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男は痴態を晒して見る者を悦ばせる

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「んーっ! むぅっ! んぐぅぅぅっ!!」

後ろに回された腕に、手首同士と二の腕同士を遊び無く繋ぐ縄を施された男が口を塞ぐ黒のガムテープごしに焦りのこもった唸りを発しながら、腕を拘束する縄と灰色のボクサーパンツのみの姿にされた肉体を暴れさせて逃走を図っている。伸ばした状態を強いられた腕を可能な限りに振り回し、足に力を込めて必死の抵抗を行う男。だが、そんな男の動きは望む効果を何一つとして生み出せない。
腕と口に拘束を施した男達によって数人がかりで連行される男はどんなにもがいても自分を取り囲む男達に抗えず、為す術無く歩かされることしか出来ない。
連れてこられた部屋の中央に置かれていた薄桃色の分厚いマットに自由を奪われた肉体を乱暴に突き飛ばされても、男は受け身すら取れぬまま肉体をマットの上に転がされるしか無かった。

「むぐぅっ! う、うぅぅ……!」

マットが幾ら分厚くとも、腕を思い通りに動かせない状態で肉体を強く打ち付けられる衝撃は思わず悲鳴を上げるほどで、男は走った痛みに顔をしかめながら自分を好き勝手に扱う男達に鋭い視線を向ける。
そんな鋭い視線に、圧倒的に有利な立場にいる男達は嘲りを含んだ笑みを返し、未だに強気な態度を保っている反抗的な男に更なる拘束を加えようと動き始める。
転がされた状態のままだった肉体をマットの上で仰向けに変えられ、無理矢理に足を折り畳まされ、その折り畳まされた足に太ももと足首を括る縄を与えられ出した男は先程までに睨み付けの表情を一気に戦慄色に染め、なりふり構わずにじたばたともがいて足への縄を拒む。

「うぐぅぅぅっ! ふぅっ! むぐぅぅぅ!!」

もちろん、腕を縛り上げられた肉体をもがかせても、それは到底男達の動きをとめることには繋がらない。
無我夢中で行われるプライドをかなぐり捨てた足掻きも、左右の肩をマットへと押さえ付けられ、足の動きを体重を掛けて制されては無いも同然で。男はあっという間に腕だけではなく足をも拘束され、移動はおろか立ち上がることすらも不可能にされてしまった。

「うー! んっ、むぅ……んっ、んぐぅっ!」

肩を押さえ付けられた状態で頭部を振り乱してくぐもった唸りを上げ、縛られた足を押さえ付ける腕を振り払おうと開かされている足に力を込める無様な男。文字通り手も足も出せず、何をされても拒絶出来なくされた惨めな男がボクサーパンツのみを身に着けた肉体をくねらせて諦め悪く危機からの脱出を試みる様子を目を細めて堪能した男達は、無意味な動きを繰り返す男に辱めを注ぐための準備を始める。
準備と言っても、それは一瞬だ。用意していた二つの器具を、男の弱点にあてがうだけ。マッサージ器に似た器具の丸みを帯びた先端で、ボクサーパンツごしに無防備な男根を左右から挟み込むだけだ。

「むぐぅぅっ!? んもっ、もぶぅぅぅっ!!」

男根を挟み込む感触に反応して自身の股間へと視線を向けた男は、驚愕と恐怖を募らせて顔を強ばらせ、悲痛な声を漏らしながら一層激しくもがいて逃れようとする。
男達はその怯える様と何の効果も無い行動を眺めて口角を残忍に吊り上げると、何の躊躇いも無く器具のスイッチを親指でスライドさせた。
器具が男根を容赦無く振動させる、無慈悲な快楽責めの始まりだ。

「んぶぁぁぁぁーっ!? んむっ、ぶぅぅ! むぉっ、おむぅぅぅぅ!!」

過敏な男根を襲う甘い刺激に男は縄を与えられた肉体をマットの上で仰け反らせ、淫らな絶叫を放ちながら小刻みにガクガクと痙攣させる。その情けない絶叫を聞き、肉体の痙攣を愉しむ男達は、男の苦悶に興奮を加速させ肉体を押さえる手の力を強めつつ男根を嬲る器具をより強く、刺激に屈しボクサーパンツの中で硬く膨らんだ男根へと押し付けていく。
逃げ場の無い快楽に弄ばれ、器具から男根を逃がそうとする無意識の腰のくねりを無視して器具で男根を執拗に追いかけられた男はもはや絶頂を迎えさせられるしか無く、我慢しようという意思を持つ余裕すら持てぬまま、男は器具の振動で絶頂へと追い立てられボクサーパンツの中に白く濁った淫猥な体液を放出させられてしまった。
だが、男の地獄は終わらない。男達は絶頂に達した男から手と器具を離そうとしない。それどころか手は男に快楽を散らす身悶えすら許さないかのように押さえ付ける力を引き上げ、器具は絶頂に至って過敏になっている男根の亀頭を狙い撃ちにしながら再度の絶頂を促すように男根をパンツの生地を通してぐりぐりと捏ね回してくる。
自身の体液で貼り付いたボクサーパンツの生地で男根を亀頭中心に擦られ、その責めが作り出す暴力的な快楽を誤魔化すための身悶えも男達の手で禁じられた男は、男根を萎えさせることも許されずにまた絶頂へと向かわされてしまう。男はもう、自分を捕らえた男達が求めるようにイき狂い、男達が満足するまで精液を絞り出されるしか無い。
男は、淫らに嬲られ痴態を晒して男達を悦ばせるだけの存在として扱われるしか無いのだ。

「もびゅぅぅっ!! ぶ、もぉぉ! うーっ! んぅっ、んぐぅぅ! むぶぁぁぁぁぁーっ!!」

大粒の涙を見開いた目から零し、反抗と哀願の感情を込めることすらも忘れた淫猥な悲鳴を発し、体液によって色の変化したボクサーパンツ内で男根を断続的に絶頂させられる状況に男を追いやった残酷な男達は、愉快その物といった笑みを浮かべながら快楽に心と身体を蝕まれていく男の姿を、目を細めてじっくりと味わっていた。
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