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捜査員は丸テーブルの上で淫らに踊る

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指を使えなくさせる黒色をした鍵付きの手袋を装着され、左右の手首に嵌められた黒革の枷と赤い首輪の後部を鎖で遊び無く繋がれた男の腕は背中で無理矢理に捻り上げさせられた状態から抜け出せず、自由を完全に取り上げられてしまっている。左右の足首と太ももに巻き付けられた黒革の枷同士を短い鎖で繋がれ、歩くことはおろか片方の足を持ち上げることすら不可能にされてしまった男は、逃走だけでなくわずかな移動も思い通りにはならない状況だ。
腕と足を厳重に拘束された男。一切の抵抗を封じられ、拘束を施した者達の好きなように扱われるしかない哀れな男。そんな男を作り出した男達は、無抵抗の男に更なる拘束と恥辱を加えた。
それは、男の首輪と天井の金具を繋ぐ新たな鎖と、男の口と性の弱点にあてがわれた淫らな玩具達だ。

首輪と天井を長い鎖で繋がれたせいで、男は立ったまま上体を折り曲げることすら許されず、拘束を施した男達四人がかりで乗せられた木製の丸テーブルの上から下りることも出来なくされた。まるでステージの上に立つかのように、丸テーブルの上で無様な拘束姿を晒す男。その無様な男をより無様にし、惨めに悶え狂わせる為に、男達は抗えない男の口に極太のバイブを押し込んで自力では吐き出せないよう黒のガムテープで固定し、左右の乳首に楕円形をした薄桃色のローターを口の物と同じテープで貼り付け、男根の根元とカリのすぐ下にローターと一体化している細いベルトを巻き付け、尻穴に空気を送り込むことによってひり出すことを不可能にさせるアナルプラグを挿入し、それらの淫具のリモコンを一人が一つずつ受け持って気まぐれに強弱を変化させている。

丸テーブルを取り囲むようにして一人がけソファーに腰掛けた男達に情けない姿をあらゆる角度から観察され、予測も身構えることも叶わないタイミングで淫らな責め具の駆動の強さを変化させられる男は激しい屈辱と怒りを感じているが、どうすることも出来ない。
男は口内をバイブに抉られ、左右の乳首をローターに震わされ、男根をローター付きベルトで小刻みに振動させられ、尻穴を拡張するアナルプラグに腸壁を激しく揺さぶられながら身動きを封じられた肉体を丸テーブルの上でくねらせるしか無く、捜査員としての誇りを無慈悲に削り落とされながら甘い悲鳴を上げてよがり狂う様子を憎い悪人の男達に提供して悪人達の目と耳を愉しませること以外、出来ることは一つも存在しないのだ。

「んもぉぉぉーっ! ほ、ぼぉ……うぐ、むぐぅ……んもっ、もおぉ!」

不規則に変わる淫具の責めに翻弄され、めまぐるしく変化する快楽の量に合わせて喘ぎを分かりやすく発する捜査員の男の淫らな踊りを見上げながら、悪人達は残忍な笑みを浮かべていた。

「むぐぅぅっ! おっ、おもぉぉ!! ふぅーっ、ふぅぅーっ……!!」

まだまだ、この快楽責めは終わらない。一向にリモコンから離れる気配を見せない悪人達の指を涙で潤んだ瞳で確認した捜査員は絶望に打ちひしがれながら高まる快楽に悲鳴を上げ、悪人達に弄ばれるだけの立場へと堕とされた肉体を、もう何十度目かも分からない望まぬ絶頂へと押し上げられていた。
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