目覚めた男は股ぐらへの非道を凝視する

五月雨時雨

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目覚めた男は股ぐらへの非道を凝視する

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目を覚ますと、衣服を剥ぎ取られた裸体に縄の拘束を着せられ、守る物を失った尻穴を無遠慮な指に征服されていた。
下腹部の違和感を感じて意識を取り戻し頭部を起こした男は、己に起こった信じがたい展開に目を見開いて絶句している。二の腕を胴体に繋ぎ左右の手首を背中で縛る上半身の縄と足首と太ももを遊び無く結んで左右の足を折り畳んだ状態に固定させる下半身の縄を与えられ、それらの縄と自身が仰向けに転がされた台の側面にある金具達を結合する後から足された縄のせいでのたうち回ることさえも不可能にされた事実を拒絶する為のもがきさえも紡げぬまま、男は驚愕が貼り付いた顔で自身の股ぐらに許可無き辱めを加えている男を凝視している。
自らに注がれるその凝視に男が気付いたのは、尻穴に埋めた右の人差し指と中指を刺激する腸壁の反応に変化が生まれたからだ。
明らかにそれまで無かった動きを感じて顔を上げた男は、睡眠薬が切れて覚醒に至った男が魅せる驚きの表情に狂気を含んだ穏やかな笑みを返しつつ、尻穴をほじりながらの挨拶を行った。

「刑事さん、おはよう。お薬が効いてよく眠ってたね。僕がお尻を解してあげてる間も、気持ち良さそうに喘いでるのにずっとぐっすりで可愛かったよ」
「ぬ、抜け……お前、何で……?」

嬉々として発せられる起床の挨拶と、眠っている間の様子の説明に、刑事と呼ばれた男は困惑と戦慄に震えた声音で尻穴を満たす指の退出を求めた。
しかし、男はそれに応えない。むしろ男は、丹念に時間を掛けて開発した尻穴を本格的な責めを開始させた指で蹂躙し甘い悦びを無理矢理に味わわせつつ、受け取る側のこと以前に自分が受け取る側に回ることさえも考えていない言葉のボールをまた投げ付けた。

「刑事さんのお尻、初めてとは思えないくらいに従順で、解してて愉しかったよ。寝てる間は起こしちゃわないよう本当に気持ち良いところは避けてたけど、起きた今は本当に気持ち良いところも弄ってあげちゃうよ。ほらほら、堪らないでしょう、刑事さん?」
「んひっ、ひぁぁぁっ!? やっ、やめ、あ、あぁ!? ふぁぁぁぁぁーっ!?」

それまでわざと避けていた特に過敏な前立腺を、男が愉悦を剥き出しにした言葉を飛ばしつつ右人差し指と中指の腹でリズミカルに抉り出す。男の技と、自身が知らずに有していた素養の相乗効果で生まれて初めてのはずの刺激をあっさりと淫猥な幸福として汲み取らされた刑事は、湧き上がる衝動のまま耐えることも許されずに頂点へと為す術無く押し上げられ、触られてもいないのに硬く張り詰めていた男根から濃く量の多い精液を噴き出させた。

「ふふっ、すぐイっちゃったねぇ。刑事さん、気持ち良い? お尻をほじほじされながら、敵である僕に見られながら精液びゅーびゅー絞り出すの、気持ち良い?」
「ぎっ、ぎもぢいい、がらぁっ! もっ、もぉやめで! 指っ、ごりごり……やらぁぁっ!!」

寄せられた問いに、刑事の男は縛められた裸体全体を痛々しく悶えさせつつ肯定の叫びを返す。達したばかりで過敏になっている前立腺を追い打ちで圧迫する指に悶絶を強いられながら、刑事は屈辱や悔しさといった感情も忘れた舌足らずな懇願を喉が破れんばかりに放つ。
しかし、無慈悲で正常とは言いがたい男は何もかもをかなぐり捨てて許しを請う刑事の思いを受け入れない。最高に育て甲斐のある反応を披露する刑事に黒い興奮を滾らせた男は、幼子のように泣きじゃくる刑事を嘲笑いながら、早くも次の射精に近付きつつある惨めな男根に口を大きく開かせ迫らせていく。

「お尻だけでこんななら、おチ○チンも一緒に苛めたらどうなっちゃうんだろうね? まぁ、それはやってみたら嫌でも分かるよね、刑事さん?」
「ひっ、ひぃぃっ!?」

じょじょに男の口内に収められていく男根をどうすることも出来ずに眺めながら、根本までを取り囲むまでは刺激を与えないよう舌や頬肉に注意を払いつつ男根を口に含む男の悪戯な視線に戦慄を掻き立てさせられながら、刑事はもうすぐ始まる淫猥な地獄に身を強ばらせて尻穴の指をぎゅうと包み、男根の根元を閉じた唇で絞めようとする男の口を醜悪に微笑ませていくのだった。
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