見つけ出された男は頑張る狐の音楽として扱われる

五月雨時雨

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見つけ出された男は頑張る狐の音楽として扱われる

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床に溜まった埃が、自動で動く箒によって一箇所へと集められていく。壁や机に付着していた汚れが、自らの意思を持っているかのように舞う濡れた布巾によって拭われていく。
本来ならば自分がこの場にいなくとも行えるはずのそんな動きを眺め、来年こそは掃除に使える妖術を本格的に学ぼうかと例年通りの思いを抱きながら大掃除に勤しんでいた狐の妖怪の男は自分の妖力を受けて室内を清める物達の補助を行う為に背の低い棚を壁から離し、自身が積極的に研鑽を重ねている歪んだ妖術の果てに生み出した物体を数ヶ月ぶりに発見した。

「おや、こんな所にいたのか。道理で見付からないと思ったよ」

棚が壁から離れた瞬間ゴトリと音を立てて床に転がったビンを右手で拾い上げながら、狐が人ならざる口を残忍に歪めつつ言葉を掛けた。その声に対し、ビンの内側に閉じ込められている裸体の男は何の反応も見せない。退魔師として狐に挑んで敗れ、己の妖力を封じる術と共に肉体を小さく縮める術を施された男は、狭いビンの中で無様に乱れきった表情を晒しながら同居者である触手が自分の体液を餌として啜りつつ酸素や媚薬の効果を有する食事と共に絶えず生み出す快楽の責めに痙攣を繰り返している。
そんな滑稽な光景を愉しみ、それまでと違う動きを取らせた布巾に汚れたビンの表面を磨かせながら、狐は笑みの黒さを一層無慈悲に深めていく。そういえば、この退魔師入りのビンを最後に見たのはあの棚の上だった。かすかに残っている記憶と状況証拠からこの退魔師が触手とビンから逃れようと暴れに暴れた結果棚と壁の隙間に落ち誰にも気付かれないまま数ヶ月に渡って淫猥な地獄を味わい続けることとなったという事実を導き出しながら、狐は自分が最後に与えた命令に従って悦楽を注ぎ断続的な絶頂を強要していた触手と仲良しになった無様な退魔師に愉悦を募らせていく。
だが、狐はその愉悦をすぐにぶつけはしない。今が大掃除中であることを思い出しつつ久しぶりに目にした退魔師を新年を心地良く迎える材料の一つとして今夜用いる計画を決めた残酷な狐は、長期間触手に嬲られ呆けている退魔師をビンごと部屋の中央に位置する机に置き、金属製の蓋に右の人差し指と中指を置いて術を行使しながら、狂った年越しの流れを嬉々として退魔師に伝えた。

「今すぐにたくさんお仕置きしてあげたいけど、それは大掃除が終わった後にするよ。同じようにビンに詰めた他の退魔師さん達と一緒に今夜じっくりと反省をさせてあげるから、今は掃除を頑張ってる僕を応援する音楽になっていなさい」

狐の言葉を理解出来ない。それ以前に認識すら叶わない男の真上で強制的に正気を取り戻させ体力と気力を回復させる術を練りながら、狐は快楽漬けにされた裸体を淫猥にいたぶられ情けなく鳴き喚く愚かな退魔師の悲鳴を音楽として消費しつつ過ごす大掃除の時間への期待を男根と一緒に膨らませていくのだった。
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