返された自由で男達は無様な解放をねだる

五月雨時雨

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返された自由で男達は無様な解放をねだる

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意識は明瞭に保たれている。脳を絶え間無く襲う情報の激しさとは裏腹に、思考は冷静さを失うこと無く現在の状態を認識している。
本当はこんな情報など受け取りたくはない。今すぐにでも意識を失い、可能ならば正気ごと手放して地獄から逃げ去りたい。破滅を願う悲痛な思いも虚しく、失神と発狂を禁じる機能も備えた残酷な機械製の首輪は支配下に置いた哀れな男達の裸体を容赦無く操り終わりの無い淫猥な拷問を注ぎ続けている。
首輪に掌握された口は、誇りを捨てた助けてを叫ぶことさえ許されない。脳から送る命令の全てを非道な首輪によって遮断され己の物なのに己の指示を一切受け付けない物体と化した男達の裸体は、持ち主が胸の内に響き渡らせる哀願の絶叫を無視しながら異常なまでに感度を増幅させた状態を維持し、高まりきった自身を勝手に動かした手足で休み無くいたぶり続けている。
自らの汗が肌を滑る刺激すらも、絶頂に繋がる悦楽へと変わる。そんな肉体を己の手足に嬲られている男達はもう、ただただ間抜けにイきまくるだけの肉塊でしかない。男根と遜色無い程の弱点となり、見た目も正常なそれとは大きくかけ離れた太さと長さを持つ器官となった左右の乳首を捏ね回し引っ張る自分の指にイかされる。乳首から移動し尻穴へと到達した左右の指が首輪の影響を受けてはしたなく緩みきった入り口をこじ開けて内部へと潜り込み、過敏な腸壁を苛烈に摩擦する攻撃でイかされる。乳首を弄りながら、尻穴を掻き毟りながら行われる間抜けな腰振りに合わせて無様に跳ね回る男根が自身の太ももや腹部に情けない音を立ててぶつかる度に発生する衝撃でイかされる。
そんなイき地獄に狂わされている男達はもう、限界だ。自分と仲間を弄ぶ敵達への反抗を快楽に対する恐怖と屈服に上書きされた二人の男はもはや、甘い責め苦からの解放をねだることしか考えられない。
故に男達は仲良く悶絶する自分達を鑑賞していた敵の男達の手で一時的に首輪の支配を解除されると同時に、唯一自由を返された口を使い強要された意に染まぬ蕩けた笑顔のまま、心からの懇願を叫び始めた。

「イがぜでっ、ぐらじゃいぃぃっ! せーえぎだじだい! しゃせー、じだいぃぃぃっ!!」
「おにぇがい、じまずぅ! ぢ○ご、おがじくなりゅぅぅっ!! しゃせー、しゃせぇーっ!! だじだい、だじだいだじだいのぉぉーっ!!」

数え切れないくらいの絶頂を迎えさせられながらも今日はまだ一度も精液の放出を認められていない男根の脈動を引き上げながら男達が鳴き喚く。すぐ隣にいる仲間を案じる発想すらも忘れきった頭を射精への渇望で埋め尽くしながら、男達は乳首を捏ね尻穴をほじり達しているのに達せていないという矛盾した感覚にいたぶられている男根を踊り狂わせつつ射精を欲する。
しかし、残酷な鑑賞者の男達は二人のおねだりを見聞きしても射精を許可しない。二つの首輪を操作する地下室の床と一体化した巨大な操作盤の前に陣取った敵の男達は、かつて捜査員という立場に属していた男達が程良く鍛錬された筋肉質な裸体を痙攣させつつ自らを為す術無く嬲らされる愉快な見世物を醜悪な笑みを浮かべて堪能しながら、あと数十秒でまた無言へと引き戻されることも知らずに無駄な叫びを上げる惨めな正義の男達を悠然とした態度で味わっていた。
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