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淫らな矛盾に男は悶え狂わされる

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上半身側に大きく持ち上げる形で大きく開かされ、足首と太ももに巻き付けられた縄をベッドの上下に存在する柵へと遊び無く結わえ付けられた男の足は、恥部を自ら見せ付けているような状態で固められそこから抜け出せないよう動きを大きく制限されてしまった。その限界まで開脚させられた足の膝裏を押さえ付ける位置に肘を乗せられ、足と同じように手首に施された縄をベッドの上下の柵へと結び付けられた男の腕は恥部を覆い隠すことも、剥き出しにさせられた乳首を嬲る苦しみを解消することも不可能な状況へと追いやられてしまった。
どんなに暴れても、手足の縄は振り解けない。露出させられた男根を情けなく振り乱しながら身悶えても、自由は取り戻せない。そんな男に、もはや選択肢などありはしなくて。じわじわと強くなっていく一方の苦悶に狂わされ誇りと思考能力を失った哀れな男は、拘束との格闘を諦めると同時に唾液を飲み込む力も無くした口で自分を観察している男に向かってなりふり構わぬ懇願を飛ばし、惨め極まりないおねだりを叫び始めた。
それは、捜査員としての自分以前に人間として、男としての尊厳をかなぐり捨てた無様その物なおねだり。連日の調教で淫らな器官へと改造されてしまった乳首を責め立てる疼きからの解放を無我夢中で欲する、本能から紡ぎ出された許しを請う絶叫だ。

「おにぇがいじまずぅぅっ! ちくびぃ、ちくびいじっでぇぇっ!! いつもみたいに、こねこねじでぇぇっ! おがじぐなるぅっ! さわっで! さわっへぇぇぇっ!!」

もはや男は、捜査員であった頃の自分を思い出せない。仰向けに転がされたベッドの上で縄に縛められた裸体をみっともなくよじらせている己に羞恥を募らせることも、そんな自分を眺めて醜悪な笑みを浮かべている悪人の男に昨日向けていた殺意混じりの視線を再び作ることも出来ない。
乳首を苛む疼きに理性を溶かされ、喉が破れんばかりに声を張り上げて乳首への責めを希求する捜査員。普通の男の物とは比べ物にならない程に肥大化させられ、甘い刺激が無い状態を苦痛と認識するようになってしまった乳首への悦楽を憎んでいたはずの悪の男に寄せる捜査員。その愉快な様子に笑みの黒さを深めながら、悪の男は素直に欲望に溺れ始めた捜査員の陥落を更に加速させる為に無防備な恥部へと距離を詰め、しゃがみ込みつつ右手を伸ばして守る物の無い尻穴に指を潜り込ませ、本当に欲しい乳首への物とは別物の尻穴をほじくり回す快楽を嬉々として流し込み始めた。

「ひぃぃっ!? そっちじゃ、にゃぃぃっ! ちくびっ、ちくびいじめでぇぇっ! おひりじゃないのぉっ! ちくびさわっでぇぇっ!!」

乳首より開発は行われていないものの、捜査員の尻穴は突然に挿入された右人差し指と中指を難なく飲み込み、あっさりと雌の悦楽を受け取り出した。そっちじゃないと鳴き喚きながらも、捜査員は尻穴で快楽を覚え一切刺激をもたらされていない男根を硬く勃起させていく。乳首を襲う疼き由来のむず痒さと、腸壁を蹂躙する指の責めに翻弄されながら、男は本当に欲しい物とは違う快楽で絶頂へと為す術無く上り詰めさせられていく。

「あぁ、やらぁぁっ! ちくびが、いいのにぃっ! おひりでイぐぅぅんっ! やっ、んやぁぁぁっ!! だじゅ、げでぇっ! ぎもぢいいのに、ぐるじぃぃっ! ぎもぢ、いいにょにぃっ! 気持ちよぐなれにゃいのぉぉぉっ!!」

乳首を正気が削り落とされるくらいに苛烈なもどかしさでいたぶられ、尻穴を雌の至福で弄ばれ快楽の極みへと流され、自らの肉体でせめぎ合う淫らな矛盾によって一層激しく悶え狂い始めた捜査員を堪能しながら、悪の男は腸内に埋めた指で特に過敏な弱点である前立腺を指の腹で抉り、捜査員を完全な敗北を意味する淫蕩な崩壊へと叩き堕としていくのだった。
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