無様な正義は淫猥なウサギとしてショーを盛り上げる

五月雨時雨

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無様な正義は淫猥なウサギとしてショーを盛り上げる

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二の腕から指先までを覆い、太ももからつま先までを隙間無く包むウサギの足を模した白くふわふわなグローブとブーツを纏った手足を楽しげに動かしながら、ステージの上で男が逞しく鍛え上げられた裸体を踊らせている。
頭部にあてがわれた白い兎の耳飾りを跳ねさせ、首に巻き付けた黒い蝶ネクタイを揺らし、尻穴に差し込まれているアナルプラグから垂れ下がったウサギの尻尾飾りと硬く張り詰めた丸出しの男根を振り乱しながら、恥部を隠す効果を一切持たない衣装を身に着けた男が観客達の前で劣情を刺激することを目的としたダンスを一生懸命に披露している。
その姿は、誰が見ても淫猥なショーを盛り上げる立派なダンサーだ。迷い無く痴態を晒し、雄々しき筋肉と可愛らしいウサギの飾りというミスマッチを提供する裸体でステージを縦横無尽に舞う男は、疑う要素を見付ける方が難しいくらいに己に与えられた仕事をこなしている存在としか認識されないだろう。
だが、その正体はすでに我々に看破されている。我々だけでは無い。今日この場に訪れた観客達にも、淫猥なウサギとして場を温める男が何者であるかは把握されている。
自分の周りには、同じ建物の中には、敵しかいない。そんな絶望の事実を知らぬままいつも通りにダンスを完遂させた男をステージの袖から眺めながら、私はマイクのスイッチをオンにし次の見世物の説明を開始した。
無論それは、男に伝えていた物とは全く違う趣向を凝らした最高に滑稽な見世物の説明だ。

「それでは皆様、お次はお待ちかね本日のメインイベントです! 愚かにも我々を嗅ぎ回り皆様に不利益を与えようとした潜入捜査員が何もかもを支配され無様に快楽を極めに極める様を、どうぞごゆっくりお愉しみくださいませ」

私の説明を耳にした観客達が、無言での鑑賞を保ったまま興奮のみを数段上の物へと引き上げる。それと同時に、予定に無いどころか予想すらもしていなかったショーの存在を告げられた捜査員の男がウサギの衣装を身に着けた裸体を驚愕に強ばらせる。
だがその驚愕は、すぐさま我々があらかじめ会場に設置していた装置の起動と共に淫蕩な発情及び意に染まぬ行動へと置き換えられてしまった。走り出しこの場を脱しようと考えていたであろう捜査員の思考はもう、脳内から外には出られない。普段と何も変わらないウサギの衣装達に仕込まれた機構を遠隔で操作され始めた捜査員の裸体はもはや、我々の思い通りに動き無様を晒すラジコンでしか無い。
我々の目を欺く為に意図して掻き立てていた演技の興奮ではなく本物の興奮を無理矢理に掻き立てられた捜査員は、発情ウサギになりきり裸を悦んで見せ付け至福を得る変態の役ではなく欲に塗れた視線を投げかけられている状況に爛れた至福を得る本当の変態へと一瞬にしてあり方を上書きされた惨めな捜査員の男は、先程以上に惨めなダンスを提供しながら笑顔でイくだけの存在でしか無い。
助けても、許しても叫べなくされた捜査員ウサギは、勝手に動く手足に絶望し本来の持ち主である自分の指示を無視して蕩けた笑みを浮かべつつ醜悪な視線に快楽を覚えて絶頂に至る生物に貶められた自分の様子で、一網打尽にしようとした我々と観客達に愉悦を味わわせることしか出来はしないのだ。

尖りきった乳首と、さっきよりも体積を増した男根を主張しながら恥の概念を投げ捨てたダンスを強要される捜査員。ふわふわの手で左右の尻肉を広げつつ尻尾と繋がっているアナルプラグをくわえ込んだ尻穴を突き出し、がに股に開いた足の間にぶら下がっている男根と共にだらしなく表情を緩ませた逆さの顔を観客達に見せるウサギの捜査員。救済を願う本心を欠片も表に出せぬまま感度を高められた裸体を激しく踊らせ為す術無く射精を繰り返す我々悪の手に堕ちた潜入捜査員。
そのどうすることも出来ずに踊らされ、絶頂を極めさせられる捜査員をステージの袖で観察する私はこのショーがたっぷりと二時間に渡って開演される予定を思い出し自覚出来るくらいに笑みの黒さを深めながら用済みとなったマイクのスイッチを切り、観客達とは違う視点から捜査員ウサギのダンスと絶頂姿を堪能する準備を椅子に腰掛けつつ整えていくのだった。
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