男は爽やかさと共に歪んだ充足と興奮を抱く

五月雨時雨

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男は爽やかさと共に歪んだ充足と興奮を抱く

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少年の腕は、どんなに力を込めても動かせない。左右の腕の肘から先と木製の椅子の肘掛けを黒色のガムテープで厳重に繋がれてしまった少年は腕の自由を完全に奪われ、指一本すらも思い通りにならない状況を与えられてしまった。
その腕への拘束だけでも絶望的だというのに、少年は足にも拘束を加えられている。椅子の前側の脚へと密着させられた少年の足は腕と同じ形でガムテープを執拗に巻き付けられ、逃げる以前に椅子から立ち上がろうと試みることすらもままならない状態へと追いやられてしまった。
肌の色が見えなくなる程に与えられたガムテープによって行動を大きく制限された手足では、椅子に縫い付けられた哀れな裸体を覆い隠したくても隠せず、言葉を封じるためにと口に貼り付けられたガムテープを毟り取ることも叶わず、抗えぬ身体を襲う無慈悲な責め苦から抜け出すことも出来ない。
逃走と抵抗の選択肢を一つ残らず潰され、無様に哀願を放つことさえも禁じられた少年はもう、為す術無く嬲られるだけの存在だ。椅子の座面に固定された極太の張型に貫かれた尻穴を奥深くまで容赦無くほじくり回され、勝手な射精に至らないよう幼い男根の幹全体を苛烈に圧迫している黒革のベルト達が生み出す振動によって不完全な絶頂を何度も何度も強いられている少年はもはや、自分の正面に置いたソファーに腰掛けて自分の悶絶を鑑賞している残忍な男を愉しませるだけの惨めな存在でしか無いのだ。

「んーぅっ! んぐっ、むぶぅぅぅんっ!!」

涙に濡れた目を痛々しく見開かせ、テープ越しにくぐもった絶叫を発しながら、少年が自分を眺めている男に向かって誇りを捨てた懇願を向ける。椅子に括り付けられた裸体を苦しげに痙攣させ、何も吐き出せない絶頂を数え切れない程に迎えさせられている男根を拘束の範囲で一生懸命に突き出しながら、少年は心の底から救いを求めて男にくぐもった悲鳴を飛ばし続けている。
だが、残酷な男はみっともなく許しを請う少年に黒い笑みを返すのみで、ソファーから立ち上がる気配すら見せない。言葉になっていなくともよく分かるなりふり構わない懇願を目と耳で存分に堪能しながら、非道な男はベルトに締め上げられて哀しげに変色した男根を主張しつつまた不完全な絶頂に至る愉快な少年を味わうだけだ。

「ふぶぅぅぅんっ!! んむっ、も、おぶぅぅ……っ!」

射精したい。淫らな願望に思考を埋め尽くされ、少年が男への怒りを跡形も無く失った頃。解放出来ないまま限界以上に蓄積させられた淫猥な熱に心と身体を掻き乱された少年が、この地獄が終わる条件を思い出すことも叶わないくらいに疲弊し、無駄な哀願さえも行えずにイき狂うのみとなった頃。設定された時刻の訪れを認識したベルト達は一斉に少年の男根への圧迫を緩め、振動による快楽はそのままに待ち望んだ射精の瞬間を、少年にもたらしてやった。

「ふぶっ!? んもっ、お! んぶぉぉぉぉっ!!」

汗に塗れ憔悴しきった裸体を椅子の上で大きく跳ねさせ、少年は抑えきれない悦び一色の鳴き声を上げながら精液が男根をせり上がってくる感覚に幸福を募らせ、今の自分がどれだけ情けないかも分からぬまま、憎い男に全てを見られていることも忘却したまま、淫蕩な至福を感じつつ理性と本能で求め続けた射精へと達した。

「んむっ、うぶぅぅぅんっ! むっ、ぶふぅぅぅぅ!!」

何十回分もの絶頂を一度に行うかのような勢いで精液を男根から噴き出させ、テープに閉ざされた自らの口をも白濁で汚しながら、少年は大きな大きな絶頂に打ち震え全身で嬉しさを示した。
しかし、快楽責めはまだ終わらない。尻穴と男根を責め立てる機械が動き続けている以上、手足を椅子に繋がれ機械から離れられない以上、少年は例え快楽を拒む思考が残っていたとしても、続けざまにやって来る絶頂の波を遠ざけることなど出来はしないのだ。

「むぐっ、んもっ、むぶぅぅんっ!」

断続的に押し寄せる甘い悦楽の塊に幸せそうな声を上げ、正気を失った状態で射精を繰り返す少年を作り出しじっと見つめている男は、ソファーに深く座り直し悠然と足を組みながら、淫らに悶え苦しむ少年に聞こえていないことを承知で挨拶を口にした。

「明けましておめでとう、怪盗君。今年もたくさん、君をいたぶってあげるからね。毎日毎日弄んで、辱めて、さっきまでのお預けや今みたいなイき地獄で……いやらしく可愛がってあげるからね」
「ぶぅぅーっ! んー! んぐぅぅぅぅーっ!!」

自分の支配者となった男の言葉を自らの甲高い悲鳴で掻き消しながらよがり狂う少年怪盗は、新年の到来直後に許された射精を欲望のままに受け入れ、心地良さげに悶絶する己の痴態で男に歪んだ充足と興奮を、新しい年の訪れが生む爽やかさと共に抱かせていた。
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