代わりに足を限界まで開かせたことで無防備にさらけ出された恥部との間隔を笑みの黒さを深めつつ狭めていく。

「えあ、うぇあぁぁっっ!! あぅええ! おぅ、ひゃえ……っ!!」

ほんの少し明瞭になった言葉も、展開をすでに確定させている男の前では至福を加速させる材料でしか無くて。隠したくても隠せぬ恥部の前にあぐらをかいた男は、羞恥に震えながらイヤイヤと首を左右に振る王子の面影を跡形も無く消失させた青年に興奮を増幅させながら、左手でまだ萎えている男根を、右手で異物を拒む術をとっくの昔に忘れさせてやった尻穴を、淫猥に責め立て始めてしまった。
左手の中に包み込まれ巧みな摩擦を注がれ出した青年の男根が、嫌がる持ち主の思いとは裏腹に悦楽を素直に受け入れてその硬度をじわじわと引き上げていく。右手の人差し指から薬指にかけての三本をいとも容易くねじ込まれ、別々の動きを不規則に行う指達によって腸壁に雌の幸福を流し込まれていく尻穴が、こんな仕打ちで気持ち良くなどされたくないと願う青年の思いも虚しく確かな快感を覚え始めていく。
このままでは今日も、この男の思い通りに痴態を披露させられてしまう。募らせた危惧も、もはや手遅れの段階まで追い詰められた青年にとっては絶望の色を濃くさせるだけの虚しい恐れ以外の何物でも無い。
誤魔化しようも無い気持ち良いに脳を蝕まれた哀れな青年は今日も、自分が王子として使っていたベッドの上で自由と衣服を没収された裸体をみっともなく強ばらせながら、意に染まぬ悦びを至上の幸福と誤認させる淫猥な辱めに堕とされ、祖国を壊した男に己の理性と尊厳を叩き壊されるしか無いのだ。

「あぶっ、も、んまっ! ふみゅぁぁぁぁっ!!」
「ほら、王子様。ケツ穴もチ○コも堪らないでしょう? 今の王子様は俺にいたぶられるだけの存在なんだから好きなだけイきまくって良いんですよ? 絶対に我慢なんてさせてあげませんから、殺したいくらいに憎い俺の手でどうすることも出来ずに快感を与えられながら……元自分の部屋に獣のような悲鳴を響かせつつ精液を漏らしまくって下さいね? 俺専用の性奴隷王子様?」
「うぐっ、もごっ……んむぁぁぁぁぁぁぁーっ!!」

今の自分はもう王子ではないと思い知らせる為にかつての肩書きを執拗に言葉として浴びせてくる男に男根を扱かれ尻穴を好き勝手にほじくり回されながら、青年は自分の持ち主に君臨した男の要求に従って無理矢理に頂点へと上り詰めさせられつつ、気の休まる自室から常に心と身体を擦り減らされる監禁場所となった部屋を満たす言葉にならない咆哮の悲痛さを迫り来る射精の時に合わせて滑稽に、愉快に変化させていくのだった。
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